継続は魔力なり《無能魔法が便利魔法に》

リッキー

1週間の修行 後編


 すぐに振り向くと.....そこには、本で見たことのあるような魔族の男がいた。

「お前、その黒い髪はもしかして勇者の血族か?」

 質問されてるけど.....驚きのあまり声が出ない。

 仕方が無いので頷いた。

「そうか、勇者は生きているのか?」

「...死んだよ」
 やっと声が出た。

「そうか...人間というのは寿命が短いものだな」

「あなたは誰?」

「俺か? 俺は元魔王だ」
 そう言って、魔族の男は胸を張った。

「え? 死んだんじゃないの?」

「じゃあ、俺はなんだ?」
 そうだけど.....

「じいちゃんとばあちゃんが倒したんじゃないの?」

「じいちゃん? お前、勇者の孫か?」

「そうだよ」

「そうか、俺はちゃんと勇者に倒されたよ」
 元魔王はニヤリと笑いながらそう言った。

「じゃあ、何で生きてるの?」
 倒されたんだろ?

「それは.....俺は魔石が壊されない限り俺は死ぬことはないからだな」
 うんうんと何故か元魔王は頷きながら答えてくれた。

「え~ じゃあ何でここにいるの? 魔界に帰るなり、もう一度人間界に攻めてこないの?」

「それはだな~ 魔界に帰らないのは、魔界は実力主義だから負けた魔王はいらないんだよ。人間界にもう一度攻め込むのは、負けたのにもう一度やる自分が、かっこ悪いと思うからだ。うん」
 また頷きながら教えてくれた。

「な、なるほどね」
 魔王にもこだわりがあるんだね

「だから、ここで大人しく一生を終わらせようと思ってたんだ。けど、お前を見たら気が変わった....」

「ど、どうして? 俺は何されるの?」
 こ、怖い.....

「それ、魔剣だろ」
 そう言うと腰に下げたエレナを指さした。

「そ、そうだけど」
 そ、そういえば、元はこの人のだ.....

「そんなに怖がらなくて良い。別に取ったりしないから」

「じゃ、じゃあ、何するの?」

「それは、魔剣に選ばれたお前と戦ってみたい」

「え~」
 俺殺されるの?

「ちゃんと手加減するからいいだろう?」
 手加減? 手加減してくれるのか?
 あ、いいこと思いついた。

「じゃあ、3日間だけ俺を鍛えてくれない?」

「ほう、それはおもしろそうだな。強くなったお前と戦うのも楽しそうだな」

「う、うん。それじゃあよろしく」
 これで、俺はまた強くなれそうだ....

「ああ、それならこっちに来い」
 魔王がそう言うと空間に穴が開いた....
 何これ?

「これ魔法?こんなの見たことないよ」

「空間魔法だ。これは異空間を造っただけだ」

「へ~ そうなんだー これは便利そうだね」

「お前は何の魔法が出来るんだ?」

「創造魔法だよ」

 創造魔法と聞いた魔王は一瞬驚いた顔をした。
「そうか....それなら、これくらい何年かすれば出来るぞ」
 そう言って、魔王は穴の中に入って行った。

「そうなの?」
 俺も中に入る。

「ああ、創造魔法は魔族でも偶に手に入れる奴がいるんだが、そいつはその代の魔王に必ずなるよ」

「確かに創造魔法は凄いけどそこまでとは....」

「まあ、人間のお前がどこまで使いこなせるかは、お前しだいだ」

「うん、わかった」

「それじゃあ。やるぞ」
 魔王は消えた

 どこ行った?
(レオ様、後ろです)

『ギィン!』

 アンナが教えてくれたおかげで、ギリギリで防御が出来た

「お前凄いなー 人間の成長は速いが、この歳でここまでの奴は見たことが無いぞ」

「僕もここまで強い人は初めてだ」

「こう見えて、まだこの世界の最強だからな」

「そうだったね....」

「ほら、もうおしゃべりは終わりだ」
 今度はとんでもなく大きな魔法を撃ってきた。

 うわ~
「これは流石に避けれないね」

「ならどうする?」

「こうする」
 俺は、魔王の後ろに転移した。

「おお、転移まで出来るのか」
 そう言って、魔王は振り返りながらもの凄いパンチを繰り出してきた。
 あ.....避けれない

 .....が、それを俺は無意識で避けながら、カウンターで魔王の顔面に思いっきり殴る。

「これはなかなかいいな。お前を少し舐めてた」

「今のは俺もびっくりした」

 なぜか一瞬、空手の記憶が出てきて体が自然と動いた。
 前世で俺は空手をやっていたのだろうか?

「それじゃあ、少し本気でやるか」
 そう言うと今度は凄いスピードで近づいて来た。

「うわ~」
 俺はあまりの速さに慌ててしまい、避けようと思ったが体が動かなかった。

 すると魔王の拳が顔の前で止まった
「まだ、子供だな。想定外の動きに弱い」

「はぁ、これはどうにかしないと....」

「まあ、こればかりは慣れだな」
 うん、でもこれからもっと強くなれそう。


 それから3日間が経った....
 現在、魔王と最後の勝負をしている。

 魔王が特大の魔法を撃ってくる
「今回はどう避けるのかな?」

「避けないよ」
 俺は魔法を魔王に向かって蹴り返す。

「おいおい、そんなことも出来るようになってしまったのか....」
 そう言いながら魔王は同じ魔法で相殺する。

「出来るようになったんだ~」
 今度は、俺が背後にまわって答える。

「ならこれでどうだ」
 魔王が炎魔法で広範囲を燃やした。

「うわ~ 危なかったー」
 なんとか俺は、スカイシューズで高いところまで行って避けた。

「今度は俺の番」
 下にいる魔王に向けて斬撃を大量に飛ばす。

 それに対して魔王は
「これは危ないなー」
 と特大魔法で応戦した

 すると、斬撃と魔法が当たり、大きな爆発が起きて魔王はレオの姿が見えなくなってしまった。

「見えないなら、自分から行くさ」
 魔王は煙の中に突っ込む

 しかし、煙を抜けてもレオはいなかった
「あれ?あいつはどこに行ったんだ?」

 すると
「ここだよ」
 レオは後ろから剣を向けていた。

「これは完敗だ」
 魔王は手をあげた

「やったー 帰る前に勝てて良かったよ」

「ここまで成長が速いとは思わなかったよ」

「自分でもそう思うよ」

 現在の俺のステータスは
 レオンス・フォースター Lv.204

 年齢:8
 種族:人族
 職業:創造士

 体力:812×100⁸/812×100⁸(1218×100⁸/1218×100⁸)
 魔力:506×100⁹/506×100⁹

 力:438×100⁸×1.5(657×100⁸)
 速さ:506×100⁸×1.5(758×100⁸)
 運:1000
 属性:無、創造
 スキル
 鑑定 創造魔法Lv.5
 無属性魔法Lv.5 魔力操作Lv.5
 無心Lv.2 剣術Lv.8
 魔力感知Lv.4 転移
 格闘術Lv.9

 称号
 異世界の記憶を持つ者
 賢者
 試練のダンジョン初級編踏破者

 レベルが200を超えてしまった....
 しかも、ステータスの表示が10⁸とかだったのに100⁸になっている。

 これは、この1週間で俺のステータスが約10億倍になってしまったということだ。
 もうここまで来ると、逆にどこまで表示出来るのかが楽しみだ。

 それと格闘術を手に入れていた。
 どうして格闘術がここまでレベルが高いのかは、たぶん前世が関係しているんだと思うがよくわからない。

 ちなみに、格闘術がここまで高いと魔法を蹴る殴るが出来てしまう。

「本当に強くなってしまった...」

「ああ、良かったな。転移が出来るんだから、たまには顔を出せよ」

「うん、わかった。また来るよ。今度は本気で相手してね」

「まあ、それは次回会った時に考えるよ」

「それじゃあ、本気になって貰えるようになったら、戦いを申し込むよ」
 そう言って、俺は転移を使った....

コメント

  • 雫

    ()の中の数字が体力だったら多くなってて魔力だったら少なくなってる

    0
  • 雫

    ステータスの()意味わからん

    0
  • amatena

    じいさん達どうやって勝ったんだよw

    0
  • ノベルバユーザー300135

    うわ〜とか草

    3
  • ナナシ

    うわ〜(棒

    1
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