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Bouquet of flowers to Messiah

有賀尋

Stopper is just one

「衛、射撃の練習に行ってきますね」
「...うん、分かった」

そう告げて演習場に向かった。
最近は海棠さんや有賀さん、雛森さんに射撃を教わっている。教えてくださいと言ったら快く承諾してくれた。
海棠さんはチャーチの他の人たちにも射撃を教えているらしく、たまに捕まらない時があったりする。有賀さんも任務で忙しいのかなかなか捕まらない。雛森さんも今は確か海外だったはずで、残念ながら教官はいないが、復習しようと思った。
射撃場につくと誰もおらず、これなら集中してできる。
最近貰った銃を構えて練習を始める。鼓膜が破れてしまうんじゃないかというくらいの音にまだ慣れない。

『鼓膜破ったら元も子もないから練習の時は耳栓一応しとけよー』

これが海棠さんの教え。
実戦で耳栓は無理ではないかという質問に丁寧に答えてくれた。

『外で遠距離から狙う時は音は大敵。だからサイレンサーを付けるんだよ。ま、拳銃はそうも言ってらんないからそれは慣れるしかないけど』

納得のいく答えをしてくれた海棠さんには感謝している。おかげで、まだ破れていないし、破ってしまったら衛の声が聞けなくなる。
しばらく練習をして射撃場を出ると、声をかけられた。

「あれ、もしかして草薙?」

声をかけてきた相手は2,3人いた。面識はなかったが、メサイアコートを着ている事からサクラだと分かる。

「そうですが、貴方は…」
「お前一嶋の人形なんだってな」
「...は?」

そこから滔々と何かを語りだしたが、不快でしかなかった。そして、自分の中の何かがプツンと切れた。

「…だからなんだと言うんです、私は…俺は俺、人形じゃない!」

そこから記憶が無い。
目が覚めると部屋にいて、衛が覗き込んでいた。
体中が痛い。よく見ると包帯だらけだった。

「...衛...?」
「...よかった、目が覚めて。大丈夫?」
「私は...一体何を...?」

衛は包み隠さず教えてくれた。
あの言葉を言われた後に暴走したらしく、主格に掴みかかり、殴り、蹴りが続いたという。海斗達が通りかかってただ事ではないことに気がついて百瀬さんを呼び、百瀬さんが止めに入るも止めることができず、海斗達が衛を呼びに行き、衛が止めに来た時は百瀬さんと半戦闘状態になっていたらしい。そして衛に止められた。
主格は半殺し状態で重傷、取り巻きは主格を置いて逃げて自首、止めに入った衛も腕を負傷し、百瀬さんは頬に赤線が入った。

「あら、目が覚めたわね」

頬に絆創膏を貼った百瀬さんが顔を出してくれた。

「百瀬さん、すみませんでした…」
「いいのよ、あの子が悪いのは分かってるし。それに、衛ちゃん怖かったわよー?」
「...衛が?」

衛が怖かった。

聞いた時は驚いた。この衛が怖い?

「えぇ、取り巻きが逃げるほどに睨みつけてたのよ。視線だけで人を殺せるってこの事を言うわね」
「...あいつらは許せない、伊織に酷いことを言った」
「そうだけど、今回は草薙君も悪いわよ?」
「...伊織は悪くない」
「いえ、確かに私が悪いです。...どんな処罰でも...」
「そうね...サクラ殺しの容疑もあるけれど...」

百瀬さんが少し考え出してから答えを出してくれた。

「重傷の子が回復するまで看病はどう?」
「......は?」
「謹慎でもいいかと考えたけれどね、何なら仲良くなりなさいよ、一応同期なのよ?」
「...そうなの?」
「...知りませんでした...」

そして言われた通りに回復するまで看病をした。主格のメサイアが謝ってくれたが、結局自分も怪我をさせているのだからおあいこだと言った。回復する前に任は解かれたが、その代わりに衛と常に行動を共にしろと言われた。当たり前だ、こんな事がいつあるか分からない。それに、もし今回のようなことがあっても衛が止めてくれる。
甘えているだけなのかもしれない。だが、今はそれでもいいと思った。

主格とは相入れることは出来なかったのは余談だ。

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