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外国人と私

あん

Ep.3

『あなたのせいで静かなはずの図書館がうるさいんですけど』
1年の時も図書係をやってたけどこんなに人が来たことない。
絶対読まなそうな難しい本を借りようと行列を作る女子達。
彼は何一つやってくれないから私が貸し出すんだけどね。
本を借りても図書室に残って彼を見つめてる女子達。
彼と私の距離が近いからか、目線がすごく痛い。
カウンターが狭いんだからしょうがないじゃんか。
気にしないようにと私が本を読んでると彼は本を閉じて表紙を見る。
『あ、ちょっと』
『んー、ひらがなは読めるんだけど漢字はまだ分かんないや』
『読んでる途中なんですけど?』
はい、と返してくれたはいいけどどこまで読んだか分からなくなった。
また読み始めようとすると6時のチャイムが鳴る。
このチャイムが鳴ったら部活などがない限り、帰らないといけないのだ。
女子達は彼に挨拶をして帰っていく。全員去った後に図書室を閉める。
『私、鍵返してから行くんで先おかえりください』
『暗いし、危ないから途中まで送るよ』
あれ、案外優しかったりするのかな。でも外国人ってこれくらい普通だったりするし。
『なんでそんなに話せるの?』
隣に立つ彼を見上げる。
『勉強してるからです』
『なんのために?』
『特には決まってないけどそう言う仕事をしたいから』
『ふーん』
自分から聞いてきたくせに興味なしかい。
『そっちはどうして日本に?』
『そっちじゃなくてミンジュン』
質問には答えず、彼は言う。
『ミンジュンはどうして日本に?』
『親が事故にあって日本に知り合いいるからこっちきたの』
淡々と話すミンジュン。
『そうなんだ、ごめんね』
『いいよ、別に』
途端に空気が重くなる。
『私ん家ここ』
父と母、兄と私の4人で暮らしている一軒家にたどり着く。
『じゃあまた明日』
『じゃあね』

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