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Bouquet of flowers to Messiah

有賀尋

The truth and entreaty and parting

俺だけ任務から外される理由は分かっている。


World No Face


多国間での幾重にもよるスパイ。
俺は数えきれない国の機密を知っている。
そして俺はこれを知られてはならない。
どんなに身近な人であっても話してはならない。
でも、あの人達の目は誤魔化せなかった。

ある日俺だけ百瀬さんに呼ばれて行くと、そこには雛森さんもいた。

「...なんか用?」
「何か私達に隠してることがあるんじゃないの?」
「...なんのこと?何もないよ?」
「...World No Face、それがお前の本当の名前だな」

いずれバレることは知っていた。
隠し通そうとしていたのに。

...あぁ、敵わない。

「...そうだよ、多国間スパイ、World No Faceは俺だ。もう少しバレないかなと思ったのに」
「甘く見てもらっちゃ困るわ」
「何が目的だ、チャーチの機密か」
「そんなの要らないよ」

そうだ、俺にはそんなもの必要ない。だってもう手に入れたんだから。

「...どうして多国間スパイなんかを?」
「...話せば長くなるよ」

そして俺は全てを語った。

―最初に声をかけてきたのはこの国だったんだ。国の裏仕事でとある国の軍部の機密データを引っ張って来いって。それくらい朝飯前だったから余裕で引き抜いてやったんだ。
...そしたら、この国は何をしたと思う?
それに欲目を出してありとあらゆる手段を使って情報をかき集めたんだ。俺と愛斗を使って。
あぁ、安心して、愛斗は違うから。
愛斗は完全に俺の巻き込まれだよ。
それからだよ。
俺達が死線をくぐり抜けてきたのは。その中で俺の存在をどこかで知った色んな国が俺にスパイを要請してきた。
生きていくのにも必死だったからさ、金が入ると思って受けたんだ。でも入ってくる金は微々たるもんだった。生きていけないって思った。
だからここに拾ってもらえてラッキーなのは本当だし、そろそろ落ち着けたかったんだ。
それに、俺はここに入る時に一嶋と約束してる。
もしもここにいたいのなら、それをやめてここだけのスパイになれって。
だからもうどことも繋がりはないよ。誓ってもいい。信じられないなら俺のPCのログ見たっていい。
ここの秘密は一切バラしてない。
重要機密は全てこの中。
...愛斗?知らないはずだけど、きっと何かあるって勘づいてはいるんじゃない?
バレるな、話すなって言われてるから言えなかったんだ。
...ごめんなさい、黙ってて。
どんな罰でも受ける。ここを俺だけ追放したっていい。
ただ、愛斗だけは、あいつだけはここで自由にさせておいてほしいんだ。やっと見つけた落ち着ける場所なんだ、だから...お願いします。


真実と懇願をただ黙って聞いてくれた2人には感謝しかなかった。
普通の大人なら、話を聞かずにただ一蹴して終わっただろう。

「...話は分かったわ。...処罰は追って指示する、戻っていいわよ」

愛斗には相当責められた。
どうして言ってくれなかったのか、なんで1人で背追い込もうとするのか。
そんなことを延々と。
俺はただ謝るしかできなかった。
そして俺は謹慎処分を受けた。
奈落への謹慎。全てから切り離された場所で何を考えるでもなくただぼーっと過ごした。
それから愛斗とは距離を置いている。俺は任務から外されているし、やることと言えば専らシステム警備だとかキングや幸樹さんの手伝いだ。
そして、照る日の杜に向かった新人2人の監査を買って出た。定期連絡は定型文を置いて定時に送信になるように設定している。
照る日の杜の連中に見つかった時のために、ダミーを持ち歩いている。嘘データを詰め込んだハッタリだ。
...そして、愛斗だけに向けた文書は本物と一緒にしてある。その場所は、愛斗だけが知っている、俺達がキングに拾われた公園。



...さよなら、俺の愛した人

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