外国人と私

あん

Ep.14

『なんでって言われてもこうなの!』
『誰が決めたの』
『そんなの知るか』
さっきからずっとこう。
今は放課後で空いてる教室に移動してミンジュンに英語を教えてる。
別に私たちの教室でもよかったんだけど人が集まってくるから使われてない教室に移動してきた。
今やってるのはある単語に対して2つの意味があって訳し方が変わってくるからそれを語尾で見分けるっていう単純な問題なんだけど、どうも納得いかないらしい。
『お前、教え方下手』
『あのね、せっかく教えてあげてるのになんなのその態度』
『うるせー、変態』
『なっ!』
今日はずっと変態って呼ばれてる。
なぜなら昨日借りたブレザーを持ってき忘れたから。
それだけでなぜ変態扱いだかよくわかんないけど。
『もう、お兄ちゃんに頼もう?私より教えるの上手いと思うし』
今日はバイトないって言ってたから学校のどこかに笑満といるはず。
私が携帯を取り出してお兄ちゃんに連絡しようとすると、手を掴まれる。
『笑満さんに迷惑だから暇そうなお前でいい』
暇そうなって、また一言余計。
それに笑満のことはさん付けなのに私のことはお前なんだね。ちょっとムカつく。
『自分の勉強もしたいし、今日は終わりにしよう』
『まだ30分しかやってない』
『何分やったってその堅い頭じゃ無理だよ』
私がカバンを持って教室から出ようとすると前に立ち、出口を塞ぐミンジュン。
『ごめん、怒った?』
顔に出てたかな。
『ちょっとお前の反応が面白くてからかいすぎた』
『え?』
『正直にいえば教えるの先生よりうまいよ。さっきの説明で理解した。でもわざとわかんないふりした、ごめん』
何を言っているんだ、こいつは。
『だから教えて』
掴まれていた右腕を引っ張られそのままさっき座っていたところに座らされ、勉強を再開した。

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