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褐色男子、色白女子。

もずく。

白崎さんと寄り道。

私の寿命はあと何日なのだろうか。いや、あと何秒なのだろうか。そんなことを考えてしまうほどに今私はリア充をしている。
「白崎、白崎は甘いの好きか?」
「ひ、人並みには…」
嘘だ。私は極度の甘党だ。何を格好つけているのか人並みには、なんて。
「ん、じゃああそこ行こう。あの店のクレープはすごく旨いらしい。」
「行きたい…!」
思わず食いついてしまった。黒川くんも驚いたように私を見る。
「あっえっとあのっ」
私があたふたとしていると黒川くんは楽しそうに笑った。
「ははっ!白崎が楽しそうでよかった。この通り、他にも色々あるから食べたいの言えよ。白崎の食べたいもの全部食べよう。」
「う、うん…。」
恥ずかしくて大人しくなった私に黒川くんはまたコロコロと笑うのだけど。

「…!美味しい…!」
「おお、よかった。トガの言ってたとおりだな。」
「トガ?」
黒川くんが口にした名前に首をかしげると黒川くんはうなずいた。
「そう、トガ。戸賀壮士。俺の同じクラスのやつ。トガは女子に人気だからこういうものも沢山知ってる。」
私はとがそうしという名前に記憶を馳せた。何となく、聞いたことがあるような…
「あっ!」
「んっ!?」
私が弾けたように突然声を出したのにつられ、黒川くんも声をあげる。
「あっ、ご、ごめんなさい…。」
「いや、大丈夫だけど…急にどうした。」
「あの、戸賀くんって知ってるなって。さくちゃん…ええっと、私のクラスの早乙女さくやちゃんの…幼馴染?だったなあって。」
私がそういうと黒川くんは納得したような顔をした。
「なるほどな。早乙女とトガ、よく一緒に登下校してた気がする。合点がいった。」
そう言って私を見下ろすと、すぐに優しい顔になった。
「ははっ、白崎、ほっぺたにクリームついてる。」
よく少女漫画であるシチュエーション。そっくりそのまま黒川くんはいとも容易く実行してみせた。
「ん、これ甘いな。白崎、こっちも食うか?」
「…はい…。」
だめだ。彼はハーフなのだ。そんなことどうとも思っていないのだ。だけど、だけど。一瞬でも考えてしまったのだ。指だけでも男の子だと分かってしまうから、彼も男の子なのだと。私は今まで以上に彼のことが見れなくなりそうだ。

「トガ、俺やったかもしれない。」
「はあ?…はっはーん、なるほどな。」
満月の瞳の獅子ライオンの目覚めまで、あと少し。

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