外国人と私

あん

Ep.7

『だからなんで私?』
『通じるから』
『日本語勉強してよ』
『勉強嫌い』
ここ最近ミンジュンに連絡先を聞こうとする女の子が増えてきた。
その度に私がミンジュンに呼ばれ、巻き込まれる。
『いいじゃん、連絡先くらい』
『交換する意味が無い』
『あんた友達いないでしょ』
『いないけど』
私は自然とため息が出る。
「杏ちゃんは知らないの?ミンジュンくんの連絡先」
「知るわけない!も〜、私を巻き込まないでよ〜」
こういう時だけ頼りにしてくるとか。私がミンジュンと話してたら鋭い目で見てくるくせに。
女子達は諦めて自分の教室に戻っていく。
「お兄ちゃんといい、こいつといい、なんでモテるの」
「なんか言ったか?」
机に顔を伏せていると上から聞きなれた声がする。
「なんでいるの?」
「お前どうせ放課後ひまだろ?なんとかジュンもひまだったら4人でどっか行かないかなって」
「ミンジュンね。この人きっと行かないよ、人付き合い苦手だから」
「ミンジュン!」
私がそう言ったのも聞かずにお兄ちゃんはミンジュンに声をかける。
「早く言って」
『なんか放課後ひまだったら一緒にどっか行かないかって』
『いいの?』
『お兄ちゃんうるさいけどいいなら』
『行きたい』
ミンジュンがそう言うなんて思ってなかったからちょっと驚いた。
「いいって?」
「うん」
「よし!じゃあ終わったら来るからここで待ってろよ!」
大きい声でそう言い、教室を出ていった。

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