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褐色男子、色白女子。

もずく。

黒川くんと白崎さん。

黒川くんから告白されてたったの1日。たったの1日しかたっていないのに、なんだこの拡散力は。
「小糸、黒川に告白されたらしいじゃん?」
「さ、さくちゃんなんで知ってるの…。」
勘弁してほしい。行く先々で、黒川に告白された。と言われる私。今も友達のさくちゃんこと早乙女さくやちゃんに言われてしまった。さくちゃんは俯く私にやれやれとため息をついて言葉を続けた。
「有名だよ、黒川。かなり高身長で褐色ハーフ、運動できる。勉強は苦手らしいけどギャップ萌とかなんとか。まったく、褒められたことじゃないのに女ってすぐギャップって言うからおかしい。」
かなりリアリストのさくちゃんが次は私に目を向ける。
「かと思えば、女の中でも小柄、色白天使、運動は苦手だけど勉強は得意な小糸。正反対だねえ。こんな天使はあんなライオンには勿体無いって。」
…さくちゃんはたまにおかしい。
「たしかに正反対、だよね。黒川くん、コミュ力高かったし…!」
さくちゃんにそこじゃないと突っ込まれたが現時点で私の中では問題はそこしかなかった。果たして彼のコミュ力についていけるか。
「…ねえ、一応言っとくと黒川もそんなにコミュ力高くないよ。そりゃ小糸から見たら誰でも高く見えるってだけで。」
「ゔっ…」
何となく勘付いてはいた。彼はかなり表情が変わらない。でも、コミュ力という問題を提起しておかないと流されそうなのだ。あの金色の瞳に。
「…小糸。お客さん、じゃないかな。」
下を向いていた視線をさくちゃんに習って扉の方に向ける。するとバッチリ目が合ってしまった。今最も恐れられている(私の中では)金色の瞳と。
「白崎!」
…コミュ力ないとか言ってたさくちゃん、彼はやはりコミュ力高いと思います。あんなに目を輝かせて口元を綻ばせて私の名前を呼ぶ。
「は、はい、白崎、です。」
圧倒的カタコトの日本語でも黒川くんは私の言葉を聞こうとしている。さくちゃん、びっくりしてるの見えてるからね。
「白崎、今日時間あるか?」
何の前触れもなく突き出された疑問に私は反射的に頷いていた。
「ならよかった。今日、友達として寄り道して帰らないか?」
「アッエッアッはいっ。」
…私、やっぱりかなりコミュ力低い。ほとんど流されるように寄り道が決定してしまった。ノーと言えないコミュ障なめんな。

「…よっしゃ。」
黒川くんが小さくガッツポーズをしているのを見て、小糸でも案外大丈夫かもしれないと思ってしまったさくちゃんであった。

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