部の中心的な弓道部員だった私が異世界に転生したら長耳族でした
第五十三話 「妹分との再会」
「おいおい、兄さん。こんなに剣売られても買えないって」
「ん、すまんな。25本でどうだ?」
「25…。そうだなぁ…500000ベールでどうだ?」
「おっ、中々だな。それでいこう」
「んじゃ、25本買取な。んで、500000ベールだ」
「おう」
500000ベール。結構高値だね。ベールっていうのは円と同じ数え方で良いっていう親切設計だから、500000円。良いお値段だ。
「しかし500000か。渡航費にはちと足りないな…」
「500000とか初めてだよぉ…!」
「お金を初めて見たのだ!」
「二人とも、目くらみ過ぎですよ」
いきなり現れた大金に目がくらみそうだ。いやくらんでいる。同じくチャゼルもくらんでいる、多分別の意味で。
私達は取り敢えず、その得たお金で昼食を食べる事にした。朝食が抜きだったのでお腹が非常に空いていた為、結構多く食べてしまった。やっぱり魚とかお肉は美味しい。ついでにパンとミルクも美味しかった。私達は心もお腹も満たされた状態で店を出た時、クレスが悔しそうに言った。
「くぅぅ…ラルダは節約っていうのを知らないのかっ…!」
「えへへ、でも満腹になるのは良い事だよ?実際に皆も満足したでしょ?」
「うん」
「えぇ」
「ほらね?」
「そ、そうかもしれんが………なんだ?」
クレスが奥を見つめる。そこを見てみると、何やら人だかりが出来ていた。何かが起こっているのだ。
「どうする?」
「行くしかなくない?」
「そうですね。いきましょう」
「行くのだ!」
私達は全員の了承を得、その人だかりへと向かって走った。
____________
その人だかりの中央を覗き込むと、二人の男に相対している女の子が居た。一人の男はズボンにちょっとクリーム色のシミがある。恐らくあの女の子がつけたのものなのだろう。とても苛立った顔をしている。もう一人はそれを宥めているような感じだ。
そして、あの女の子は_______。
「おい、ガキ!このズボン高かったんだが?どう落とし前つけてくれんだあぁ!?」
「おいおい…そこぐらいにしといてやれよ…。ほら、この子も反省して泣きそうになってるし」
「………ぐすっ、ひぐっ……」
あのちょっと薄汚れた灰色の髪をたなびかせる女の子は、私の知る中では一人しか居ない。なんだ、全然変わってないね。
そう思ったら、私は自然と体を動かしていた。
「ちょっと失礼しますね…。よいしょっと」
「!?」
「誰だお前!俺はそのガキに用があるんだよ!部外者は引っ込んでろ!」
「私はこの子の保護者です。うちの子が迷惑を掛けましたね」
周りがざわめきだした。うーん…。ちょっといきなり過ぎたかな?まぁ、良いや。抱きかかえた女の子を見る。
「あの…貴方は?」
「ふふふ、先輩が助けに来たよ、サテラ」
「!」
サテラが目を見開いて驚き、次の瞬間には笑みを浮かべた。だらしない笑みだ、安心しきったな。
「おい!俺を無視してんじゃねぇよ!」
「おっと」
男が正拳突きを放って来る。うん、遅い。前の私だったら、多少は速いな、って思ったかもしれないけど、生憎私は剣聖と剣鬼の猛攻を防ぎきったんだ。正拳突きを手刀で払う。パシンッっていう音が響いた。
「っ!?痛ってぇ!?」
「お、おい。大丈夫か?」
「痛え…。骨逝ったぞこれ……」
「よいしょっと、その腕貸して?」
「は?」
私は負傷させた腕を『究極治癒』で治してやる。すると痛みで顔を歪めてた男はだんだん、顔を元に戻して普通の顔になった。
「よし、これで大丈夫かな?」
「お、おう…。なんで治癒してくれたんだ?」
「いやだってほら、不自由なのは辛いでしょ?」
「うーん…よく分からねえなお前…」
「『救世』の降臨者だから!」
「?…まぁいいか。今回は引き下がってやるよ。じゃあな」
「「「おぉっ!」」」
辺りから拍手が起こった。んー、そんな拍手が起こる事も無いと思うんだけどなぁ…。
「先輩凄いです!いつのまにか背も高くなってこんなに強くなってるなんて!」
「私はいつだって頼り甲斐のある先輩だからね!」
「凄いなラルダ、不良を追い払うなんて」
「どうって事ないって。かわいい妹分が襲われてたら出ないといけないでしょ?」
「あれ…?剣聖さんと…後は誰ですか?」
あぁ、そっか。まずはそこからだね。取り敢えず連れてこうか。
話はそこからだ。
「ん、すまんな。25本でどうだ?」
「25…。そうだなぁ…500000ベールでどうだ?」
「おっ、中々だな。それでいこう」
「んじゃ、25本買取な。んで、500000ベールだ」
「おう」
500000ベール。結構高値だね。ベールっていうのは円と同じ数え方で良いっていう親切設計だから、500000円。良いお値段だ。
「しかし500000か。渡航費にはちと足りないな…」
「500000とか初めてだよぉ…!」
「お金を初めて見たのだ!」
「二人とも、目くらみ過ぎですよ」
いきなり現れた大金に目がくらみそうだ。いやくらんでいる。同じくチャゼルもくらんでいる、多分別の意味で。
私達は取り敢えず、その得たお金で昼食を食べる事にした。朝食が抜きだったのでお腹が非常に空いていた為、結構多く食べてしまった。やっぱり魚とかお肉は美味しい。ついでにパンとミルクも美味しかった。私達は心もお腹も満たされた状態で店を出た時、クレスが悔しそうに言った。
「くぅぅ…ラルダは節約っていうのを知らないのかっ…!」
「えへへ、でも満腹になるのは良い事だよ?実際に皆も満足したでしょ?」
「うん」
「えぇ」
「ほらね?」
「そ、そうかもしれんが………なんだ?」
クレスが奥を見つめる。そこを見てみると、何やら人だかりが出来ていた。何かが起こっているのだ。
「どうする?」
「行くしかなくない?」
「そうですね。いきましょう」
「行くのだ!」
私達は全員の了承を得、その人だかりへと向かって走った。
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その人だかりの中央を覗き込むと、二人の男に相対している女の子が居た。一人の男はズボンにちょっとクリーム色のシミがある。恐らくあの女の子がつけたのものなのだろう。とても苛立った顔をしている。もう一人はそれを宥めているような感じだ。
そして、あの女の子は_______。
「おい、ガキ!このズボン高かったんだが?どう落とし前つけてくれんだあぁ!?」
「おいおい…そこぐらいにしといてやれよ…。ほら、この子も反省して泣きそうになってるし」
「………ぐすっ、ひぐっ……」
あのちょっと薄汚れた灰色の髪をたなびかせる女の子は、私の知る中では一人しか居ない。なんだ、全然変わってないね。
そう思ったら、私は自然と体を動かしていた。
「ちょっと失礼しますね…。よいしょっと」
「!?」
「誰だお前!俺はそのガキに用があるんだよ!部外者は引っ込んでろ!」
「私はこの子の保護者です。うちの子が迷惑を掛けましたね」
周りがざわめきだした。うーん…。ちょっといきなり過ぎたかな?まぁ、良いや。抱きかかえた女の子を見る。
「あの…貴方は?」
「ふふふ、先輩が助けに来たよ、サテラ」
「!」
サテラが目を見開いて驚き、次の瞬間には笑みを浮かべた。だらしない笑みだ、安心しきったな。
「おい!俺を無視してんじゃねぇよ!」
「おっと」
男が正拳突きを放って来る。うん、遅い。前の私だったら、多少は速いな、って思ったかもしれないけど、生憎私は剣聖と剣鬼の猛攻を防ぎきったんだ。正拳突きを手刀で払う。パシンッっていう音が響いた。
「っ!?痛ってぇ!?」
「お、おい。大丈夫か?」
「痛え…。骨逝ったぞこれ……」
「よいしょっと、その腕貸して?」
「は?」
私は負傷させた腕を『究極治癒』で治してやる。すると痛みで顔を歪めてた男はだんだん、顔を元に戻して普通の顔になった。
「よし、これで大丈夫かな?」
「お、おう…。なんで治癒してくれたんだ?」
「いやだってほら、不自由なのは辛いでしょ?」
「うーん…よく分からねえなお前…」
「『救世』の降臨者だから!」
「?…まぁいいか。今回は引き下がってやるよ。じゃあな」
「「「おぉっ!」」」
辺りから拍手が起こった。んー、そんな拍手が起こる事も無いと思うんだけどなぁ…。
「先輩凄いです!いつのまにか背も高くなってこんなに強くなってるなんて!」
「私はいつだって頼り甲斐のある先輩だからね!」
「凄いなラルダ、不良を追い払うなんて」
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