狂乱の森と呼ばれる森の主は魔王の娘だった。
五『栞堂』
今回は新しいキャラが出てきます。
この街には『栞堂』という、本屋があるそこの店主は人気作家の古郡 栞(ふるごおり しおり)。そこの本屋の建物は、四百年前からあると言う。俺はそこに住む居候。幼い頃俺は捨てられた。狂乱の森の入口に捨てられて、そこを先生に、拾われた。先生は優しいから、よくそういう孤児を拾ってきた。先生は俺を含めた六人の孤児を引き取って育ててくれた。周りから見て俺たちは先生に拾われた孤児だが、それと同時に先生の弟子ということになっている。あながち嘘じゃない。俺たち六人の孤児は先生を尊敬している。どんなに初期の頃から応援している読者よりも。
私ー花梨ーは、更紗に勧められて、本屋に気分転換にいった。昼間、更紗と、アサレアが森の主のことで盛り上がり過ぎて、さらに知らない青年が急に部屋に入ってきたということに、一時屋敷が密かに騒然となって少し疲れたからだ。まあ、普通に更紗と裸足で庭でかけまわってた時期もあったのだが、もう十五歳だし、人気作家の古郡 栞先生の新作が出たと更紗がなんかすごい言ってきたからって言うのもある。もちろんその新作を買うために更紗もついてきている。確かに一回入った事がある更紗の部屋は綺麗だったが、十巻とかある小説とかが本棚にずらりと並べてあった。もうボロボロで、文字が読めなくなっている本もあれば、最近の本っぽいものもあった。そしてほとんどの本の作者はさっきも言った、古郡 栞という人だった。それ以外の本はもうただの紙切れに見えるくらいボロボロで、この家に来た時に買ったものだと聞いた。まあ、五百年前だし…
『着きましたよ『栞堂』』
『おお…』
思わず声が出た。外見はとても凝っていて、四百年前に作られたとは思えないくらいに綺麗だった。そこは狭い路地の道を右や左に曲がりまくった所にあった。
カラン、カラン
ドアを開けると、ドアについた鈴がなった。
『いらっしゃい…ませ。』
店と奥から声が聞こえた。少年の声に聞こえる。
(待ってこの声…)
この声は聞いたことがある。店の奥を見ると、驚いたまま固まっている少年がいた。
『雨波!』
『碧斗!』
私たちはほぼ同時に叫んだ。
『あ、お知り合いでしたか、いやごめんなさい、急に来て叫んで。』
更紗が謝る。
『あ、いやこちらこそすいません。更紗さん、今日は先生の新作ですか?』
『はいはいそうです!!碧斗くんは話が早いですね。』
『ああ、先生がお待ちしていましたよ。生憎今日は出かけていますが。』
私を挟んで、二人は話を進める。
『更紗、碧斗と知り合いなの?』
『更紗さんは常連客だし。』
不機嫌に碧斗が答える。最悪だ。こいつに会うなんて。いや、そんなに関わりはないが、なんとなくそんなに好きなタイプじゃない。
『なんでお前が更紗さんといるんだよ。』
『いや、更紗うちの使用人だし。』
『え!?』
『あれ知らなかったんですか?』
更紗が尋ねると、碧斗はバツが悪そうに下を向いた。なんとなく気まずい空気を振り払うように更紗がいう。
『あ、そうそう!それで先生の新作は?』
『あ、こっちです。』
二人は本棚の方へ行ってしまう。改めて見渡すと、天井が高く、壁一面が、本棚になっていて、本棚には本がびっしりと並んでいた。そして店の奥はよく見ると、紙の束が積み上がっていた。店内を観察し終わると、碧斗が本を二冊持って更紗と店の奥に行ったのが見えた。後を追うと碧斗が、本を渡して更紗が支払いをしていた。
 
『さあ、私の用事は終わりましたが、どうしますもう少し見ていきますか?気に入った本があれば、私のお金で買いますよ。』
更紗が微笑む。ちらりと碧斗を見やると、腕を組んでこっちを少し睨んでた。
『見て、行きたい…』
本はそこそこに好きだ。興味本位で見ていくことにした。
この街には『栞堂』という、本屋があるそこの店主は人気作家の古郡 栞(ふるごおり しおり)。そこの本屋の建物は、四百年前からあると言う。俺はそこに住む居候。幼い頃俺は捨てられた。狂乱の森の入口に捨てられて、そこを先生に、拾われた。先生は優しいから、よくそういう孤児を拾ってきた。先生は俺を含めた六人の孤児を引き取って育ててくれた。周りから見て俺たちは先生に拾われた孤児だが、それと同時に先生の弟子ということになっている。あながち嘘じゃない。俺たち六人の孤児は先生を尊敬している。どんなに初期の頃から応援している読者よりも。
私ー花梨ーは、更紗に勧められて、本屋に気分転換にいった。昼間、更紗と、アサレアが森の主のことで盛り上がり過ぎて、さらに知らない青年が急に部屋に入ってきたということに、一時屋敷が密かに騒然となって少し疲れたからだ。まあ、普通に更紗と裸足で庭でかけまわってた時期もあったのだが、もう十五歳だし、人気作家の古郡 栞先生の新作が出たと更紗がなんかすごい言ってきたからって言うのもある。もちろんその新作を買うために更紗もついてきている。確かに一回入った事がある更紗の部屋は綺麗だったが、十巻とかある小説とかが本棚にずらりと並べてあった。もうボロボロで、文字が読めなくなっている本もあれば、最近の本っぽいものもあった。そしてほとんどの本の作者はさっきも言った、古郡 栞という人だった。それ以外の本はもうただの紙切れに見えるくらいボロボロで、この家に来た時に買ったものだと聞いた。まあ、五百年前だし…
『着きましたよ『栞堂』』
『おお…』
思わず声が出た。外見はとても凝っていて、四百年前に作られたとは思えないくらいに綺麗だった。そこは狭い路地の道を右や左に曲がりまくった所にあった。
カラン、カラン
ドアを開けると、ドアについた鈴がなった。
『いらっしゃい…ませ。』
店と奥から声が聞こえた。少年の声に聞こえる。
(待ってこの声…)
この声は聞いたことがある。店の奥を見ると、驚いたまま固まっている少年がいた。
『雨波!』
『碧斗!』
私たちはほぼ同時に叫んだ。
『あ、お知り合いでしたか、いやごめんなさい、急に来て叫んで。』
更紗が謝る。
『あ、いやこちらこそすいません。更紗さん、今日は先生の新作ですか?』
『はいはいそうです!!碧斗くんは話が早いですね。』
『ああ、先生がお待ちしていましたよ。生憎今日は出かけていますが。』
私を挟んで、二人は話を進める。
『更紗、碧斗と知り合いなの?』
『更紗さんは常連客だし。』
不機嫌に碧斗が答える。最悪だ。こいつに会うなんて。いや、そんなに関わりはないが、なんとなくそんなに好きなタイプじゃない。
『なんでお前が更紗さんといるんだよ。』
『いや、更紗うちの使用人だし。』
『え!?』
『あれ知らなかったんですか?』
更紗が尋ねると、碧斗はバツが悪そうに下を向いた。なんとなく気まずい空気を振り払うように更紗がいう。
『あ、そうそう!それで先生の新作は?』
『あ、こっちです。』
二人は本棚の方へ行ってしまう。改めて見渡すと、天井が高く、壁一面が、本棚になっていて、本棚には本がびっしりと並んでいた。そして店の奥はよく見ると、紙の束が積み上がっていた。店内を観察し終わると、碧斗が本を二冊持って更紗と店の奥に行ったのが見えた。後を追うと碧斗が、本を渡して更紗が支払いをしていた。
 
『さあ、私の用事は終わりましたが、どうしますもう少し見ていきますか?気に入った本があれば、私のお金で買いますよ。』
更紗が微笑む。ちらりと碧斗を見やると、腕を組んでこっちを少し睨んでた。
『見て、行きたい…』
本はそこそこに好きだ。興味本位で見ていくことにした。
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