俺は主人公にはなりたくない!

ペンダントとキー

そして月日は過ぎ夏休み2日前になった
俺たち2人は長野の大正池という場所に行くことになったその場所はとても流星が綺麗な場所らしい
「三須くん」
「なんだ、立花」
「三須くんは旅行の準備終わった?」
「まだ準備してない」
「一週間後に行くんだよ!早く準備しないと忘れ物しちゃうよ」
「そーゆーお前は終わってるのか?」
「もちろん!準備バッチリだよ」
一週間前から準備とかどこの小学生だよ
「そういえば最後の授業さ防災訓練だったよね」
「めんどくせぇ」
どこの学校にも学期終わりくらいにある防災訓練
とんでもなく暑い夏にやらなくていいんじゃないか?全国の学生は小学校からやってるから高校生にもなって同じ事やる必要がわからない
そんな事考えてるうちに放送が流れた
「訓練、訓練、家庭科室にて火災発生、生徒教員全て校庭に避難せよ」
始まったよ地獄の防災訓練
「お前らー外に出ろよー」
訓練だとしたもとても軽い言い方していやがるんだこの教師
クラスの奴らがぞろぞろと外に出てる
俺も出ようとした時、立花が何かを探しているようだった
「立花どうしたんだ?」
「立花のペンダントがないんだ」
ペンダント?
「立花の宝物なんだ…無くしたらどうしよう…」
少し泣きそうな立花
「俺も探すの手伝うから泣きそうになるな」
俺たちは教室、立花の机の中、バッグと探したが見つからない
どこにあるんだ
「もういいよ、三須くん」
泣きながら言ってきた
「なんでお前が諦めてるんだよ、そんな泣くくらい大切なんだろ、だったら見つけるしかねぇーよ」
「ありがとう…三須くん」
俺は廊下を見に行った
すると少し奥にチェーンが切れているペンダントを見つけた
俺は走って拾いにいった
「立花!あったぞ!」
立花がこっちに向かってきた
「ありがとう!三須くん!本当にありがとう!でもなんでここに?」
「お前朝ここで転んでただろ?」
今日の朝、立花は廊下で転んでるところを俺は目撃していた
「そういえば、水が溢れていて滑って転んだんだった」
「その時にチェーンが切れてたんじゃねぇーの?」
「多分そうだと思う、でも見つかってよかった」
本当に大切なペンダントなんだな
「そのペンダント形見とか?」
「違うよ、このペンダントは初恋の子にもらったの」
「初恋の子?」
「そう、初恋の子でもその子はペンダントをくれた日に引っ越してしまったの」
ペンダントには鍵穴がある
「じゃあ鍵はその子が?」
「うん、鍵はその子がもっててペンダントが立花なの」
「ペンダントの中なにが入ってるんだ」
「ペンダントの中はね、手紙なんだ」
「手紙?」
「再会してペンダントを開けられたら結婚するって約束したの」
「小さい頃って簡単に付き合うとか結婚するとか口にしてたけど今思うと恥ずかしい事ふつうに言える子供ってすごいよな」
「でも、立花はまだその子の事忘れられられないんだよね。その子約束覚えてないのに」
「いいんじゃねぇの?その子が覚えてなくてももしかしたら思い出すかもしれねーじゃんその子」
「そうだね」
立花はペンダントを見つめながら答えた
ペンダントを探している間に防災訓練が終わっていた
「三須、立花職員室来い」
先生の顔が鬼のようだ
俺と立花は渋々職員室へ向かった
「お前ら防災訓練サボってなにをしていた」
貧乏揺すりをしながら聞いてきた
「立花のペンダント探していました」
「ペンダント?」
「立花の大切なペンダントなんです、宝物なんです」
「大切なのはわかったでも、もし本当に火災がおきてもお前たちはそのペンダントを探すのか?」
「立花はそれでも探します」
「まったく…お前は、とりあえず二人とも反省文原稿用紙3枚書いてから帰れ」
俺と立花は渋い顔をした
「返事!!!!!!」
「はい!」
「以上教室に戻れ」
反省文3枚握りしめ教室へ戻った
教室へ戻るとほとんどのクラスの奴らが下校していた
羨ましいなおい
とりあえず反省文書くか
席に着き俺と立花は反省文を書いた
「三須くん、帰りにチェーン買ってもいい?」
「付き合えばいいんだな」
「ありがとう、あとごめんね三須くんまで巻き込んじゃって」
「俺が決めた選択肢に文句言うな。俺が探したいと選択したんだ、だからお前は悪くない」
「三須くんらしいね」
「ほっとけ」
そういえば、数日前に鍵がクローゼットから出てきだけどあの鍵はなんの鍵なんだろう
立花のペンダントが俺の鍵だったりして、ないないそんな事はないだって立花は男で立花の一目惚れの子は女の子。俺な訳がない
でも立花はまだ好きなんだよな 
その子少し羨ましいかも…
え?羨ましい?相手は男だぞ?顔は女みたいだけどでも俺は女が好きなんだ
野郎になんて興味はない
でも、こいつなら…
そう思いながら立花の横顔を見た
「三須くん?」
「なんでもねぇ、書き終わってるか見ただけだ」
「もう少しで終わるよ」
そう言いながらまた書き始めた
「そうか」
「三須くんは終わったの?」
「俺か?俺は書き慣れてるからもう終わった」
「さすがだね」
少し笑いながら言ってきた
「早くやれ」
「うん」
空が少し茜色に染まってきた
教室はふたりきり
その空間がとても心地が良い
「よし終わった!先生に出しに行こ」
「おう」
俺たちは先生に反省文を出し下校した

コメント

  • ノベルバユーザー602339

    三須くんがが大好きという気持ちがこちらにも伝わってきて幸せ気分いっぱいになりました。
    2人の立場が今後どうなって行くのかとても楽しみです。

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