地味な俺がなんでモテるの!?

斉藤 自由

第20話 トラブル解決部!略してTS部!


お久しぶりです…(^_^;)))
斉藤からでしたm(--)m




「おい、こいつやべぇぞ…」

「どうするよ…」

「…」

と不良達はもう、帰ろうとした。

「ど、どうした?来ないのか?」

と成城は不良達に威圧し、不良達は無言のまま、去って行った。

逃げて行った事を確認し成城は一息つく。

「ふぅ、全く面倒な……」

すると、ドアに人影が見えたので成城は見まがえると

「そんなに警戒しないで下さい。」

と出てきたのは何処か儚い印象の受ける女子生徒だった。

「お名前は何と言うのでしょうか?」

「斉藤 成城だけど…?」

と素直に自己紹介をすると彼女は微笑んだ。

「成城さん…ですか…」

急に名前で呼んできたなこの子

「あなた程の生徒を見逃すとは…」

と何かボソボソと言っていたが直ぐに気を取り直して成城をまっすぐ見つめた。

「成城さん!私はあなたが欲しいです!」

「…はい?」

成城は思考が一瞬停止したが気を取り戻す。

「それは…どういう事ですかね?」

「はい!成城さんを部活に誘っています!」

あ、そういう事か…

一瞬でも告白と勘違いした自分に恥ずかしさを覚えながらも理由を聞く。

「なんで俺を?そもそも何の部活?」

「部活の内容は大きく言って何でも屋です。」

何でも屋?

と成城の頭には?マークが浮かんでいる。
成城は前に見たポスターを思い出しているがそれに似た部活は無かったと確信している。

「私はポスターでの勧誘は行っていません。」

成城の疑問を察したのか考えている成城にそのような事を言ってきた。

そして、成城は彼女が自ら勧誘をしているのだと結論付けた。

成城はもう一つだけ質問することにした。

「部活の名前は?」

その質問に対し満面の笑みを浮かべた彼女は

「トラブル解決部!…略してTS部です!」

その笑顔に成城は、綺麗だと素直に思う。

「あ!私としたことが…自己紹介をしていませんでした!」

「私は同じ一年です!名前は秋枝 桜あきえだ さくらって言います!」

「秋枝 桜?」

と思わず声に出した成城に秋枝はまたもや微笑んでいた。






「成城?…成城!」

「ん?」

考え事をしていたのか意識が別にあった成城だが未来のおかげで意識が戻る。

「何?ぼーっとしちゃって」

「いや、ちょっとな」

それから未来はふーんと言いながらご飯を食べていた。

「秋枝…か」

と成城がそう呟くと未来と楓はびくっと反応した。

「成城…もしかし」

「成城にぃ?」

と未来の隣から何かドス黒いオーラを纏った楓がいたが成城は気付かず食べ終える。
こんな空気の中でも、大西さんはぶれないなただ淡々と食べ進めていた。

「ごちそうさま」

と逃げる様に言い残していつもの様に日課を終わらせた。






「部活か…」

正直、成城は部活動はあまり気が進まなかったが彼女の事を思うと部活もそんなに悪くはないような気がしていた。

だが、最終的には断る事になりそうだと成城は思う。


理由は………


「成城?明日の事なんだけど」

と未来は成城の部屋をノックせずに入るとそこには成城がベッドで寝ている事に気づいた。

「寝てるんだ…」

と成城には話す事があったのだが、それは明日からでも遅くないと思い未来は成城の部屋を出る。

「それにしても…流石 部長 …」

とその呟きは誰の耳にも届かず消えていったのであった。








「成城起きなさい!」

と成城は未来のうるさい声で起こされ、寝癖をつけながらも制服を着てリビングに向かう。

そこには、もう、俺以外の全員は朝食をとっている。

今日は、楓だな。

内容はシンプルで、目玉焼きといんげん、そして、ウインナーといった定番のメニューだった。

「成城にぃ、目玉焼き食べる?」  

と成城の隣に座る楓が一つしかない目玉焼きをくれると言ってくれた。

「いいのか?」

「うん、だって、その為に残したんだもん」

成城の為にと言ってくれたので、成城はありがたく貰う事にした。

「どう?美味しい?」

「あぁ、料理上手くなったな」

「そうでしょー、えへへ」

そう、嬉しそうにはにかんでいた。




「よお!おはよう!」

と、クラスメイトの陽太が話し掛けてきた。

「おう、おはよう」


今日は、何事も無く登校し、何事も無く放課後を迎えられた…

平和だ。

しかし、教室にいる成城は何か視線を感じ、悟らせないよう慎重に視線を追うと…

ジィーー

そこには、白い少女がこちらを睨んでいた。

いや、バレバレだし!

そう、秋枝さんだ。

成城は一つため息をし、見なかった事にした。

しかし、相手は俺と話す機会を伺っていたのか近づいて来た。

「もう、お帰りですか?成城さん」

「あぁ、秋枝さん?だよね?」

俺は偶然を装い秋枝さんに接する。
理由?そんなの説明が大変だからに決まっている。
本人はバレてないと思ってたら尚更面倒だ。

「えーっと、何か用事?」

「はい、御返事を聞いていなかったので」

「返事!?」

と俺ではない誰かが反応した様だった。
何か面倒な予感がするので、早々に会話を終わらせるべくこちらから提案する。

「悪いんだけど…もうちょっと待っててくれる?」

そう、まだ断らない。
いや、ここで断ったら絶対に周りが勘違いする可能性があるので、日を改める事にした。

「そうですか…私待ってますね?」

いや、待ってくれ、そんなにしおらしく言われたら…

「うわー斉藤君サイテー」

「あれは、引っ張っておきながら絶対に断るパターンよ…」

と、あらぬ噂をばらまかれかね無いので誤解を解くためにもここで入部してしまおう。
やはり、今後の事を想定してしまうと噂は馬鹿に出来ない。

「わかった、先生に入部届けを提出すれば良い?」

すると、秋枝さんはパッと子供の様に笑顔になる。
うん、本当に噂は馬鹿にならない

「ありがとうございます!入部届けはこちらにありますので、記入したら、私に下さい。」

と、上機嫌になった秋枝さんがニコッと笑ってから教室に戻って行った。

うん、わざとでは無いのはわかるんだが…

天然って怖いな、と思う成城であった。

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