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Bouquet of flowers to Messiah

有賀尋

Rose and sunflower

『君には向日葵が似合う。真っ直ぐに育つ向日葵みたいだ』

...何が向日葵だ。
何が真っ直ぐに育つだ。

弟が死にかけてると聞いて急いで来てみれば、敵はいるし、場所だって分かりはしない。ここにいることは確かなのだ。なのに、ここは無駄に広い。
探し回って探し回って、敵を殲滅して行くと、ふと廊下の花瓶に薔薇が生けてあるのが目に止まる。
そこで思い出した。
弟は薔薇が似合うと言われていたことに。

「...薔薇...そうか、薔薇...!」

ここの庭にたくさんの薔薇があることは知っていた。
そこに、いるはずなのだ。
血を分けた弟、そして自分のメサイア。
外に出て薔薇の中を駆ける。担架で運んだのか、庭には血は一滴も落ちていなかった。でも、足が自然に動く。こっちだと呼んでいる。
弟が...愛斗メサイアが呼んでいる。
見つけた時には血の気はなかった。赤い薔薇も血に濡れていた。

「...愛斗...!目を覚ませよ、愛斗!死ぬなんて許さないからな!絶対死なせないから…!」

俺は愛斗を背負ってチャーチに戻った。出血多量で危ないところだったが、輸血のおかげでギリギリ一命を取り留めた。
数ヶ月経って医務室に様子を見に行った時にはまだ目を覚ましていなかった。
ベッドのそばに座って手を握る。相変わらず冷たい手だった。

「...愛斗...いつ目が覚めるんだよ…そろそろ起きろよ…なぁ…愛斗...!」

泣くまいと思っていたのに涙が頬を伝う。愛斗の手に雫として落ちる。
すると少し握り返されたような気がした。慌てて顔を上げると、瞼が震えて目が開く。

「...あれ...ここは...?」
「...愛斗!」
「...海...斗...?」
「何があったか覚えてるか?」
「...なんとなくは...」

目が覚めた。俺にはそれだけで十分。

「...死ぬなんて許さないからな、愛斗」
「...ごめん、海斗」

俺だけの弟。
俺が命に変えても守ると決めた唯一の半身、そして、俺だけの愛。


守ってみせる、絶対に。

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