境目の物語
【フォールスファランクス】作戦
俺たちは、【平原の主】との距離感が程よいところにまで接近する。奴はまだこちらに気づいていない。
まずは俺の出番だな。
「そろそろやるぞ。みんな、耳を塞げ!!」
俺はテントの盾を前方に向けながら、3人に指示を出す。
そして、大きく息を吸い込んだ。
「いくぜ!【ハイパーロア】!
うおぉらぁーー!!!」
俺はありったけの大声を上げた。
その凄まじい雄叫びは周囲に響き渡り、弱小な魔物を怯えさせ、奴の意識を俺ただ1人に向けさせる。
「完璧! 次の指示は俺が出すから、盾の後ろに隠れてろよ。」
「了解!」
俺の指示に、3人が返事を返す。誰もロアの巻き添えを喰らっていない事を確認しつつ、奴への接近行動に戻る。
奴の攻撃圏内にまで接近したところで俺はスピードを落とし、盾受けの準備を整える。
奴は俺の誘いに乗り、その棍棒を天高く掲げる。
「今だ、散れ!!」
俺はその棍棒が振り下ろされる直前に指示を出す。
「分かったわ!私の本領、見せてあげる!」
私はレンさんの合図に合わせて右側に飛び退きながら、自身に喝を入れる。
すぐに左手をレンさんの方向に向け、魔法の公式を紡ぎつつ特能を混ぜ込む。
「…【M•M】!」
そして、筋力強化の奔流をレンさんに流し込む。
「ありがとよ、トッキー! 力が溢れるぜ」
俺はその力をひしひしと感じつつ、盾に力を込める。
「いくぜ!【アブソーブシールド】!!」
そして、盾からエネルギー質の巨大で分厚い盾を展開し、その攻撃を完璧に受け止める。周囲には鈍い衝突音が鳴り響き、棍棒も盾にめり込む。
「今だ、ツネちゃん!!」
「了解しました。
トッキー、合わせて!!」
私は左サイドから接近しながら、反対サイドにいるトッキーに指示を出す。
「任せて! 【M•M】及び……【M•S】!」
すぐに彼女からの奔流に包まれる。
私はその力に身を委ねてさらに地を蹴り、自身を風と為す。
「ではやりますよ。
戦技-【蟷螂流-剣の舞】!!」
私は鎖鎌を奴の足に絡め、手繰り寄せる事で急接近しつつ、超高速で連撃を繰り出す。
嵐のような剣撃が、奴の足を襲う!
私が執拗に筋繊維を切り裂くと、ついには奴も立っていられなくなり、がくりと膝をつく。
この時を待っていた、と言わんばかりに私は奴の背後に回り込み、その胴に鎖鎌を巻きつける。
「そーおれ!」
そして私はそれを引っ張り、奴を後方へと転倒させる。
「今です!ラグ坊」
「任せろ!!」
やつと番が回ってきた。
俺は自分への喝の意も込めて返事を返し、重たい大剣を引きずりながら奴の足へと駆ける。
「ぐっ、重たい……」
「【M•M】及び……【M•S】」
俺がその大剣の重さに苦戦していると、トッキーに魔力の奔流を流し込まれる。
すると、さっきまでのが嘘のように体が軽くなり、引きずっていたはずの大剣も軽々しく振り回せそうなほどになる。
俺はその力に身を委ねて、奴の体を駆け上がる。
凄まじいスピードで頭部付近に駆け寄ると同時に天をめがけて跳躍し、武器を構える。
「喰らいやがれぇー!」
そして、ありったけの力を乗せた大剣を振り下ろし、思い切り奴の頭部に叩きつける。
その重撃は奴の頭部を大きくへこませ、顔中から大量の血を吐き出させた。
「よし、決まった!」
俺は、トドメが決まったことに満足し、奴の上に立って息をついた。
「……ん?おおっ?」
がその時、奴は最後の足掻きとして無茶苦茶に体を動かし始めた。もちろん俺の足場の安定性も損なわれる。
「皆さん、主から離れて!」
ツネさんからの指示が聞こえる。
だが、俺が離脱を試みようとした時には奴の体から振り落とされ、その頭上に飛ばされていた。
「まずい!」
俺は慌てて盾を構えようとする。が、盾がない。
そういや大剣が重すぎるから、置いてきちゃったんだった。ははは……
俺は完全に諦めムードに入る。それと同時に、奴が振り回す腕に直撃した。
「ギャー!」
そのまま、俺は遥か遠くへぶっとばされたのだった。
(ryトピック〜【フォールスファランクス】について〜
わざわざ全員が盾役の背後に集まるのは見せかけの罠を敷く為。盾役にヘイトを集中させ、大ぶりな攻撃を誘発すると同時に他のメンバーが散開し、その隙を突くだけの、割と単純な作戦である。
巨体で大ぶりな攻撃を主体とする相手には高い安定性を誇るが、そうでない相手には一切意味を成さない。
まずは俺の出番だな。
「そろそろやるぞ。みんな、耳を塞げ!!」
俺はテントの盾を前方に向けながら、3人に指示を出す。
そして、大きく息を吸い込んだ。
「いくぜ!【ハイパーロア】!
うおぉらぁーー!!!」
俺はありったけの大声を上げた。
その凄まじい雄叫びは周囲に響き渡り、弱小な魔物を怯えさせ、奴の意識を俺ただ1人に向けさせる。
「完璧! 次の指示は俺が出すから、盾の後ろに隠れてろよ。」
「了解!」
俺の指示に、3人が返事を返す。誰もロアの巻き添えを喰らっていない事を確認しつつ、奴への接近行動に戻る。
奴の攻撃圏内にまで接近したところで俺はスピードを落とし、盾受けの準備を整える。
奴は俺の誘いに乗り、その棍棒を天高く掲げる。
「今だ、散れ!!」
俺はその棍棒が振り下ろされる直前に指示を出す。
「分かったわ!私の本領、見せてあげる!」
私はレンさんの合図に合わせて右側に飛び退きながら、自身に喝を入れる。
すぐに左手をレンさんの方向に向け、魔法の公式を紡ぎつつ特能を混ぜ込む。
「…【M•M】!」
そして、筋力強化の奔流をレンさんに流し込む。
「ありがとよ、トッキー! 力が溢れるぜ」
俺はその力をひしひしと感じつつ、盾に力を込める。
「いくぜ!【アブソーブシールド】!!」
そして、盾からエネルギー質の巨大で分厚い盾を展開し、その攻撃を完璧に受け止める。周囲には鈍い衝突音が鳴り響き、棍棒も盾にめり込む。
「今だ、ツネちゃん!!」
「了解しました。
トッキー、合わせて!!」
私は左サイドから接近しながら、反対サイドにいるトッキーに指示を出す。
「任せて! 【M•M】及び……【M•S】!」
すぐに彼女からの奔流に包まれる。
私はその力に身を委ねてさらに地を蹴り、自身を風と為す。
「ではやりますよ。
戦技-【蟷螂流-剣の舞】!!」
私は鎖鎌を奴の足に絡め、手繰り寄せる事で急接近しつつ、超高速で連撃を繰り出す。
嵐のような剣撃が、奴の足を襲う!
私が執拗に筋繊維を切り裂くと、ついには奴も立っていられなくなり、がくりと膝をつく。
この時を待っていた、と言わんばかりに私は奴の背後に回り込み、その胴に鎖鎌を巻きつける。
「そーおれ!」
そして私はそれを引っ張り、奴を後方へと転倒させる。
「今です!ラグ坊」
「任せろ!!」
やつと番が回ってきた。
俺は自分への喝の意も込めて返事を返し、重たい大剣を引きずりながら奴の足へと駆ける。
「ぐっ、重たい……」
「【M•M】及び……【M•S】」
俺がその大剣の重さに苦戦していると、トッキーに魔力の奔流を流し込まれる。
すると、さっきまでのが嘘のように体が軽くなり、引きずっていたはずの大剣も軽々しく振り回せそうなほどになる。
俺はその力に身を委ねて、奴の体を駆け上がる。
凄まじいスピードで頭部付近に駆け寄ると同時に天をめがけて跳躍し、武器を構える。
「喰らいやがれぇー!」
そして、ありったけの力を乗せた大剣を振り下ろし、思い切り奴の頭部に叩きつける。
その重撃は奴の頭部を大きくへこませ、顔中から大量の血を吐き出させた。
「よし、決まった!」
俺は、トドメが決まったことに満足し、奴の上に立って息をついた。
「……ん?おおっ?」
がその時、奴は最後の足掻きとして無茶苦茶に体を動かし始めた。もちろん俺の足場の安定性も損なわれる。
「皆さん、主から離れて!」
ツネさんからの指示が聞こえる。
だが、俺が離脱を試みようとした時には奴の体から振り落とされ、その頭上に飛ばされていた。
「まずい!」
俺は慌てて盾を構えようとする。が、盾がない。
そういや大剣が重すぎるから、置いてきちゃったんだった。ははは……
俺は完全に諦めムードに入る。それと同時に、奴が振り回す腕に直撃した。
「ギャー!」
そのまま、俺は遥か遠くへぶっとばされたのだった。
(ryトピック〜【フォールスファランクス】について〜
わざわざ全員が盾役の背後に集まるのは見せかけの罠を敷く為。盾役にヘイトを集中させ、大ぶりな攻撃を誘発すると同時に他のメンバーが散開し、その隙を突くだけの、割と単純な作戦である。
巨体で大ぶりな攻撃を主体とする相手には高い安定性を誇るが、そうでない相手には一切意味を成さない。
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