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ハーフエルフの少年

リンネ

第29章 港町〜カリダ〜

雲ひとつない青空。
降り注ぐ太陽の光、そして風に乗って潮の香りがする。
心地の良い馬車の揺れ。
ボク達は今、港までの道中を馬車で移動中だ。

「は〜昨日は散々だったな〜」

「レナちゃんだけでも強いのに、精霊とか反則にゃ〜」

と、いう2人の会話は置いておこう。
ちなみにスエールはボクの背凭れとなっている。
例の如く、丸くなって眠っているからね。
体長も1メートル前後でまだまだ子龍だ。

そんな中、ボクは図書館で貰った魔法書を読んでいる。
魔法陣を使った魔法は簡単なものから複雑なもの。
何重にも重ねてできる魔法もある。

「でもこれ戦闘中には書けないんじゃ...。
それに、そもそも何に魔法陣書けばいいんだろ?」

とにかくこの本には魔法陣の形と魔法の説明はあるけど、肝心な部分が抜けてる。

「これじゃあ試しようがないじゃん...」

「何ぶつぶつ言ってんだ?」

「へっ!?」

急に話しかけられて変な声が出ちゃった。

「もう港に着くぞ?」

あ、本当だ。
本に夢中で全然気付かなかった。

「ふぁ〜きもちいいとこにゃ〜」

「だな〜!海にはいりてぇな!」

「お客さん、残念だが海には入れないっすよ」

この馬車の運転手さんが話に入ってきた。

「なんで?」

「最近は海の魔物も増えてきてるみたいでね」

「はーなんだよせっかくの海なのに」

「ははは、アレっすか!兄さん女性の水着姿でも拝みたかったんすね!」

「なっ!?」

ジトー。
ボクとヘレナはギン兄ちゃんに冷たい視線を送っている。

「おい、そんな目で俺を見るな!」

「兄ちゃん最低だね...」

「最低にゃ」

「誤解だ!」

「キュー?」

兄ちゃんの大声でスエールが起きたようだ。
そろそろ起こそうと思ってたからちょうどいい。

「スエール、もうすぐ着くからね〜」

「キュ!」




港町〜カリダ〜

「毎度ありがとうっす!」

静かな波の音。
行き交う人々の話し声。
小さな町ながらも、ギルドもちゃんとある。

「これから楽しみだな〜」

「女の人見るのが?」

「そう、ってちげぇよ!」

「最低にゃ...」

ボクもいつかこうなるのかな?
想像できないや。

「んじゃ、早速海を渡るために船に乗ろうぜ!」

「ギルドは寄らなくていいの?」

「まぁたまにはいんじゃね?」

「アタイはレナちゃんに任せるにゃ」

ボク達は船着き場の受付に来たんだけど、ちょっと困ったことになってた。

「船が出せない?なんでだよ!」

「最近海に魔物が多く出没するようになりましてね? それだけなら冒険者を雇って出航は可能なんですが、Sランク級の魔物が出て船が一艘沈没してしまったんですよ」

「Sランクの魔物?」

「なんかやばそうにゃ」

あれ?でもそれならSランクの冒険者を雇えばいいんじゃないのかな?

「そもそもこの小さな港町にはギルドはあれど、高ランクの冒険者は王都に集中してなかなかいらっしゃらないんですよね」

「なるほどな〜」

「どうしよう。だれかSランクの冒険者さん居ないかな?」

「「レナート(レナちゃん)Sランクだろう(でしょう)が!」

あ、そうだった。
でも2人同時に突っ込まなくてもいいのに〜。

「じゃあギルド行ってみる?」

「そうだな〜」

「ほかに方法はなさそうにゃ」

ん〜海のSランク級の魔物ってなんだろ?
とりあえずギルドだね。

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