とある鋭き針の物語

(ry

那宵の教訓〜その1〜

 初手、私は連撃を繰り出す。しかし、彼は当たり前かのように躱していく。


『どうした、あんたの力はその程度か?』

「何を。まだまだー!!」

私は更にスピードを上げて連撃を繰り出す。が…


『そうじゃない!』

彼に片腕を掴まれてしまった。


「くっ、」

『ワンパターン過ぎるとこうなるんだ、よ!!』

彼は言葉の終わりに力を込めつつ、私を地に叩きつけようとする。
しかし、ロックがあまい。すぐそれに気づき、私は腕をつかみ返す。彼の叩きつけは、両足で地を踏み締めることで衝撃を大地に逃がす形で対処する。


「お返しだ、よ!!」

そして私は彼を大地に叩きつける。が、彼は見事な程上手に受け身を取り、衝撃を完璧に受け流す。


『よく気づけたな、それでいい。これはどうだ!!』

しまった。叩きつけたのは良かったが、その後のことを考えてなかった。気付いた時には彼の足払いを受けて、大きく体勢を崩されていた。

「痛っ!」

『常に闘いに集中しろ。そしてできる限り周りを見ろ。次行くぞ!!』

彼は大勢の崩れた私にアッパーをお見舞いしてくる。彼の喝のおかげですぐに気づけた私は手を組んで防御態勢を取ることができた。おかげで被害を最小限に抑えることはできたのだが、数十メートル打ち上がってしまう。


『いい防御だ、その調子。次はこうだ!!』

彼の連撃は止まる勢いを見せない。私の方へと跳躍してくると、今度は翼を掴まれる。そして、あろうことか翼を引きちぎられてしまう。


「くっ、」

『飛行可能な生物にとって翼は重大な弱点となる。覚えとけ!!』

彼は締めの一撃として私の尻尾をつかみ、地へ撃ち落とす。

私は丁寧に着地し、被害をなるべく無くそうとする。とても足がジンジンする…。
彼は手慣れた動作で着地する。そして、引きちぎった翼を後ろに投げ捨てた。
ん?これって…


『さすがのあんたでも、そろそろ限界か?』

「いいや、まだ手はある!」

決意の一言と同時に私は翼に念じた。ここに戻ってこい、と。
すると、二枚の翼がひとりでに動き出した。


『なっ!?』

さすがの彼もこれには驚く。なにせ、引きちぎったはずの翼が、ブーメランの如く回転しながら自分の方へと向かってくるのだから。
彼はなんとか動作を間に合わせ、二枚の翼を受け止めた。


「よし、いまだ!!」

私はここぞとばかりに攻撃を仕掛ける。翼の力を受け止めて隙が生じた彼の胴体に、できる限りの力をお見舞いする。
が、


『いい技持ってるじゃないか。
だが、それも受け流せばいいだけだ!!』

絶妙な受け流しにより、完全にダメージを防いだ。
すぐさま追撃しようとするが...


『初撃を防がれたら次も防がれると思え。
おるぁ!!!』

受け止めた翼で叩かれて、阻止されてしまう。それどころかぶっ飛ばされて、だいぶ距離をとられてしまった。…まあ、翼で貫かれなかっただけマシか…。



描写外での対戦結果

•ベヒモス〜準々決勝でオオカミ女将に敗退

•オオカミ女将〜準々決勝でライトに敗退

•人間?〜準決勝で那宵に敗退

•水の四天王(いたの?)〜準々決勝で人間?に敗退

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く