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Bouquet of flowers to Messiah

有賀尋

The place that woke

一瞬の激痛が走って意識がなくなってどれくらい経っただろう。

—...な...、きな、起きなよ、幸樹君。

その声はどこかで聞いたことのある声。
メサイアの声じゃない。

「あーりあーけこーきーくーん、起きてもらえますー?」
『...え?』

目を覚ますと、そこにいたのは、

『...神楽坂...さん...?...結城...さん...?』
「当たり、気分はどう?」
『...気分...?』

僕はメサイアコートを着ていた。でもどこかおかしい。体が透けている。

『あの、どうして僕...』
「君、奈落の底で、自殺したんでしょ?全く、大変だったんだから」

あの後、百瀬さんが見つけ出してくれたこと。係長に頼まれて、神楽坂さんが遺体を引き取ったことを聞かされた。そして僕は、

『...ネクロ...マンサーに...?』
「そ、怜の事は知ってるよね?」

聞いたことがある。
結城怜さんは1度脳を摘出されてネクロマンサーになっていたこと。

『...もしかして...』
「その、もしかして。脳の損傷は激しかったけど、治せないほどじゃなかったから君の記憶は正常。そして、あそこに脳みそがある」

神楽坂さんが指さした先には僕の脳が薬品に漬けられ、様々なコードが直接繋がれた状態で保存してあった。


『...これが...』
「そうだ。...そして、お前の前のメサイア、久世朝陽の事も調べてある」
『...結城さん...』

そこで僕は知らされた。
朝陽は生きている、と。名前を変え、記憶もなくし、チャーチに鴉としているのだと。

『...チャーチに...?』
「あぁ。だが、お前の記憶や、チャーチでの記憶は一切ない。あくまで鴉として存在している」
『...そうだったんですね...』

僕は少しほっとしていた。
もういないと、そう思っていたから。

「...ねぇ、どうして自殺なんてしたの?」

神楽坂さんが尋ねてきた。

正直に話そう。

僕は少しずつ話した。

『...分かりません...でも、僕は2度も失ってるんです。1度目は僕自身の手で結月を、2度目は朝陽を...1度は動き出してくれた時間がまた止まってしまった…。僕は生きてちゃいけないんだ...結月や朝陽と背中を合わせて戦えるって...そう思ってたのに...!』

僕はその場に崩れた。
泣きたかった。
同情なんかなくていい。
なくていいから…泣かせてほしかった。

『それは僕が過信してただけで...!ただの妄想に過ぎなくて...!戦闘員の結月や朝陽と非戦闘員の僕じゃ...無理だったんだ...!止まったままの時間はもう動かなくて...!だったら止まったまま死のうって…それで...!』
「それが、藤瀬を傷つけた。聞いたところによると、あいつは任務で海外にいたそうだな、そして、お前はその任務のサポートに回るはずだった、違うか」
「...それを放棄してまで死ぬなんてね。君はバカだよ、有明君。君、何も言わずに死んだんだろ?それじゃダメだよ」
『分かってます、でも...!でも...こうするしか...』
「それは違うな」

扉が開いて入ってきたのは—。

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