相内桃音は笑わない

MINON

プロローグ

「ふふっ、あははは。
やっぱ涼太って面白いのね。」
「もう、姉さん、からかわないでよ。」

「…うるさいね、こっちに来ないで!」
「なんでだよ…もう、姉さんなんて
知らねぇ!いなくなっちまえ!」
「それはこっちの台詞よ。あんたが
いなくなればいいんじゃないの?」
「…ああ、そう。
ならいなくなってやるよ!」

「はー、いい気味だわ。
ま、夕飯になれば帰ってくるでしょ。」

「桃音!起きてるか?」
「ん…どうしたの父さん」
「涼太が…車に轢かれたんだ!」

「…え?」

…ああ、またあの夢か。

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