異世界からの略奪者 奴隷から英雄への成り上がり
3話〜異変
雪とショッピングモールに出かけた帰り道、俺たちはとある公園で少し休憩をとっていた。
俺は自販機でお茶と雪の好きなホワイトソーダを買い、雪が座っているベンチの隣に腰をかける。
「ほら、これでいいか」
雪にホワイトソーダを渡す。
「‥‥‥うん、ありがと」
雪は嬉しそうに受け取る。
公園で子供達が楽しそうに遊んでいるのを眺めながら、二人で飲み物を飲んでいると、ふと雪が「‥‥‥大地、何で部活辞めたの?」と尋ねてきた。
嫌なことを聞いてくる、適当に答えるか。
「あー、あれだよ、あれ。疲れたんだよ、空手にさ」
「‥‥‥嘘、何があったの?ずっと空手続けてきたのに、急に辞めるなんておかしい。全国大会も出場決まってたよね?」
雪は俺を心配そうに見ながら聞いてきてくる。
「よく知ってるな、まだそんなに知られてないはずなのに。確かに空手に疲れて辞めたってのは嘘だ。全国大会出場が決まった頃から周りの部員の様子がおかしかくなって、皆、俺を避けるし、俺と組手も組んでくれなくなった。ついには先輩たちは俺を集団で暴力振るわられそうになってよ、返り討ちにしたら、顧問に呼び出されて一方的な情報でだけで先輩に暴力振るうとは何事だとか言って怒鳴られるし、なんか全部が馬鹿馬鹿しくなって辞めちまった」
結局全部言ってしまった。
「そんなのおかしい!大地はいつも誰より遅くまで練習して、大地のお母さんの地獄の特訓だって耐え抜いて、努力して強くなった!私ちょっと行ってくる!」
雪は怒りを露わに立ち上がり、どこかに向かおうとする。
「待て待て、お前はなんでいっつも俺の時だとそんなに怒りやすいんだ?俺は別に気にしてないし、部活に行かなくたって、空手はできるんだから気にするな。俺は今の生活に満足してるんだから」
俺は雪の腕を掴んで、雪を宥める。
「‥‥‥大地はいつも他人に優しい。だからいつも損してる」
雪は渋々ながらも再びベンチに座る。
「ほんとに今の生活に満足しているんだって。雪ともこうして出掛けることも増えたことなんだしな!最近はあまり一緒に出かけるなんてこともできなかったから楽しい毎日だよ。部活を辞めてよかったと思ってるよ」
俺は雪に本心を伝える。
「‥‥‥大地、それは反則」
雪の頬がその名の通りの肌から真っ赤に染り、雪はそれ以上は喋らなくなる。
それから無言のほのぼのとした時間が過ごしていると、ふと周りの雰囲気ガラッと変わった。
広場の真ん中のあたりから見たこともない文字らしきものが羅列された円が現れた。
あまりにも急な出来事により、俺と雪は呆然と見つめているだけだった。
俺たち以外の公園にいた人も見つめていたり、興味本位に近づいていく人もいた。
雪は俺の服の袖を掴み、不安そうに見つめていた。
そして円を描いてる文字は輝きだし、円の中央の空間に穴が出現し、その穴の中には中世ヨーロッパの鎧のような古臭い鎧を着ている男たちが立っていた。
ずいぶん迫力のあるイベントだなと俺は楽観的に考え、傍観していた。
男たちは穴の外に出ようとするが、何か透明な壁みたいなものに阻まれ外に出れそうになかった。
すると男たちの背後からかなりリアルな着ぐるみ?がかなりゆったりとした足取りで前に出てきた。
それは牛の姿をしているが、人間のように二本足で立ち、手には棍棒らしきものを持っていた。
着ぐるみは雄叫びを上げながら、手に持っているこん棒を透明な壁に向かってぶん回す。
ガキン!!
大きな衝撃音とともに透明な壁にひびが入っていく。
そんな様子を見ていた俺を含め公園にいた人たちはようやくイベントではないと気づき、辺りはパニックになる。
それもそうだ、見た目が恐ろしい化け物みたいな着ぐるみが外に出てこようとしてるのだ。
冷静でいられる方が難しい。
走って公園から逃げる人、我が子を抱えて逃げようとする人、様々な反応をして人は皆穴のようなものから遠ざかろうとする。
俺も雪を連れて逃げようとしていたが、逃げずに泣いている女の子を見つけてしまった。
俺はいったん雪から離れ。男の子の元に向かおうとする。
「‥‥‥大地。どうするの?」
雪は俺に心配そうに聞いてくる。
「すぐに戻るから心配するな!」
俺はそう言うと雪を置いて、泣いている男の子の元に走って近寄っていった。
「大丈夫か?お母さんはいないのか?」
俺は尋ねる。
「ママ忙しくて、1人で来たからいない」
女の子は泣きながら答える。
「よし、じゃあ兄ちゃんが外に連れてってやる!」
俺はそう言うと女の子を抱えて雪の元へ向かった。
「よし、走るぞ!」
子供を抱え俺と雪は走り出す。
皆が公園の外を目指している中、公園の外から一台のパトカーがサイレンを鳴らしながら、こちらに近づいてきた。
パトカーは公園のそばで停車し、中から二人の警察官が降りてきた。
俺たちはその警察官の方に向かうと、警察官もこちらに気づき、「どうした?一体公園で何があった!?」と警察官の一人が俺達に尋ねてきた。
「なんかよく分からないけど、穴から怪物みたいなのが出てこようとしていて、皆パニックになってる!」
俺もあまりよく分かっていないので、警察に自分が見てきたことを答える。
「何だ、それは?新手のテロみたいなものか?こんな公園で?」
もう一人の警察官が俺達に問う。
「俺にもよく分からない!」
「とりあえず、君達は避難しなさい!我々は応援を要請する!」
一人の警察官は連絡を取ろうと、無線機を手に取る。
「‥‥‥すみません。この子1人で公園に来たらしくて、私たちが外に連れ出して来たんですけど、この子の保護をお願いできますか?」
雪はそう言って俺の抱えている男の子に顔を向ける。
「分かった!我々が責任を持って保護する!君たちは急いで退避しなさい!」
警察官は女の子を抱えてパトカーに乗せる。
男の子は俺たちに向かって手を振りながら「ありがとう、お兄ちゃん、お姉ちゃん」とお礼を言ってきてくれた。
俺たちは女の子に手を振って「雪、走るぞ!」と雪に促す。
「‥‥‥うん!」
俺たちは公園から離れるために走り出した。
数十分も走ると先ほどの左派が示唆と打って変わって、もう何事もなかったのように人々は生活していた。
俺たちはようやく走るのをやめて、歩き出す。
「あれ、いったい何だったんだろうな?」
「‥‥‥分からない。でもあれは人が作った?CGとかそう言うのじゃないと思う。本物のように見えた」
「確かにそうだな。でもあとは警察の方が何とかしてくれるだろ!」
「‥‥‥ん」
雪は頷く。
「今日はありがとうな。俺、部活辞めてから何もすることがなかったから、家でボーッとすることしかできなかったからな。雪のおかげで気分転換できたよ」
「‥‥‥私の方こそありがとう。大地はいつも部活してたから、一緒にデートできて楽しかった」
雪は微笑む。
「待て!あれデートだったのか!?俺にはただの荷物持ちさせるために誘ってきたのじゃなかったのか!?デートらしいことを一切していないぞ!」
あれはデートではない、ただの荷物持ちだ。
「‥‥‥大地。‥‥‥照れ屋さん」
「照れてねぇよ!はぁ、もういいや。雪、ほんとに今日はありがとうな」
俺は雪に感謝を述べ、雪の頭に手をのせる。
「‥‥‥大地、それは卑怯」
雪は顔が真っ赤になり俯く。
「ん?どうした?もう家だぞ!ほら荷物を持て!これ結構重いからな、気をつけろよ?」
俺は荷物を雪に手渡す。
「‥‥‥ありがと。明日は私をどこかに連れてってね」
雪は荷物を受け取りながら微笑んでくる。
「明日も行くのか!?はぁ、分かったよ。何か考えとくよ。じゃあまた明日な」
「‥‥‥ん。また明日」
しかし、俺たちが待ち望んでいた明日は来ることはなかった。
俺は自販機でお茶と雪の好きなホワイトソーダを買い、雪が座っているベンチの隣に腰をかける。
「ほら、これでいいか」
雪にホワイトソーダを渡す。
「‥‥‥うん、ありがと」
雪は嬉しそうに受け取る。
公園で子供達が楽しそうに遊んでいるのを眺めながら、二人で飲み物を飲んでいると、ふと雪が「‥‥‥大地、何で部活辞めたの?」と尋ねてきた。
嫌なことを聞いてくる、適当に答えるか。
「あー、あれだよ、あれ。疲れたんだよ、空手にさ」
「‥‥‥嘘、何があったの?ずっと空手続けてきたのに、急に辞めるなんておかしい。全国大会も出場決まってたよね?」
雪は俺を心配そうに見ながら聞いてきてくる。
「よく知ってるな、まだそんなに知られてないはずなのに。確かに空手に疲れて辞めたってのは嘘だ。全国大会出場が決まった頃から周りの部員の様子がおかしかくなって、皆、俺を避けるし、俺と組手も組んでくれなくなった。ついには先輩たちは俺を集団で暴力振るわられそうになってよ、返り討ちにしたら、顧問に呼び出されて一方的な情報でだけで先輩に暴力振るうとは何事だとか言って怒鳴られるし、なんか全部が馬鹿馬鹿しくなって辞めちまった」
結局全部言ってしまった。
「そんなのおかしい!大地はいつも誰より遅くまで練習して、大地のお母さんの地獄の特訓だって耐え抜いて、努力して強くなった!私ちょっと行ってくる!」
雪は怒りを露わに立ち上がり、どこかに向かおうとする。
「待て待て、お前はなんでいっつも俺の時だとそんなに怒りやすいんだ?俺は別に気にしてないし、部活に行かなくたって、空手はできるんだから気にするな。俺は今の生活に満足してるんだから」
俺は雪の腕を掴んで、雪を宥める。
「‥‥‥大地はいつも他人に優しい。だからいつも損してる」
雪は渋々ながらも再びベンチに座る。
「ほんとに今の生活に満足しているんだって。雪ともこうして出掛けることも増えたことなんだしな!最近はあまり一緒に出かけるなんてこともできなかったから楽しい毎日だよ。部活を辞めてよかったと思ってるよ」
俺は雪に本心を伝える。
「‥‥‥大地、それは反則」
雪の頬がその名の通りの肌から真っ赤に染り、雪はそれ以上は喋らなくなる。
それから無言のほのぼのとした時間が過ごしていると、ふと周りの雰囲気ガラッと変わった。
広場の真ん中のあたりから見たこともない文字らしきものが羅列された円が現れた。
あまりにも急な出来事により、俺と雪は呆然と見つめているだけだった。
俺たち以外の公園にいた人も見つめていたり、興味本位に近づいていく人もいた。
雪は俺の服の袖を掴み、不安そうに見つめていた。
そして円を描いてる文字は輝きだし、円の中央の空間に穴が出現し、その穴の中には中世ヨーロッパの鎧のような古臭い鎧を着ている男たちが立っていた。
ずいぶん迫力のあるイベントだなと俺は楽観的に考え、傍観していた。
男たちは穴の外に出ようとするが、何か透明な壁みたいなものに阻まれ外に出れそうになかった。
すると男たちの背後からかなりリアルな着ぐるみ?がかなりゆったりとした足取りで前に出てきた。
それは牛の姿をしているが、人間のように二本足で立ち、手には棍棒らしきものを持っていた。
着ぐるみは雄叫びを上げながら、手に持っているこん棒を透明な壁に向かってぶん回す。
ガキン!!
大きな衝撃音とともに透明な壁にひびが入っていく。
そんな様子を見ていた俺を含め公園にいた人たちはようやくイベントではないと気づき、辺りはパニックになる。
それもそうだ、見た目が恐ろしい化け物みたいな着ぐるみが外に出てこようとしてるのだ。
冷静でいられる方が難しい。
走って公園から逃げる人、我が子を抱えて逃げようとする人、様々な反応をして人は皆穴のようなものから遠ざかろうとする。
俺も雪を連れて逃げようとしていたが、逃げずに泣いている女の子を見つけてしまった。
俺はいったん雪から離れ。男の子の元に向かおうとする。
「‥‥‥大地。どうするの?」
雪は俺に心配そうに聞いてくる。
「すぐに戻るから心配するな!」
俺はそう言うと雪を置いて、泣いている男の子の元に走って近寄っていった。
「大丈夫か?お母さんはいないのか?」
俺は尋ねる。
「ママ忙しくて、1人で来たからいない」
女の子は泣きながら答える。
「よし、じゃあ兄ちゃんが外に連れてってやる!」
俺はそう言うと女の子を抱えて雪の元へ向かった。
「よし、走るぞ!」
子供を抱え俺と雪は走り出す。
皆が公園の外を目指している中、公園の外から一台のパトカーがサイレンを鳴らしながら、こちらに近づいてきた。
パトカーは公園のそばで停車し、中から二人の警察官が降りてきた。
俺たちはその警察官の方に向かうと、警察官もこちらに気づき、「どうした?一体公園で何があった!?」と警察官の一人が俺達に尋ねてきた。
「なんかよく分からないけど、穴から怪物みたいなのが出てこようとしていて、皆パニックになってる!」
俺もあまりよく分かっていないので、警察に自分が見てきたことを答える。
「何だ、それは?新手のテロみたいなものか?こんな公園で?」
もう一人の警察官が俺達に問う。
「俺にもよく分からない!」
「とりあえず、君達は避難しなさい!我々は応援を要請する!」
一人の警察官は連絡を取ろうと、無線機を手に取る。
「‥‥‥すみません。この子1人で公園に来たらしくて、私たちが外に連れ出して来たんですけど、この子の保護をお願いできますか?」
雪はそう言って俺の抱えている男の子に顔を向ける。
「分かった!我々が責任を持って保護する!君たちは急いで退避しなさい!」
警察官は女の子を抱えてパトカーに乗せる。
男の子は俺たちに向かって手を振りながら「ありがとう、お兄ちゃん、お姉ちゃん」とお礼を言ってきてくれた。
俺たちは女の子に手を振って「雪、走るぞ!」と雪に促す。
「‥‥‥うん!」
俺たちは公園から離れるために走り出した。
数十分も走ると先ほどの左派が示唆と打って変わって、もう何事もなかったのように人々は生活していた。
俺たちはようやく走るのをやめて、歩き出す。
「あれ、いったい何だったんだろうな?」
「‥‥‥分からない。でもあれは人が作った?CGとかそう言うのじゃないと思う。本物のように見えた」
「確かにそうだな。でもあとは警察の方が何とかしてくれるだろ!」
「‥‥‥ん」
雪は頷く。
「今日はありがとうな。俺、部活辞めてから何もすることがなかったから、家でボーッとすることしかできなかったからな。雪のおかげで気分転換できたよ」
「‥‥‥私の方こそありがとう。大地はいつも部活してたから、一緒にデートできて楽しかった」
雪は微笑む。
「待て!あれデートだったのか!?俺にはただの荷物持ちさせるために誘ってきたのじゃなかったのか!?デートらしいことを一切していないぞ!」
あれはデートではない、ただの荷物持ちだ。
「‥‥‥大地。‥‥‥照れ屋さん」
「照れてねぇよ!はぁ、もういいや。雪、ほんとに今日はありがとうな」
俺は雪に感謝を述べ、雪の頭に手をのせる。
「‥‥‥大地、それは卑怯」
雪は顔が真っ赤になり俯く。
「ん?どうした?もう家だぞ!ほら荷物を持て!これ結構重いからな、気をつけろよ?」
俺は荷物を雪に手渡す。
「‥‥‥ありがと。明日は私をどこかに連れてってね」
雪は荷物を受け取りながら微笑んでくる。
「明日も行くのか!?はぁ、分かったよ。何か考えとくよ。じゃあまた明日な」
「‥‥‥ん。また明日」
しかし、俺たちが待ち望んでいた明日は来ることはなかった。
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