酒と煙草

ノベルバユーザー221010

22 一期一会?

アルコールはごちゃ混ぜにしない方がいい。

そんな気配りからか、僕がジントニックを頼んでから、麗さんにもジンベースのお酒を作っていたらしい店長。やり手のキャリアウーマンのような采配だ。

麗さんと同じお酒を作ってもらったが、刺さったマドラーに飾らせているのはヤシの木だ。

ビール以上に真剣に作られたカクテルはスッキリサッパリな飲み心地でスイスイ飲んでしまう。

麗さんの飲みっぷりも納得だ。

それからは、麗さんと何でもないような話をした。
当たり障りない、そっとビールの泡だけを舐めるような会話。
のんびりした口調と、綺麗な言葉遣い。
落ち着いた雰囲気。
きっと麗さんは僕より年上なんだろうと感じた。

今まで、それなりに何人か付き合った事はある。
むしろ、彼女がいない時期の方がきっと少ない。
でも、年上の女性はちょっと苦手だったんだ。
なんとなくだけど。

だから、なんとなく年上だろうと推測した時は、僕の彼女候補からは外し、ただの一期一会を楽しもうと思ったんだ。

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