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Bouquet of flowers to Messiah

有賀尋

Saving is the light of the Moon 1

「…嫌ですよ、雪…寝た振りなんですよね?起きてくださいよ、僕忙しいんです…明日から任務って雪言ってたじゃないですか、寝てたら行けませんよ…怒られちゃいますよ…?ねえ、雪…」

呆然と僕は氷のように冷たくなった雪に声をかけた。
声をかけたらいつものように目覚めてくれる。
「ドッキリだ」って言ってくれるはずで...。

ドクターや雪斗さんが来て急いで雪を医務室へ連れて行く。
僕はそれをただ見送るしかできなかった。

どうして...?なんで...?雪...どうして起きないの...?

「尋ちゃん、医務室行くわよ!」

百瀬さんに声をかけられてハッと我に返る。呆然としている暇はない。急いで医務室に向かう。

『知りたいぃ?雛森雪がこうなった理由?』
「え...?」

誰かに声をかけられた。立ち止まって振り返ると誰もいない。

「...誰...?」
「尋ちゃん?」
「あ、今行きます…!」

なにかの幻聴だ。そう思って無視をして医務室に向かった。

「死んでんじゃねぇぞ、アホ森!戻って来いって!」

医務室では、雪斗さんが心肺蘇生をしていた。
心電図は電子の波がその波形を表さないままだった。
しばらく心肺蘇生を続けて、心臓の波形が現れた。

「っは...病み上がりにこれはキツいって...」
「だから俺変わるって言っただろ...」

心拍が戻れば今は一安心。でも...どうして...?

「加々美さんといい俺といい、なんなんだよ…」
「一体何が...」
「...NIGHTMARE」

黒咲さんがぼそっと呟いた。

「NIGHTMAREぁ?...あーそういえばなんかそんなのいたっけなぁ」
「何よそれ?悪夢?」
「英訳はそうだけど、何なのかは知らない」
「前谷、いてやれよ」

黒咲さんに言われて雪に近寄ってその手を取る。相変わらず氷のように冷たくて、顔色も変わらない。

「ねぇ...何があったの...?何があったの、雪...?」

その問いかけに答えてくれる声はなかった。正確に言えばその問いかけに答えてくれる僕が欲しい声は返ってこなかった。
夜、僕達のいた部屋は月明かりが入っていて、真っ白な雪の顔を照らしていた。それがあまりにも儚くて、手を離してしまったら連れていかれてしまいそうで、離せなかった。

『ふふ、やっと僕の時間かなぁ?』

昼に聞こえた声がした。
後ろを振り向くと、いつの間にいたのか、長身のフードを被った人が立っていた。

「だ、誰だ!」
『誰だと思うー?ここじゃ話せないなぁ?』

君も堕ちておいでよぉ。

その声を最後に僕の視界はブラックアウトした。

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