地味な俺がなんでモテるの!?

斉藤 自由

第10話 修羅場の予兆

「成城にぃ」

買い物を終え自宅に帰っている途中
楓は成城を呼んだ

「どうした?」

「少し持とうか?」

と楓の目線は成城の両手が塞がっていたエコバックとビニール袋にあった
だが成城それほど苦でも無くわざわざ持って貰う程では無いと思い

「大丈夫 これくらい」

と淡々と返す
それが不服なのか楓は「えい!」と可愛らしい声を上げながら成城の右手を掴み

「そう言う時は頼ってよー」

「あ あぁ ありがとうでも本当に大丈夫」

と膨れっ面をしてくるのでこれはどうしようも無いとエコバックを楓に渡す
すると楓は頼られたのが嬉しかったのか
鼻歌混じりに歩いている

「それにしてもさ…」

と突然鼻歌を止め成城が持っている袋に目を向ける

「随分買い物したんだね」

ピクッと成城は僅かに動揺をした
それに気づいたのか楓はジッと成城を見ている

「あぁ まぁ俺は買い溜めする方だからな」

と平然そのもので返す

「まぁ成城にぃは計画性高いもんねー」

と楓は納得した様に前を向いた
今のやり取りで成城は正直焦っていた

危なかった…この計画に勘づかれては色々と面倒だな

その後は何事も無く家に着くが楓は勘が良いので何回か成城は冷々していたが楓には勘づかれた様子も無く無事であった

そして成城は帰宅してからは真っ直ぐにキッチンへ向かった 

楓はと言うと部屋にはまだ段ボールが積み重なっているが大体は片付いているため
リビングでテレビを見ながら寛いでいた

「成城にぃ 今日のご飯は?」
 
「今日は楓が決めていいよ」

と料理の準備を着々と進めていた成城はエプロンを着けながら返した
今日は楓が帰って来たので楓の好きな物を作ろうと楓に決めさせる

「えーじゃあ具材から考えて…」

とスーパーの具材を思い出しているのか
考えている仕草を見せていた

失敗したな スーパーにいる時に楓に聞くべきだった

と成城は思っていた
因みに成城は今晩は肉じゃがにしようと考えていた
 
うーんこの材料で何が作れるか…

と成城は頭の中で献立を考えていたが
それは楓の一言で無駄になった

「じゃあ 肉じゃがでー」

「お おう」

もう何も突っ込まなずに調理を始めた

「ん~ おいっし~」

「そりゃどうも」

肉じゃがを美味しそうに口に運ぶ楓を見て
成城は微笑んだ

「成城にぃの料理を食べたら他の物が食べられなくなっちゃうよー」

「それは言い過ぎじゃ無いのか?」

そして楓と話しをしながら食べるご飯は美味しかった
なんだかんだ言っても家族が帰って来ると
嬉しいと感じる成城は楓を見る

だが成城は油断はしていなかった
あの時の楓を忘れる訳が無い このまま何事も無く明日が来てくれとに願った
すると…

ピンポーンとインターホンが鳴る

「成城にぃ出てー」

「最初からそのつもりだ」

と成城は玄関に向かいドアを開けたら

「仕方ないから…その…来てあげたわよ」

と少し頬が赤くなっている
未来が立っていた

神なんていないんだ





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コメント

  • まみやらわ

    どうも…別のアカウントですが作者です…
    急なのですが…この作品はこちらの都合でこれで完結にします…
    この作品を楽しみにしてくれた読者様には途中でやめてしまうと言う行動をとってしまい
    誠に申し訳ございません
    スローペースでの投稿でしたがそれでも楽しみにして頂いてとても嬉しかったです…
    では!またアカウントを作り新しく作品を書きたいと思うので
    こんな勝手な実力不足の作者ですが…何卒宜しくお願い致します!
    次はまみやらわと言う名前でやります!
    それでは!

    0
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