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Bouquet of flowers to Messiah

有賀尋

Christmas guardian Conference

『保護者会議するわよ!保護者は全員集合!』

と、訳の分からない招集をかけられて、夜中に医務室のカンファレンス室に呼び出された。ちょうど遠くに行っていた奴らもみんな帰ってくるからと夜中に設定してあるらしいが、なんのための保護者会議なのか、そもそもどこまでが保護者に値するのかが甚だ疑問だ。アドレスを見るに、初代、周双子、加々美さん、有賀さん、雛森、前谷、久世、有明、藤瀬、俺、梓音、水無瀬、稲川と言ったところか。

なんだ、雅志や藤堂、草薙や衛は対象外か。

俺はなんのためだったかさっぱり思い出せないまま梓音に問いかけた。

「梓音、なんかあったっけ」
「...クリスマスだよ」
「...あぁー、なるほどな」

世間はクリスマス商戦で満ち溢れていたことに気がつく。正直言うと梓音に選んだきりで考えていなかった。

「...すっかり忘れてた。で、なんで保護者だけ?」
「さぁ?俺もわかんね」

先にカンファレンス室で待機していたところに続々とメンツが集まる。

「さすが早いですね」
「仕事場みたいなもんだからな、ここも」
「そうですよね」
「百瀬の事だからどうせクリスマスに碌でもないことを...」
「...だぁれが碌でもないことを考えてるですって?」
「...げ」

...雛森死刑確定。

「も、百瀬さん、えっと、呼び出した理由は?」

雛森に結構本気の裸絞をしていた所を有明がストップをかける。

「あ、そうね。もうすぐクリスマスじゃない?でね、颯空くんや、雅志くん、伊織くんや衛ちゃん、海斗くんや愛斗ちゃんはここで過ごすクリスマス初めてでしょう?だからクリスマスパーティしようと思ってね?」
「それと俺達が呼び出された理由は?」
「簡単よ、保護者組には6人のサンタになってもらうわ!」
『............はぁ?』

全員の疑問が一致した瞬間だった。
それはそうだろう。

「...そもそも足利や草薙は貰う歳でもないですよね?」
「いいじゃない。ここで過ごす初めてのクリスマスに年越しなのよ?」
「...だから?」
「クリスマスくらいあげたっていいじゃない?お年玉はさすがに未成年にしかあげられないけれどね?」
「一応仕事して給料入ってるんだしあげなくても...」
「そうもいかないわよ、普通ならまだ貰っててもいい年頃だもの」
「そうかもしれませんけど...」
「係長命令よ♡」

語尾にハートがついているであろう物言いはさながら、「やらなかったら容赦しないわよ」の無言の圧力が恐ろしかった。

「...呼び出したのは...」
「プレゼント被ったら嫌じゃない?だから被らないようにここの間で共有しようと思ってね」
「あーなるほど」
「決まってる人いるかしら?」

それぞれ悩み始めた。どうせそれぞれのメサイアにだけしか考えてなかったから当然なんだろう。

「はーい、俺は天文図鑑」
「俺はお菓子を作るセットだな」

なんとも初代らしい回答。

「俺は本をあげようかと」
「僕はテディベアにしようかなって」
「俺はアクセサリーかな、あいつらピアスあいてたし」

流石なセンス。
藤瀬や久世、有明らしい。

「...俺はドッグタグですかね」
「有賀さん相変わらずですね」
「思いつかないんだよ」
「...俺はスノードーム」
「シンプルですね」
「...考えたけど何をあげていいか分からないからな…ただ、ちょっと考えようとは思ってる」
「俺達は洋服にしようかって。着せたら可愛い双子コーデ見つけたんだ」
「僕はカメラですかね。智晴は?」
「ペアマグカップにしようかと思ってる」

それぞれらしい解答。

「雪斗は?」
「俺?んー...子犬、かな」

一瞬時が止まるのを感じた。

「...え?」
『..................はい?』

...全員のシンクロ2回目。

「犬?」
「うん」
「ほんとにやるの?」
「ほんとにやるのか?」

...なんだなんだこの空気。

「あぁ、やる。一嶋がいいって言った」
「...全くあの人はもう...」
「...俺は子犬に困らないものをあげよう...」
「ちなみに一嶋はフルスペックの最新PCだって」
「...そう...」

というわけで俺は子犬をプレゼントに決まった。百瀬さん達は頭を抱えてたっぽいが、そんなこったあどうでもいい。
会議も程々に、被ることなく決まって終わる。すると梓音にやっぱり疑問を持たれた。

「...雪、なんで子犬なんだよ?」
「ん?まぁアイツらの弟みたいなもんかなってさ。あと、世話するっていうのがどれだけ大変かを知って欲しいと思って。やった事の無い経験はやらせた方がいいんだよ」
「...雪らしいな…」
「よし、梓音、明日休み取れ」
「...は?」
「買い物だよ、ついてくるだろ?」
「...行く」

翌日買い物に出かけ、俺は子犬をちゃんと選んだ。弟だとしてもちゃんとしたのがいいだろう。だが買い物では決まらず、知り合いに電話をかけ、なんと警察犬になり損ねたジャーマン・シェパードを譲ってもらえることになった。

夜中に譲ってもらい、首輪にリボンをかけてやる。一瞬ぬいぐるみと勘違いしそうな感じだ。
積み上がっているプレゼントの山にそっと置いておすわりさせる。翌朝そんなに長く寝やしないだろう。

俺はこのまま学会だが。

俺は梓音に世話の説明を押し付けて学会へ向かう。
今頃起きて驚いてる頃だろう。

梓音に何をあげようか。

学会の帰りに梓音へのプレゼントを買って帰ろう。

寒空の中、どこか遠くで鈴の鳴る音がした気がした。

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