ハーフエルフの少年

リンネ

第24章 王都2日目

王都2日目。
昨日は宿に着いた途端に眠っちゃって、変な夢見て兄ちゃんにボクの過去を教えてと、そんな感じだった。

今日は観光したい。
人混みは嫌いだけど、それでも見て回りたいところはいっぱいある。

って事で、ボク達3人はまず、宿の一階で朝食をとっていた。
ちなみにスエールは目立つのでお留守番だ。
駄々こねたけどいい子にしてたらお土産買って来るって言ったら大人しくなった。
それにしても...

「「おかわり!」」

もう5杯目ですよ〜ふたりとも〜。
ボク、見てるだけでお腹いっぱいになっちゃった。

「レナート食べねぇのか〜?もっと食えよ!うめぇぞ!」

「そうにゃ!成長期なんだから食べるにゃ」

ハーフエルフの成長期はまだ当分先なんですよヘレナさん...。

「いつだったかメッチャ食ってたじゃねぇか!」

「え、あの時は...魔力切れてたし...」

「しっかり食べにゃいと大きくなれにゃくてちっちゃいままにゃ!」

充分食べたよ?
うん、2杯目まで食べたよボク。
これで少ないの?
ボクの感覚おかしくなっちゃった?

「まぁとにかく、今日はこの後どうするよ」

スープをすすりながら兄ちゃんは言う。

「まぶぼうべんばびうぼえいいんびゃばい?」

ヘレナ、喋るか食べるかどっちかにしようよ。

「冒険者ギルドなぁ〜俺昨日行ったしな〜」

「あ、ボク書店とかあったら行きたい」

「書店?本読むのか?」

「精霊についてなんか手がかりないかなーって思って。ついでに、魔法書とかあれば見たい」

「なるほどにゃ〜確かに情報収集は大事にゃ!
アンさんは?」

「俺はレナートについてく」

「にゃかいいにゃ〜」

「兄弟だからな!」

えへへ。
今更だけど照れ臭い。
あれ?でも兄ちゃん本読むのかな?

「アンさんは本読むにゃか?」

「勉強とか嫌いだから読まねぇ!」

あ、はい。
そうだと思った。

「アンさんらしいにゃ」

「ヘレナはどうするの?
ボク達と来る?」

「もちろんにゃ」

どうやらみんなボクについて来るみたいだ。
そうと決まれば...。

「おかわり!」

「アタイも!」

まだ食べるんだ...



王都、図書館。
書店を探してたら図書館を見つけたから入って見た。
本を汚さなければいつでも無料らしい。

早速精霊や魔法の本を探して、適当に何冊かもってソファに腰掛ける。

「腹いてぇ...」

「アタイもにゃ」

食べ過ぎでしょ...。
ふたりは本よりトイレを探してるみたいだ。
とりあえずほっといて本を読もう。

「精霊の契約...か」

この本は契約方法について書かれた本だけど、ボクもう既に契約しちゃってるしな〜。

「ん?」

とりあえず読んでみるけど、精霊王との契約という目次に目が止まった。
早速そのページを開いてみる。

「精霊王は過去にただひとりだけ契約に成功した者がいる。
しかし、詳細な契約方法や住処などは一切わかっていない。
そもそも精霊はひとりしか契約できず、誓いを果たし続ける事で、その人物が死ぬまで破棄されない...か」

あれ?じゃあボクは今ただ1人の精霊使い?
ん〜、次! 次の本を行ってみよう!

「エルフの魔法の仕組み」

これ読む意味あるのかな?

「エルフは何故魔法が使えるのか。
それは、エルフの身体にマナという者が流れており、人間でいう気のような物。
マナは大気中にも存在しており、体内、体外どちらのマナを使っても魔法は使える。
ただし、マナを操れるのは、産まれながら体内にマナを宿すエルフのみ。よって、魔法はエルフにしか扱えない」

ハーフエルフもマナを宿してるから使えるのかな?
魔物もたまに使うやつ居るしな〜。
体外のマナを操れれば魔力消費しなくて済むのかな?

「よし、次!」

「はースッキリした〜」

兄ちゃん戻ってきた。

「すげぇなんだこの本!
せ...セイ...レイノシ...ユ...ルイ...」

「あ、それかして!」

「ああ」

「精霊の種類」

これだ!
どんな精霊が居るかこれでわかるかな?

「精霊には属性に応じた種類が居る。
現時点で分かっている精霊は、火、風、土、水の四大精霊を始め、雷、氷、光、闇、元、源」

「結構いんだな」

「兄ちゃんって字あまり読めないの?」

ちょっと気になって聞いてみたけど、うん聞かなくてよかったね。

「悪かったな!どうせ俺は字もろくに読めねぇ脳筋だよ!」

「そこまで言ってない...」

「アンさん声大きいにゃ」

ヘレナも戻ってきた。
うん、その一言すごく同意する。

「図書館は静かにするところにゃ」

「すまん」

「とりあえず種類はわかったし、精霊についてはもういいかな?」

あとは魔法書。
ボクが知らない魔法とかあればと思ったけど、どうかな〜。

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