Bouquet of flowers to Messiah
Declaration of war
—頼む、力を貸してくれ。
俺はいつも通り研究室に籠っていた。その日は珍しく怜も一緒にいて、学会の準備があった。
すると俺のスマホが震えた。相手は、
「...雪斗?」
「どうした」
「んやー、雪斗から電話でさ。スピーカーにするから一緒に聞いててよ」
「はぁ?何言って...」
怜が何か言うのもそのままに、電話を繋げてスピーカーにする。
「もしー?どうしたの雪斗?なんか用?」
『...お前の力を貸してくれ』
「............は?意味わかんないんだけど、どゆこと?」
『...有明幸樹を知ってるな』
「あぁ、君んとこのサクラでしょ?それがどうかした?」
『...自殺、したんだ』
「...なんだと?」
「自殺?他殺じゃなくて?それは本当に?」
雪斗の話によると、任務の時刻になっても来ない事を不審に思った百瀬さんが奈落でこめかみを撃ち抜き倒れているのを見つけたと言う。使ったのは、久世朝陽が使っていたハンドガン。そして、使われたと思われる使用済み薬莢が1発。
監視カメラの映像も全てがダミー映像に切り替わっており、いつ奈落で撃ったかも不明。ただ、出血量が多かったことから死後数時間が経っていると思われる、と。
「ふぅん?それはいいけどさ、俺達関係なくない?」
「それはそっちの問題だろう、そっちで解決...」
『出来ないんだよ!』
雪斗は急に声を荒らげた。
「なんでさ」
『...再生槽、蘇生槽の使用には時間がかかる』
「...なーるほどね」
再生槽、蘇生槽を使うには許可の過程がある。本人の意思、書類作成、上への許可。幾多の過程を経て許可が下りる。ただ、今回は重要である本人の意思が確認できるものが一切なく、書類作成も出来ない。
「...で、それを俺達にやらせようというのか」
『違う。...なぁ遥人、お前脳外科医だよな』
「名目上はね?今じゃなんでもやるけど」
『怜の脳が取り出されたこと、分かるか』
「...なに、俺にそれをさせようって?」
そこで雪斗が黙る。
...図星、か。
「...何を考えてる、雪斗」
『...有明をAIとして、人間としても生きていられるようには出来ないだろうか』
「不可能だ。...と、言って捨てたいところだが…」
「可能、だね」
それを見越して頼んできたんだろう。
『...本当か?』
「見越して電話よこしたんでしょ、知ってる。確かに怜の事件の後に俺達があのアホな研究者達の研究成果は貰ったよ。何人かはネクロマンサーになってる。そしてお前は俺の次の研究を知ってて言ってきたんでしょ、だけどひとつ言うと保証は出来ないよ?」
『それでもいい。有明の遺体は係長達が今処理しようと進めてるんだ』
「...肉体は必要だ、処理するより保存しておいてもらわないと困る」
「そこにさー、係長達いるんでしょ?ちょーっと代わるか呼んでくれる?」
「...おい」
『...何するつもりだ?』
「なにって、そりゃあ」
宣戦布告、だよ。
俺はいつも通り研究室に籠っていた。その日は珍しく怜も一緒にいて、学会の準備があった。
すると俺のスマホが震えた。相手は、
「...雪斗?」
「どうした」
「んやー、雪斗から電話でさ。スピーカーにするから一緒に聞いててよ」
「はぁ?何言って...」
怜が何か言うのもそのままに、電話を繋げてスピーカーにする。
「もしー?どうしたの雪斗?なんか用?」
『...お前の力を貸してくれ』
「............は?意味わかんないんだけど、どゆこと?」
『...有明幸樹を知ってるな』
「あぁ、君んとこのサクラでしょ?それがどうかした?」
『...自殺、したんだ』
「...なんだと?」
「自殺?他殺じゃなくて?それは本当に?」
雪斗の話によると、任務の時刻になっても来ない事を不審に思った百瀬さんが奈落でこめかみを撃ち抜き倒れているのを見つけたと言う。使ったのは、久世朝陽が使っていたハンドガン。そして、使われたと思われる使用済み薬莢が1発。
監視カメラの映像も全てがダミー映像に切り替わっており、いつ奈落で撃ったかも不明。ただ、出血量が多かったことから死後数時間が経っていると思われる、と。
「ふぅん?それはいいけどさ、俺達関係なくない?」
「それはそっちの問題だろう、そっちで解決...」
『出来ないんだよ!』
雪斗は急に声を荒らげた。
「なんでさ」
『...再生槽、蘇生槽の使用には時間がかかる』
「...なーるほどね」
再生槽、蘇生槽を使うには許可の過程がある。本人の意思、書類作成、上への許可。幾多の過程を経て許可が下りる。ただ、今回は重要である本人の意思が確認できるものが一切なく、書類作成も出来ない。
「...で、それを俺達にやらせようというのか」
『違う。...なぁ遥人、お前脳外科医だよな』
「名目上はね?今じゃなんでもやるけど」
『怜の脳が取り出されたこと、分かるか』
「...なに、俺にそれをさせようって?」
そこで雪斗が黙る。
...図星、か。
「...何を考えてる、雪斗」
『...有明をAIとして、人間としても生きていられるようには出来ないだろうか』
「不可能だ。...と、言って捨てたいところだが…」
「可能、だね」
それを見越して頼んできたんだろう。
『...本当か?』
「見越して電話よこしたんでしょ、知ってる。確かに怜の事件の後に俺達があのアホな研究者達の研究成果は貰ったよ。何人かはネクロマンサーになってる。そしてお前は俺の次の研究を知ってて言ってきたんでしょ、だけどひとつ言うと保証は出来ないよ?」
『それでもいい。有明の遺体は係長達が今処理しようと進めてるんだ』
「...肉体は必要だ、処理するより保存しておいてもらわないと困る」
「そこにさー、係長達いるんでしょ?ちょーっと代わるか呼んでくれる?」
「...おい」
『...何するつもりだ?』
「なにって、そりゃあ」
宣戦布告、だよ。
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