外国人と私

あん

Ep.12

『遅い』
『別に私待たせてないし、勝手に待ってたのそっちでしょ』
『踊り終わってから喋ってる時間が長い』
『え!見てたの?!』
「最初っから見てたよ〜、私の隣で」
笑満はいつも部活の様子を見ながらお兄ちゃんを待ってる。
全然ミンジュンが見てるのとか分かんなかった。
「お!ミンジュン!」
お兄ちゃんが挨拶をするとミンジュンも笑顔で返す。
「もしかして杏のこと待ってたの?」
ニヤニヤしてるお兄ちゃんと笑満。
「違う!なんか勉強教えて欲しいって言われて」
「へぇ〜」
『ねぇ、早く着替えて汗臭い』
『言われなくても着替えます!』
一生懸命踊ったんだから汗かくに決まってるのに、ひどいやつ。

私は女子更衣室で着替え、汗臭いって言われたからお気に入りの香水をつけていく。
『遅い』
『うるさい』
壁に体を預けて待っていたミンジュンのところに小走りで行ったにも関わらず、また文句を言われる。
『勉強ってどこでするの?』
『いい場所ない?俺まだここら辺よくわかんないし』
『う〜ん』
悩んだ私が選んだのはファミレス。
『腹減った』
勉強道具よりも先にメニューを開くミンジュン。
『俺これ。お前は?』
『私はいいよ』
我慢してたのにタイミング悪くお腹がなる。
『奢ってやるから頼め』
ん、と差し出されるメニューを見ると急激にお腹が空いてきて我慢出来なかった。
『大変お待たせいたしました』
私とミンジュンの前にはハンバーグとドリアが現れる。
一応遠慮して安いヤツにした。
『美味しい〜』
『それちょっとちょうだい』
私が食べてるのを欲しがるミンジュン。
私が皿をミンジュンの方に押すと私のスプーンで躊躇なく頬張る。
『うまい』
間接キスした事にちょっと動揺したけど気にしてないふりをする。
『今更だけどさ、お前彼氏いる?』
『いないけど。なんで?』
少しは私に興味持ってくれてるのかなぁって自惚れる。
『なんか、ダンス部の誰だか知らないけど仲いいみたいだったから』
男子部員多いから誰のこと言ってるのか分からないけど、基本みんなと仲いいからなぁ。
『まぁいるわけないか』
ほんとに一言余計なんだから。
自分で言うのもなんだけど私だってそれなりにモテてますよ?
お兄ちゃんとかミンジュンには負けるけど、2年生に上がってからまだ2ヶ月経ってないけどもう5人に告白されてますよ?全員誰だか知らなかったけど。
『いなくて悪かったですね』
『むしろいなくていいけど』
『え?』
『あ、いやなんでもない』
そうやって私が気になるような言い方をする。わざとじゃないみたいだけど、結構モヤモヤするんだよね、それ。
結局そのあと勉強はしたんだけど、ご飯食べて眠くなったって言って1時間で終わった。

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