ハキリアリのアンリ

泉 玲

はじめに

このお話は、ハキリアリというアリ達の物語。

ハキリアリは、「農業アリ」とも呼ばれる、巣の中でキノコを栽培している珍しいアリである。葉っぱを噛み切って巣まで運び、その葉っぱでキノコを育てているのだ。
ハキリアリには、大型・中型・小型のアリがいてそれぞれ役割分担をしている。大型・中型アリは葉っぱを噛み切り運ぶ役割を、小型アリは葉っぱを運ぶアリ達の警護役を任されている。

主人公のアンリは、中型でオスの働きアリ…なのだが少し体が小さく、顎の力も弱いので葉っぱを噛み切ることは出来ず、葉っぱ運びばかりをしている。
大きくない体で毎日頑張って葉っぱを運んでいるが、時々葉っぱを落としては仲間に怒られている。

そして、そんなアンリには2匹の親友がいる。大きな体と強い顎を持つオスのゴーデムと、小さな体のメスのエレナ。
ゴーデムは、その強い顎を生かして大きな葉っぱを噛み切る役割を、エレナは葉っぱを運ぶアリの警護の役割をそれぞれ担っている。

3匹は子供の頃から、ずっと一緒に喋ったり遊んだりして来て、今でも毎日仲良く声を掛け合って巣のためにせっせと働いている。

さて、そんな3匹が暮らす巣があるのは、周りをマンションばかりに囲まれた公園の隅。都会に巣があると葉っぱの刈り場まで行くのも巣に持ち帰るのも一苦労である。

この危険がいっぱいの場所で、彼らはどのように生きて、そして巣を成長させていくのだろうか。

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