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龍の使い手

王帝月ノ宮

穢土転生

「穢土・・・転生?」
バカな、あの術はどこの術書にも載っていなかった。
俺の額を冷や汗が伝う。
その理由の一つが、知ることの出来ないはずの術が使用されていること。
もう一つは、黒騎士が右手をこちらに向けてきたこと。
「無術・テンサウザンド・アロー。」
無機質な声と同時に1万本の矢がこちらにとんできた。
「火遁・業火壁の術!!!!!」
とっさに印を結び、炎の壁を作り出す。
そのお陰で怪我人はでなかった。
縛術ばくじゅつくさり絡めがらめ!!!!!」
今度は違う印を結んで、鎖を呼び出した。
その鎖は、黒騎士めがけて飛んで行き、しかし黒騎士は難なく打ち破ってしまった。
「今回は挨拶に来ただけだ。」
黒騎士はそういって、空へ去っていった。
「追うぞ!正宗、村正、希望!」
俺はそう言って印を結ぶ。
「影術、影縛り!」
しかし、わずかに届かず逃げられた。
「くそっ!」
俺は地面を握りこぶしで殴った。
「追い付けなかった。それだけじゃない、『今回は』と言っていたから次がある。まずい、どこが狙われるか分からない。どうする。」
自問自答を繰り返す。
しかし、答えが出るわけもなく俺は一人でイラついていた。
ひたすら一人で自問自答を繰り返し、ぶつくさ言いながら帰路を歩く。
家に着き、リビングに入った瞬間、希望にひっぱたかれた。
「お兄ちゃん!何をくよくよしてるの!」
「俺はくよくよしてねぇ!」
「そんなことはどうでもいいの!それよりお兄ちゃんらしくないよ!なんでちょっと失敗しただけで下を向くの!いつもなら『俺が下を向くのは死ぬときだ!』とか言ってるくせに!だったら最後まで全力でやろうよ!なんのための『呪いの力』なの!?なんのための『呪いの眼』なの!?その力であいつを探し出せばいいじゃん!それとも何!?たかが影縛りを避けられた程度で敵わないとか考えてるんじゃないよね!もしそうならお兄ちゃんの『ファン・ガンマ・ビゼン』の名前が泣くよ!」
希望が息継ぎもしないで叫び続ける。
「お兄ちゃんがなにもしないなら私だけで行くから!じゃあね!」
希望がそう言って玄関に向かう。
「待て希望!」
ここで俺が叫んだ。
「お前に行かせるくらいなら俺が行く。妹にあそこまで言われて黙ってられるか。」
そうだよ。何をくよくよしてたんだ。
俺には伝説になった『ファン・ガンマ・ビゼン』の名前と『呪いの眼』があるじゃないか。
「希望、ありがとな。おかげで吹っ切れた。」 
「それでこそ、『ファン・ガンマ・ビゼン』だよ♪」
それじゃ、希望のこの愛くるしい笑顔を守りに、
「行きますか。」

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