彼女はクローン人間

ノベルバユーザー222998

new life2

私の名前は平山みなみ…だ。

私を産んでくれた大事なお母さんがつけてくれた名前。
私があなたの遺伝子を1ミリも受け継いでいないとしても、彼女はお腹を痛めて産んだ我が子には変わりないと、愛してくれた。

そんな母が夏の初め、体調不良に陥り、働けない体になってしまった…

なので私は祖父と祖母に引取ってもらい、距離の関係で転校することにした。

そう_____開発学園へ

開発学園の特徴は 

1つ 芸能科がある事。
2つ 生徒は資産家の子供ばかりだという事

そして3つめは…
私の遺伝子の親である『松岡紗里』が通っていた学校であること…

松岡紗里は芸能科で学園トップクラスの成績であったらしい。
彼女の演技はひどく賞賛され、ハ○ウッドからもオファーが来てただとかなんかとか……

私がその『松岡紗里』のクローン人間だと知ったのは私が中学2年生の時。

そう、『松岡紗里』が飛行機事故で亡くなった時だ。
彼女の両親から電話がかかってきて、私はその事実を知った。
彼らは私に会いたいと言ったが、私は拒んだ。なぜなら私にはもう大事な一人の親がいるから。

きっと、お母さんが悲しむと思ったから

お母さんは気にしないで、行っておいでと言ったが、その顔は今にも泣き出しそうだった

会いに行くときっと、一緒に住もうと言われる気がしたから。

私は彼らを親だなんて思えなかった。彼らと繋がっているのは’’遺伝子’’だけ

そこから先を作ってくれたのは今のお母さんだ


たしかに、私はよく小さい頃から『松岡紗里』に似てるねぇ〜!そっくり!
と、近所の人から言われたものだ

顔がそっくりなのも、足の小指が少し曲がっているのも、ほくろの位置が全く一緒なのも全部全部

私が彼女のクローン人間だったからだ

世間は『松岡紗里』の不幸なニュースに悲しみ、後追い自殺が問題になるほどであった

彼女は愛されていたんだな。

私はそう感じた

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品