話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

Bouquet of flowers to Messiah

有賀尋

Dream within a dream

ある朝、俺は目が覚めてぐーっと伸びをした。
その瞬間、ふとした違和感に襲われる。

「...ん?」

見ると袖はぶっかぶか、肩はずり落ちていた。

「......んん?」

待て待て、どんな状況なんだ?

確かに俺は昨日普通に寝たはずだ。
何事もなく普通に。
梓音を抱きしめて寝たはずだぞ?
なのにどうして...どうして...!

...なんで...子どもの姿なんだ!?

周りを見てもいつもの部屋で、しかも隣には梓音もいた。

「...梓音、梓音、起きろって」

俺は梓音を揺すって起こした。

「...ん...誰だお前」
「俺!雪斗!」
「...は?」

それで一気に覚醒したようで、ばっと起き上がった。

「...ほんとに雪?」
「そうだよ!俺だよ!なんならお前の恥ずかしい所言ってやるぞ!」
「やめろ。けど、なんでその姿なんだよ、薬切れたとか?」
「違う。切れるわけない!」
「じゃあなんで...」
「俺が聞きたい...とりあえずチャーチ内がどうなってるか見ないと...というわけで、梓音」

そう言って俺は梓音に腕を伸ばした。昔よくやってた行動だ。梓音は察したのか抱き上げて部屋を出た。見た目は昔の感じで、小学生並み。よく梓音にはチビって言われてたっけ。
少し行くと悲鳴が聞こえた。場所は、有明の部屋だ。
梓音と向かうと、

「...え、有明?」

見た目はもはや3歳児並になった有明が今にも泣きそうな顔をしていた。
隣には藤瀬はいない。任務で今日帰ってくるはずだ。

「...有明、俺が分かる?」
「...ドクターと...黒咲さん...」
「記憶は正常だな。ここがどこだかわかるか?」
「チャーチ...」

いくつか質問をして分かったことがある。
記憶は正常。体と精神年齢が幼くなっただけだ。
途中有明が泣き出してしまったこともあり、梓音が有明を抱いてあやしていると、百瀬さんが顔を出した。

「子どもの泣き声がしたんだけど?」
「...いますよ、ここに2人」
「...あら?雪斗君?幸樹君も?」
「なんでのかは知りませんけどね」
「あら...幸樹君可愛いわね、私に貸して?」
「あ、はい」

梓音が有明を百瀬さんに渡すと、有明は泣きやんだ。

「...お母さんパワーだ」
「とりあえず幸樹君は預かるわね。藤瀬君帰ってくるまで一緒に待ってましょうね」

そう言うと百瀬さんは有明を連れて出て行った。

「...とりあえず部屋戻るか」

他はなんともなさそうだし、馬鹿にされるのも嫌なので早々に部屋に退散する。

「...きっと夢だな、寝たら治るだろ!...治るよな...?」
「...雪が不安になってどうすんだよ」
「とりあえず寝よう、うん!梓音も寝よ...?」
「分かったよ」

同じベッドに潜り込んで目を閉じる。
これは夢だ、悪い夢だと信じて。

...き、ゆき...

「雪!」

はっと目を覚ますと、いつもの俺だった。
どうやら医務室でうたた寝していたせいで夢を見たらしい。

「大丈夫か、なんかすごいシワよってたぞ」
「ん?あぁ、大丈夫、ちょっと夢を見てたらしくてな」
「...夢?どんな?」
「...教えねー」

絶対に教えない。俺が子どもになった夢なんて。

「Bouquet of flowers to Messiah」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「現代アクション」の人気作品

コメント

コメントを書く