地味な俺がなんでモテるの!?

斉藤 自由

第21話 成城、ベッドと共に

「部活…か」

俺はそう呟く
部活には入りたいと思った事は無くもないが結局面倒いに負け今まで入らなかったが、勢いで入ってしまった。
 
まぁ、勢いに身を任せるのもたまには良いのかも知れない。
習い事はしてないし、帰ると暇だったからな
いや、最近は忙しくてしょうがないが…

そして、俺は帰宅し、真っ先に自分の部屋に向かう。
部屋に入ると大西が、将棋板を準備していた。

「さぁ、やろう?」

とまるで、当たり前かの様に座っている姿を見るとその胆力が羨ましいが、特に断る理由は無いので1局打つ事にした。




「負けたー」

とフルに使っていた脳が悲鳴を上げていた。

「勝ち」

と表情には出ていないが大西も満足したようだ。
俺は、起き上がり制服を着替えると大西に伝え脱ごうとするのだが…

「あの、大西さん?」

「?」

大西は部屋を出ようとせず、将棋の駒をパチパチと動かしていた。
まぁ、あれだ、常識を教えよう。

「大西、普通の女子高校生はここで変態とでも言いながら部屋を出るもんだぞ」

まぁ、普通がわからないので前にアニメで見たシーンを参考にした。

「そう」

と大西は目の光が消えた様な気がした途端

「変態」

おっと、これは穴を掘って入りたい気分になりますね。

「いや、大西さん、俺が悪かったのでソレやめて貰えませんかね?」

「わかった」

雰囲気が戻った事に安心した俺は着替えようとボタンを…

「い いつまでいるんだ?」

いまだ、動こうとしない大西に疑問を持ちつつも聞いて見ると
 
「ダメなの?」

「いや、ダメとかじゃなくて、恥ずかしくないか?」

「全く」

うーん、俺が間違ってるのかな?
いや、でも、大西に羞恥心という物を覚えて貰わないと…

「じゃあ、大西は俺の前で着替えても問題ないか?」

「………」

うん、流石に恥ずかしいと思ったのか部屋を出てったぞ

「これで、やっと着替えられ…」

とYシャツを脱いだ所で扉がバンッと音と共に大西が私服を持って入って来た。

いや、あの…

「きゃ」

と叫びそうになった時に大西は制服を脱ぎ始めた。

「??」

勿論俺は驚いて固まってしまっている。
衣の擦れる音を出しながら大西の下着姿が露になる。

「ちょ」

俺は、反射的に目を背ける。
だが、大西は俺の顔に手を伸ばし、大西の方に強引に向かせてくる。

「大西?」

俺は、顔が熱くなっているのを感じながら目が無意識に下着に向かう。
あぁ、緑か…

いやいや!何を考えてるんだ俺は!?

俺の葛藤を他所に大西は俺に言ってきた。

「ちょっと、恥ずかしい…」

「え?」

え?もしかして、それを確かめる為に?

「いや、大西?」

「……」

大西は真っ直ぐ見つめられるのが恥ずかしくなったのか少しうつむき始める。

「大西、取り敢えずふ」

服を着てくれ、という前に声が掛かる。

「成城?ちょっと来てー」

未来の声に身体がびくっと反応する。

「成城ー?そっちに行くわね?」

そして、始まる死へのカウントダウン
そう、未来が階段に上がる音だ。

やばいやばいやばい!
こんな所を見られたら確実に社会的にも死ぬ!

「大西取り敢えず服を」

「………?」

いや、そんななんで?みたいな顔をしない!
あー、もう!

「大西!」

と俺は大西をベッドに押し倒し、直ぐ様服を隠した。

いや、布団被ってもバレるよな?
じゃあ…

俺は、シングルベッドを大西と二人で入り大西を抱える様に布団を掛ける。

「成城ー?って、何やってんの?」

丁度良いタイミングで未来が入って来るが服は隠したし、大西はここだし大丈夫…

ん?大西?

俺は、頭が覚めるのを感じた…

え?

「ちょっと、聞いてるの?」

俺は、取り敢えず未来の受け答えをしなくては!

そう、強引に頭を切り替えた。

「いや、少し眠くてな」

「あっそう?あ、そう言えば今日お母さんから送り物がきたわよ?」

「あぁ、そうかそれで?」

俺は未来と受け答えしている最中…
俺の腕が大西に抱き枕の様に抱き付かれている事に気付いた。

いや、うん、なんだろうねこれ  

と大西ではないと無理やり思う事にした。

俺が腕を全く動かさないでいると大西が何故かもぞもぞとし始めた。
ちょ、大西…動かないでくれ…

そう、思うも届かず大西が動く。
布の感触や、すべすべな柔らかい感触が交互にする中…

「それじゃあ、私、ご飯の準備してくるね」

と未来はドアを締め下に降りていく音が聞こえてくる。

「ぎゃわっはぁ!」

と慌ててベッドから転び落ちる様に降りると大西がむくっと起きて…

「もういっかい…」

と何故か潤んだ目と濡れた唇でもじもじしながらいった。

いや、何を!?

「と 取り敢えず服を着てくれ!」

もう、強引に着させた。




「あ、成城もう、いいの?」

と、未来が問いかけてきた。
寝るのはもういいのか?っという意味だろう。

「あぁ、所でお母さんから届いた物は?」

「あぁ、あそこに置いといたわよ」

と未来の言うとおりにそこには俺の名前で荷物が送られていた。

「なんだろうこれ」

と、荷物を開けると、そこには封筒とアルバムが入っていた。

取り敢えず、封筒を開けるとそこには雪だるまの隣でピースをしているお母さんの写真と手紙が入っていた。

「ふーん、そうなんだ」

ぐらいの手紙の内容をだった。
大まかに言うとこっちではこうなんだよーという内容だった。

後は、アルバムだよな…

開いてみるとそこには楓が写っていた。

「ふーん」

多分向こうにいた時の楓だろう。
なんで、送って来たんだろう?

「?」

次のページを開けば男の子が楓の頭を撫でている写真があった。

誰だ?

小さい頃だから、今だと高校生くらいか?

まぁ、誰であれ、楓があっちでお世話になったんだ。
いつか、お礼に行きたいな。

「みんなー、ご飯出来たわよ!」

未来の明るい声が家に響いた。

「まぁ、今はご飯か」

そして、俺はアルバムを閉じた。


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