外国人と私

あん

Ep.34

「杏ちゃんなんか最近上の空なんだよね〜」
「優馬先輩とデートしてからニヤニヤしっぱなしなの」
お家デートするのはいいけど私に構わないで2人でいちゃいちゃしてたらいいのに。
「ミンジュンとはどうなったの?」
「あっ!」
すっかり忘れてた。もうミンジュン韓国から帰ってきてるよねきっと。
「お土産買ってきてくれたかなぁ」
「え、なになに」
興味津々な2人。
「ミンジュンね、韓国に1週間帰るって言ってたの。だからお土産頼んだんだけど買ってきてくれてないよね〜」

ーピンポーンー
そんな話をしていると誰かが来て、お兄ちゃんが玄関に向かう。
「お!ミンジュン!久しぶりだな!」
お兄ちゃんの声が大きいからリビングまで聞こえてくる。
お兄ちゃんに連れられ、ミンジュンが顔を出す。
「笑満さんとヒョンに」
「え、私にもくれるの?ありがとう!」
ミンジュンは2人に袋を渡す。
『私には?』
無言で差し出された紙袋の中には豚のぬいぐるみが入っていた。
『お前に似てたから』
『は、どこが』
『全部』
『うざいんだけど』
『わざわざ買ってきてやったんだから感謝しろ』
『いらないです』
『ちゃんと中見てから言えよ』
ミンジュンにそう言われ、袋の中を見てみるけど空の箱が入ってるだけ。
『なんもないじゃん』
『ほんとあほ。気づくまで持ってろ』
『はぁ?意味わかんない』
韓国に帰っても、1週間会わなくてもミンジュンは変わらない。
『あ、そうだ!Tシャツ返すね』
私は2階にある自分の部屋に向かい綺麗にアイロンがけをしたミンジュンのTシャツとジャージを取る。

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