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ハーフエルフの少年

リンネ

第26章 アンデッド〜死霊魔術師〜

日はすっかり沈み、身の毛もよだつ時刻になった。
そして、ここはある村がそのまま墓地になったような感じの場所。
廃村っていうやつなのかな?

そこら中からアンデッドの呻き声が聞こえる。
それに、ゾンビだけじゃない。
スケルトン、グール、レイスまでいる始末。

「思ってたよりすごい数だね」

「ぶぶぶぶ不気味すぎるにゃ!」

「片っ端から倒すしかねぇか」

でも本来こんなにアンデッド系が現れるはずはないんだけど、かなり放置されてたのかな?
それにしては多すぎる。

「おっしゃー!いつもの如く、レナートが一発でかいの入れてから乗り込もうぜ!」

「いつもって毎回そうにゃのか?」

「いつも...じゃない気がする」

あれ?いつもだっけ?

「とりあえずレナート頼むわ」

「はーい!詠唱長いからその間お願いね」

「おう!」

「任せるにゃ!」

ボクは杖を構えて、呪文を唱える。

「輝く光、この世に未練を残せしさまよう魂に浄化の光を雨と降らし、今安息の地へと導かん。
未練を捨て、安らかに...ジャッジメント!」

無数の光の柱が無差別に次々と降り注ぎ、その光に当たったアンデッド達は跡形もなく消えて行く。

「すげっ!」

「兄ちゃん!ヘレナ!いいよ!」

「「........」」

ってあれ〜?
なんで動かないの?

「「だからもう居ないって...」」

「えー?ん?まだ1匹いるよ?」

「んなわけ...お?」

ボクが指差したところに1匹のアンデット...いや、ただのアンデットじゃないね。
あれは死霊魔術師、ネクロマンサーのアンデットだ。

「にゃーあの光を受けて生き残るにゃんて」

「とりあえずあと1匹だけだから余裕だろ」

「そうでもないよ?」

「え?」

ボクはネクロマンサーを指差した。
だって次々とゾンビやらなんやら召喚してるんだもん。

「なっ!?」

「ネクロマンサーのアンデッドだね。
死霊を呼び出して自分の配下にしちゃう魔法使いの総称で、厄介なのがあのネクロマンサー自身もアンデッドになっちゃってるって事だね〜」

「って呑気に解説してる場合じゃないにゃ!」

「そうか!だからアンデッドが急激に増えたのか!」

「にゃー!めんどくさいにゃ!」

うん、相手も魔法使いだから魔法攻撃は効かない。
というか魔法で防いじゃうわけだ。
光属性はそもそも攻撃力なんてないから簡単な障壁とかで容易く防御できちゃうし。

「どうすんだよ!アイツレナートの魔法効いてなかったじゃねぇか!」

「んー、方法は1つ」

「にゃんにゃ?」

「切る!」

ボクは杖から剣を引っこ抜いてアンデッドの群れに飛び込んだ。

「すごいにゃ...」

「まけてらんねぇ!」

続いて兄ちゃんも後に続き、

「アタイだってやるにゃ!」

ヘレナも続く。

3人で次々とアンデッドの首をはねてるもんだから、ネクロマンサーの召喚が追いついてない。

「っしゃー!これでトドメだ!」

兄ちゃんがネクロマンサーに飛び掛かり、

「せいっ!」

首を、切れずに空気を切りました。

「なっ!?」

どうやら転移魔法で避けた見たい。
生きてた頃はエルフだったのかな?

「ライトボール!」

ボクは光の球を打ち込んでみる。

「ウウッ...」

わーダークボールで相殺された。
隙を突かないとダメだね...

「兄ちゃん、ヘレナ」

「どうした?」

「にゃ?」

「ボクが仕留めるから隙を作ってくれない?」

久しぶりの実戦だけど、大丈夫。

「おっけー!いくぞ!ヘレナ!」

「ガッテン承知にゃ!」

2人はネクロマンサーに次々と攻撃を仕掛けては避けられていく。
しばらく観察してたけど、転移魔法で逃げる時はいくつかパターンがあるな。

8箇所。
同じ場所にしか転移してない。
そうか、ボクみたいにとっさにルートを決めてるんじゃなく、予め転移場所を指定してるのか。

それなら、兄ちゃんとヘレナの位置。
兄ちゃんが斬りかかるとヘレナが居ないあの空間に転移。
うん、読めてきた。

「くそーちょこまかと!」

ボクは剣を鞘にしまい、杖になったそれを背中に戻す。
そして、新たにエルフの里で貰った弓を構える。
この弓には弦も矢もない。
左手から魔力を流して弦とし、右手から魔力を流して矢とする。

その分魔法以上に扱いが難しい。
流す魔力は強すぎても弱すぎてもダメ。

「魔弓、弦展開。光属性の矢展開」

「でりゃー!」

「にゃー!」

位置は...次に兄ちゃんが斬りかかれば、

「せいっ!」

「ここだ!光魔矢!」

光の矢が誰もいない空間目掛け真っ直ぐに飛ぶ。
そして、その空間にネクロマンサーがまんまと転移してきた。

「ヴーーー!」

気付いた時には既に、ネクロマンサーは矢に撃たれ、その身を浄化し、跡形もなく消えていった。

「ふぁー...真っ直ぐ飛んでよかった〜...」

「なんだ今の!すげぇな!」

「アンさん元気だにゃ〜アタイクタクタにゃ...」

ボクも疲れた。
猛烈に眠いし、今何時だろう。

「かっけぇ!その弓!俺も使えっかな〜!?」

「無理だと思う...根本的に...」

「なぁレナート!今度撃つとこじっくり見せてくれねぇか!?」

「......」

「ん?おーいレナート〜?」

「寝てるにゃ」

「ったくしゃあねぇな〜やっぱまだ子供だな!」

「アンさんのさっきまでの行動の方がよっぽど子供っぽいにゃ」

こうして、夜のクエストも無事に終わり、任務達成となった。
ボクは終わった瞬間に力が抜けて、猛烈に睡魔に襲われた。

そして、やっぱり何か忘れてる気がするけど、その時はもうボクは夢の中だ。

「キューーーー!!!!」

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