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Bouquet of flowers to Messiah

有賀尋

Through the darkness Another story

『鋭利、任務完了だ』
「おっけ、じゃあ戻ろう」

そうして任務を終えたのが昨日。そして、帰ってきたのはほんの数時間前。
そしてまた任務が入った。

【雛森雪と前谷尋を救出せよ】

任務から戻ってくると、百瀬係長が真っ青な顔で画面を見つめていた。何かあったであろうと察する事は出来た。

「百瀬さん、どったの?真っ青だけど」
「あら...おかえりなさい...えぇ、ちょっとね...」

俺は珀と顔を見合わせた。

「何があったんです?」
「尋ちゃんが連れ去られたのよ…」
「前谷が?」
「オフを取って出かけたの。そしたら...緊急発信が入って...」
「1人で?雛森は?」
「任務だったのよ。ほら、雛森ってクリスマスとか興味ないじゃない?尋ちゃん、雛森が帰ってくるのがちょうどイブだからって多分プレゼント買いに行ったと思うのよ…」

あぁ、まぁ確かに興味ないって言ってたっけ。その度になんか前谷悲しそうな顔してたんだよな。

「なるほど、それで巻き込まれた、と」
「雛森の事だから、帰ってきてすぐに向かったんでしょ?まだ来ないの?」
「えぇ...雛森から緊急発信は来てないから...」
「そもそも緊急発信するようなやつじゃないでしょ」
「...何時間前にここを?」
「2時間前よ」

...2時間前?
じゃあおかしい。すぐに終えて帰ってこられるようなものだとしたら、雛森がこんなに手こずるわけがない。その前に俺達ゴーストが見えるなら...

「...ゴースト狩り?」
「可能性はあるな。百瀬さん、場所は?」
「...ここよ」

画面にある地図の上を、前谷のGPSが移動している。
とある場所で止まると、そこから動かなくなった。

「止まったな」
「他の奴らは?」
「有賀くんと加々美くんは任務でいないし、かと言って他の子達もみんな今いなくて...」
「俺達行くよ」
「帰ってきたばっかりじゃない!」
「後輩のピンチでしょ?助けないとさ?」

俺は当たり前のように珀を見上げる。
珀も当たり前という顔をしていた。

「そうだな」
「んじゃいっちょ行きますか」

俺達はチャーチを出て現場に向かった。
そこは研究施設らしく、円柱状の槽が沢山の配線に繋がれていた。早速シュートポイントを探し回ってみると、どうやら誰か来たようで、俺達は物陰に隠れた。

「鋭利、周りは敵に囲まれてる」
「やっぱり?...つかさ、あの中にいるの雛森だよな」
「あぁ、そして連れられてきたのは前谷だ」

何となく理解出来た。雛森をおびき寄せるために前谷を連れ去り、そして前谷も一緒に連れ去ろうって算段か。

「...珀、あそこからならあいつのド頭狙えると思うか?」

俺が指さしたのはちょうどあいつの斜め上にある出入り口。階段から登れば直ぐにつく。

「今動くのは危険だぞ」
「今動かないでいつ動くんだよ、大丈夫だって。珀、お前向こうで構えてろよ、俺はアイツをとりあえず消す」
「...分かった」

珀と別れて俺は静かに階段を登る。ポイントに着くと、俺は小さくモールス信号を流した。珀も着いたようで答え、チャンスがないかを窺う。下手をすれば前谷の事も傷つける可能性がある。それだけは避けたい。しばらく様子を見ていると、前谷が銃を構えた。雛森のハンドガンで、どう考えても不慣れなのは見て取れる。

でも、これがチャンスかもしれない。

俺は前谷にモールス信号を流した。『合図をしたら伏せろ』と。前谷は多分わかってくれたと思う。俺は合図を始めた。前谷は相手を見つつも広い視界の中で俺の合図をちゃんと見極め、そしてドンピシャで伏せた。すると周りは蜂の巣をつつかれたように騒がしくなり、俺と珀はそこから殲滅を始めた。
百瀬さんには助けるついでに殲滅していいと、言われている。黒丸、組織の構成員も全員死亡、組織は解体された。

「っし、いっちょあがり。珀、帰るぞ」
「そうだな、帰ろう」
「百瀬さんが特製ケーキ作って待ってるってさ」
「なに、早くしないと柚原達に食われる」

出ると街には雪が降っていた。

今年はホワイトクリスマス、だな。

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