ガチャで能力を手に入れて頑張る異世界転生
1―5
「おぉ…目覚めたか弟よ…」
…まるで俺が何か強大な力にでも目覚めそれを見届ける賢者みたいな言い回しだな、目覚めたのはただの前世の記憶です お姉様…
……十分すげぇや
というか、バケツに水ってそれなら空のバケツにその場で魔法使って飲料水を出せばいい…ん……じゃ……
姉貴…それ水じゃない…
姉貴の持つバケツを見た母は確認するように言う
「あら、おねえちゃんそれ飲料水じゃないわね」
「姉貴…その水、なんか緑っぽいんですけどございますが…」
ちゃぽちゃぽ音をたてながら姉貴が近づいてくる。
この緑っぽい水は教会で貰える。この町の中央に位置する教会は家から歩いていける距離だがバケツ一杯の水といえど17才の少女が運びながらだと結構疲れるはず…多分…弟思いの姉貴だナ…。
「あったり前じゃないの大事な弟がぶっ倒れたのよ 教会の人も心配してたわよ
はい、これ"薬草水"全部あんたのだから」
「………」
どうやら俺の嫌な予感は当たってしまったらしい
"薬草水"はたまにステータスの生存が上がる初期の回復薬だ、作るのは決まった職業の人だけだが誰でもなれるし一度覚えれば転職しても作れる、材料もその辺で採れるので教会では無料で配ったりなんかしている懐に優しい薬だ。
ただ苦い。
ひたすら苦い。
油断も隙もないくらい苦い。
ぶっちゃけ今真っ青のゴーヤとピーマンがあったら生かじりしてもいいな…
「さぁ弟よ、あの後母さんは君の看病で忙しかったからな!残りの荷物は私が運んでその他もしておいた!
早く元気になるんだぞ!」
ベッドの横には"薬草水"のバケツを軽々片手で持った姉貴がいた。
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