境目の物語
狭間に覗かせる片鱗
声の主……というか、もう彼でいっか。
ともかく、彼がその技を発動すると、俺の全身から膨大な量の、何か凄まじい力が放出され始めた。
それに伴ってか左腕が瞬く間に再生し、ついさっきまでの風穴は嘘のように無くなっていた。
《継続可能時間は10秒
それまでに終わらせる》
彼はそう言うと、その力をフル活用させて接近を仕掛ける。そのスピードは凄まじく、風になびく制服がいつも以上にバサバサと荒れ狂う。
そのまま奴の懐に潜り込むと、何も言わずに強力なアッパーをお見舞いする。強烈な打撃音を立てて、巨大なワニはほぼ垂直に打ち上げられる。
《【七連打】》
さらに、奴を追うように跳躍し、一瞬の内に7発もの打撃をお見舞いする。最後の一発には特に力が込められており、奴を遥か遠くまでぶっ飛ばす。
《……火力不足を感じる》
「えっ?」
俺から見れば、すでに次元が違いすぎて頭が追いつかないのに、これでもまだ力が足りないって? どんだけ強いんだよ!?
俺がそれに更なる驚きを感じていると、彼はポーチに手を突っ込み、あの錆び付いた短剣を取り出す。
《君の拾い物を使わせてもらう》
「構わないが、なん」
《【エネルギーブレイド】発動!》
俺が承諾しつつ問いかけようとすると、言い終わるより早く、彼は右手を刀身に乗せ、放出している力を撫でるようにして纏わせる。
そうして出来上がったのは、光り輝く大剣だ!
《残り3秒
急接近し 斬り刻む》
彼は俺にそう語りかけ、その通りに接近し始める。俺なら確実に吹き飛ばされるレベルの風圧をもろともせず前へ進み、やっと俺の思考が追いついた頃には、奴の上を位置取っていた。
《【幼刃乱舞】》
彼は急降下しながら技を使い、奴の背から尻尾にかけて、超高速の連斬をお見舞いする。
あれほど硬かった表皮も嘘のようにスパスパと斬り裂いき、最後にはずぶとい尻尾すらもばっさりと切り落としてしまった。
『グルルルッ!?グガッ……』
斬り刻まれた巨大なワニは、断末魔を上げるかのように唸り、それを最後にピクリとも動かなくなった。
「本当に倒しちゃったよ……」
意識の奥にいる俺は、その光景を信じきれずにいた。
っと、彼からの声が聞こえる。
《残り1秒
【エネルギー暴走】解除》
彼が開始時に発動した技を解除すると、力の放出が止まり、短剣も元の錆びたそれに戻った。
それに続いて、体の主導権が戻ってくる。
「っ! ゲホッ! ゲホッ!」
と同時に、前回の回復技を使った時とは比較にならない程の疲れが押し寄せてくる。体勢を保てなくなった体はその場に崩れ落ち、喉元の苦しさに何度も咳込んでしまう。
《俺は任務を遂行した
しばらく休むから後は君に任せる》
「ちょっ、」
いやいや、まだ聞きたい事が山ほどあるし、それにこの状況、どうしろと?
《またレベルが上がった時にくる》
彼は最後にそれだけ告げると、それ以降一切声が聞こえなくなってしまった。
……
それにしてもこの疲労感、もはや疲労の限度を超えている。体を動かせないどころか痛みすら感じないし、何も考える気にならない。
「……(寝るか。」
後のことは、次に起きた時にでも考えればいっかと思いつつ、俺は静かに眠りについた。
(ryトピック〜この時、トッキーはどうだったのか〜
幾度となく巨大なワニの攻撃を受け止め、ボロボロになってしまったレンさん。
片足があらぬ方向に曲がり、もはや動く事すらままならないツネさん。
ではトッキーはどうだったのかと言うと、バフ魔法をみんなに掛けまくっていたが為に、脳がショートして気絶していたのだ。
いくら心が乱れているとはいえ、過度な魔法の使用は控えましょう。
ともかく、彼がその技を発動すると、俺の全身から膨大な量の、何か凄まじい力が放出され始めた。
それに伴ってか左腕が瞬く間に再生し、ついさっきまでの風穴は嘘のように無くなっていた。
《継続可能時間は10秒
それまでに終わらせる》
彼はそう言うと、その力をフル活用させて接近を仕掛ける。そのスピードは凄まじく、風になびく制服がいつも以上にバサバサと荒れ狂う。
そのまま奴の懐に潜り込むと、何も言わずに強力なアッパーをお見舞いする。強烈な打撃音を立てて、巨大なワニはほぼ垂直に打ち上げられる。
《【七連打】》
さらに、奴を追うように跳躍し、一瞬の内に7発もの打撃をお見舞いする。最後の一発には特に力が込められており、奴を遥か遠くまでぶっ飛ばす。
《……火力不足を感じる》
「えっ?」
俺から見れば、すでに次元が違いすぎて頭が追いつかないのに、これでもまだ力が足りないって? どんだけ強いんだよ!?
俺がそれに更なる驚きを感じていると、彼はポーチに手を突っ込み、あの錆び付いた短剣を取り出す。
《君の拾い物を使わせてもらう》
「構わないが、なん」
《【エネルギーブレイド】発動!》
俺が承諾しつつ問いかけようとすると、言い終わるより早く、彼は右手を刀身に乗せ、放出している力を撫でるようにして纏わせる。
そうして出来上がったのは、光り輝く大剣だ!
《残り3秒
急接近し 斬り刻む》
彼は俺にそう語りかけ、その通りに接近し始める。俺なら確実に吹き飛ばされるレベルの風圧をもろともせず前へ進み、やっと俺の思考が追いついた頃には、奴の上を位置取っていた。
《【幼刃乱舞】》
彼は急降下しながら技を使い、奴の背から尻尾にかけて、超高速の連斬をお見舞いする。
あれほど硬かった表皮も嘘のようにスパスパと斬り裂いき、最後にはずぶとい尻尾すらもばっさりと切り落としてしまった。
『グルルルッ!?グガッ……』
斬り刻まれた巨大なワニは、断末魔を上げるかのように唸り、それを最後にピクリとも動かなくなった。
「本当に倒しちゃったよ……」
意識の奥にいる俺は、その光景を信じきれずにいた。
っと、彼からの声が聞こえる。
《残り1秒
【エネルギー暴走】解除》
彼が開始時に発動した技を解除すると、力の放出が止まり、短剣も元の錆びたそれに戻った。
それに続いて、体の主導権が戻ってくる。
「っ! ゲホッ! ゲホッ!」
と同時に、前回の回復技を使った時とは比較にならない程の疲れが押し寄せてくる。体勢を保てなくなった体はその場に崩れ落ち、喉元の苦しさに何度も咳込んでしまう。
《俺は任務を遂行した
しばらく休むから後は君に任せる》
「ちょっ、」
いやいや、まだ聞きたい事が山ほどあるし、それにこの状況、どうしろと?
《またレベルが上がった時にくる》
彼は最後にそれだけ告げると、それ以降一切声が聞こえなくなってしまった。
……
それにしてもこの疲労感、もはや疲労の限度を超えている。体を動かせないどころか痛みすら感じないし、何も考える気にならない。
「……(寝るか。」
後のことは、次に起きた時にでも考えればいっかと思いつつ、俺は静かに眠りについた。
(ryトピック〜この時、トッキーはどうだったのか〜
幾度となく巨大なワニの攻撃を受け止め、ボロボロになってしまったレンさん。
片足があらぬ方向に曲がり、もはや動く事すらままならないツネさん。
ではトッキーはどうだったのかと言うと、バフ魔法をみんなに掛けまくっていたが為に、脳がショートして気絶していたのだ。
いくら心が乱れているとはいえ、過度な魔法の使用は控えましょう。
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