いつだって僕の感情は欠落している

零猫

7

俺が電話に出た時にはもう2人は亡くなっていたらしい。だからすぐに病院に来い、と。そんな内容だった気がする。

焦ったような、淡々としたような、そんな声が俺の鼓膜を揺らした。

「分かりました。すぐに向かいます。」

出した声は思ったより普通で自分でも驚いた。
相手も驚いていた。息を呑むような声が少し聞こえた。
そうだろう。いきなり両親が死んだ、なんて電話がかかってきたのにまるで何ともないような声で返事をしたのだから。

両親がいる病院に向かった。その足は急ぐでもなく、ただただゆっくりと、1歩ずつ進んでいた。

心の中は真っ暗で、でも、涙なんて出なかった。両親を愛していた。それは本当のことだ。でも、死んだと知っても俺は、悲しいとか寂しいとか、そういう感情が出てこなかった。

星が綺麗に見える夜空の下、俺はこのなんとも言えない気持ちに戸惑いながら歩いた。

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