酒と煙草

ノベルバユーザー221010

23

「麗と同じテンポで飲むと倒れちゃいますよ。」

と、もう一度、麗さんと同じものを頼んだ僕に、店長からのささやかな忠告だった。

それなりに酒好きで、社会人になってからは酒の席での失敗の無かった僕は、隣でニコニコとご機嫌な麗さんを見て、先に潰れるのは麗さんの方なんじゃないかと思っていた。

「結構、いけるクチなんです。なんでも。こんな美味しいお酒ですし。明日は休みだから、大丈夫ですよ。
」と、店長の忠告をアッサリと聞かない宣言をしてしまったのだ。

それより、僕の隣で相変わらずお酒でご機嫌な同級生を心配した方がいいんじゃないか。

まぁ、気心が知れた同性なら、潰れるまで飲んでも面倒を見る気なのかもしれない。

僕は、今を楽しませてくれる今だけの飲み友達に、ゲロの世話なんかしてやるつもりもなかったんだ。

麗さんが寝るか、吐くか、泣くか、
僕が満足するか、

そしたら、帰って明日は昼まで寝ていよう。

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く