君を笑顔にしたかった。

EARTH

いつもの騒がしい教室 再開の兆し

俺の名前は[涼風 裕翔] 良くも悪くも平凡な日常を生きる、恋愛とは程遠い高校生だ。
そんな非リア生活が嫌で、何か変わるかと思い、高校生からは一人暮らしをしてみるのだがこれまた平凡過ぎてつまらないものだ。

                            ~学校〜
「???」 なぁヒロー 野球しようぜ☆
「裕翔」 お前はジャ○アンか。
こいつの名前は[志崎 拓人]
拓人は小中高と一緒で、割とよく話す。拓人からは、裕翔(ひろと)=ヒロと、あだ名で呼ばれている。こいつをざっくり言うと
茶髪の髪に整った顔  スマートな体型にこの性格。こいつはあれだ。もう二次元の世界から来たイケメン主人公みたいな奴だ。
毎日毎日告白されては、振っている。とても贅沢な奴だ。全く羨まけしからん

「拓人」 それにしてもよー お前本当につまらないって顔してるよなー
「裕翔」 まあな
ガラッ!    
「???」おっはよぉぉおおお!
「拓人」 ?!きっ貴様は!
「裕翔」 また始まったか…

今叫んだこの女性は、[美波 雫]
このクラスの委員長である。責任感が強く、誰にでも優しく接する。だが、思い付いた事はズバッと正直に言ってしまう。更に言うと、ド天然で空気が全く読めない。
こいつも、何かとよく告白されるのだが、告白されているその時に、こいつと言うと、あ〜今日の夕食何だろうと呟いているのである。こいつにぴったりな言葉は、そうだなぁ…アホとでも言うべきだろう。

[雫] ライダーキック!
[拓人] ( -ω- `)フッ中々やるなぁ だが!
ロイヤル ストレート フラッシュ!!
[雫] 痛い!目がぁぁあああ!

密かにこう思った…何故俺はこんな奴らと一緒にいるのだろう…

                             ~昼食~
「拓人」 よっしゃ!焼きそばパンやりぃ!
「裕翔」 焼きそばパン位でそうはしゃぐなよ
「拓人」 そんな事言われてもよぉ 好きなもんは人それぞれ何だし別にいいんじゃん。
「裕翔」 お前焼きそばパン好きだったのか?
「拓人」 いや普通
「裕翔」 じゃあさっきのは何だったんよ!
「拓人」 そんな細かいようじゃモテねーぞー
「裕翔」 俺が悪いのか?今の俺が悪いのか?!
「雫」 ねぇ二人ともー 明日転校生が来るらしいよ。
「拓人」 マジで?それ初耳
「裕翔」 へー、そうなん?
「雫」 もうちょい驚いてくれてもいいじゃん
「裕翔」 そう言われてもなー
「拓人」まぁ、最近転校生多いしな。一ヶ月前も二週間前も そして、明日もかぁ~
てか、明日に来る転校生って、男子?女子?
「雫」 女子やったよー
「拓人」 マジで?てかさ、よく知ってんな
「雫」 さっきプリント届けに職員室に行ったら、その転校生が何か先生と話をしていて、その時は転校生って分からなかったんだけど、私クラス委員長だから、先生がそのついでに、私を紹介したんだよ
「拓人」成程な おいヒロ
「裕翔」 何だよ
「拓人」 良かったな、お前にも春が来るかもしれないぞ。
「裕翔」 いや何の話だよ!
「拓人」 照れんじゃねぇよ(*´罒`*)
「裕翔」 照れてねーよ!
「雫」 止まるんじゃねぇぞ…
「拓人」 団長ぉぉおおお! 

                       ~帰宅の途中~
ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺は今、学校が終わって帰っている所だ。雨が降っている事以外、特に何もなく、ただいつもの様に家に…
「裕翔」 え?
誰かは分からないが、うちの学校の制服を来た女性が、桜を見つめながら、ずぶ濡れで泣いているのが分かった。いつもの俺であれば、特に声をかけずに家へ入るのだが、というより、こんな事は無かった…いや、昔に、一度だけこんな事があった。そうだ。あれは確か、幼馴染が引っ越すちょっと前だ。あの頃、愛莉(幼馴染)は、桜を見つめながら泣いていた。何故だろう…何故あの女性に、幼馴染の面影を感じてしまうのか。
「裕翔」 大丈夫ですか?
気が付くと、俺は彼女に声をかけてしまっていた
「???」 大丈夫…です…   グスッ  って え?
「裕翔」 え? 
ここで考えてしまった。
一つ、俺は彼女に見覚えがあり、その声は、幼馴染の愛莉を彷彿とさせた。
二つ、彼女も、俺を知っているかのように、驚いた様子だった。
三つ、愛莉の面影があり、何となく愛莉なのではと期待していた。
四つ、もしも、この女性が愛莉なのだとして、俺に見覚えがあり、驚いたのであれば、全てに納得がいく
「裕翔」 えっ愛莉!!
「愛莉?」 …
もしかして、ただの勘違いなのか?まぁそうだろうな。そうでしかない。こんな二次元ありありのご都合主義何て、この世に存在する訳がない。分かっていた事だ。
現実を見失うな!俺!!
「愛莉?」 …話しかけないで。
「裕翔」 えっ_:(´ω`」 ∠):_

こうして、ただの勘違いで終わった。
この雨は、俺の心の様に一日中振り続けていた。

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