魔王の息子が勇者のパーティーに入りました。
9話 スキルのありがたさ
暗い、暗い、暗すぎる!!!
イライラが、フツフツと沸いてくる湯のように高まって来ている。
何故なら、いつもはスキル『暗視』で道は見えるのだ。
道が見えない不便さを久しぶりに味わっている。
初期スキルと言っても俺が覚えていたのは負の魔力を使うものばかりなので、使えないのだ。
そんな沸騰寸前のリアンの思いを留めているのは『勇者のパーティー』メンバーに素性がバレてはいけないと言う理性だけだった。
――スキルさえ使えれば……こんなヤツら……こんなやつら……ぶっ殺してさっさと魔界へ帰ってるのに。
父さんのことはもう考えないようにしている。あんな、なよなよ父さんに頼ろうなんてもう考えたくもない。
――てか、なんも見えねぇーー!!
「もう!!全然見えないじゃない!」
俺の思いをを口に出してくれたのは金髪女ナルだった。
「落ち着け、俺の感覚によればもう5分ほどあるけば街につくはずだ」
「そうですよ。いつものように歩くだけです」
「何回も歩いてる道だけど慣れないよこの暗さ!!」
え?何回も??
リアンは聞き捨てならない言葉を聞いた気がした。
――まて、まずなんの街にこいつら行こうとしてるんだ。
もし、あの街だったら……。
「おい、お前ら……なんの街に行こうとしてるんだ?」
不安から言葉が先走る。
「ん?始まりの街フレアだ。」
――ぐぁぁあ!!!!やっぱり!? 終わった。俺の人生。さよなら魔界。さよなら俺の魔王人生。
普通の勇者のパーティーなら始まりの街のフレア付近のボスなら二日、三日でクリア出来るはずなのだ。
今までの勇者を見てきたリアンなら勘で理解出来た。
――こいつら、弱い。
と、
「分かった……。」
絶望から救い出されたと感じていたリアンはまた絶望の海へ沈みこんだ気分だった。
始まりの街でこれなら、次の街はどうなるんだ、という不安が気持ちを支配した。
「あっ!リアンはまず服を買わないといけないね!」
そう言えば服はドロドロのままだった。
色々ありすぎて気が回っていなかった。
――まぁこのままでもいいが。勇者のパーティーにいる以上それなりの格好は必要……か。
「お金は持ってるの?」
「お金?持って――」
少し乾いてジメジメしてるズボンから手を出す前に、ポケットを見ると、魔界のお金を入れていたことを思い出した。
「ッッ!!!!」
反射的に手を握りしめ、ゆっくりと通貨をポケットに戻す。
――ッッアッブネェッ!!
危なく魔界の通貨を出すところであった。本当に危ない。どうでもいいことで殺されたくはない。
「どうしたの!?」
「どうした!?」
「敵ですか!?」
勇者のパーティー全員がリアンの方を向いている。と言ってもお互いの姿すら殆ど見えるか見えないかぐらいの暗さなのだが。
「あっ、いや、持病が。」
――ぶわぁぁぁ!?!?何言ってんだ俺!?!?焦りすぎて持病作っちゃったよ……。
「え、リアンは持病持ちなの?幼いのに大変だね……。」
「なんの持病なのだ。大丈夫か?」
「あ、いや、えーと、心臓。」
すごい適当に返した。持病とか何の種類があるかすら分からない。
ただ、ゴブリンからそのような言葉を聞いたことがあっただけだ。
「心臓ですか!?街に知り合いのお医者さんがいるので、その方に見てもらいましょう。」
「いいよ。大丈夫だから。」
「そうですか。」
――引き下がるのはや!! まぁいいんだけど!!
俺の持病持ちが確定した所で、森から光が見えてきた。
「ふぅ、これが始まりか。」
小声で呟く。
――眩しい。
次第に視界が明瞭になってゆく。
目の前は崖だった、が、その先にはオレンジの屋根を貴重とした大きな街が見えていた。
「でっけぇ」
思わず声がもれる。
始まりの街フレアを初めて見たリアンは思わず目を輝かせてしまった。
イライラが、フツフツと沸いてくる湯のように高まって来ている。
何故なら、いつもはスキル『暗視』で道は見えるのだ。
道が見えない不便さを久しぶりに味わっている。
初期スキルと言っても俺が覚えていたのは負の魔力を使うものばかりなので、使えないのだ。
そんな沸騰寸前のリアンの思いを留めているのは『勇者のパーティー』メンバーに素性がバレてはいけないと言う理性だけだった。
――スキルさえ使えれば……こんなヤツら……こんなやつら……ぶっ殺してさっさと魔界へ帰ってるのに。
父さんのことはもう考えないようにしている。あんな、なよなよ父さんに頼ろうなんてもう考えたくもない。
――てか、なんも見えねぇーー!!
「もう!!全然見えないじゃない!」
俺の思いをを口に出してくれたのは金髪女ナルだった。
「落ち着け、俺の感覚によればもう5分ほどあるけば街につくはずだ」
「そうですよ。いつものように歩くだけです」
「何回も歩いてる道だけど慣れないよこの暗さ!!」
え?何回も??
リアンは聞き捨てならない言葉を聞いた気がした。
――まて、まずなんの街にこいつら行こうとしてるんだ。
もし、あの街だったら……。
「おい、お前ら……なんの街に行こうとしてるんだ?」
不安から言葉が先走る。
「ん?始まりの街フレアだ。」
――ぐぁぁあ!!!!やっぱり!? 終わった。俺の人生。さよなら魔界。さよなら俺の魔王人生。
普通の勇者のパーティーなら始まりの街のフレア付近のボスなら二日、三日でクリア出来るはずなのだ。
今までの勇者を見てきたリアンなら勘で理解出来た。
――こいつら、弱い。
と、
「分かった……。」
絶望から救い出されたと感じていたリアンはまた絶望の海へ沈みこんだ気分だった。
始まりの街でこれなら、次の街はどうなるんだ、という不安が気持ちを支配した。
「あっ!リアンはまず服を買わないといけないね!」
そう言えば服はドロドロのままだった。
色々ありすぎて気が回っていなかった。
――まぁこのままでもいいが。勇者のパーティーにいる以上それなりの格好は必要……か。
「お金は持ってるの?」
「お金?持って――」
少し乾いてジメジメしてるズボンから手を出す前に、ポケットを見ると、魔界のお金を入れていたことを思い出した。
「ッッ!!!!」
反射的に手を握りしめ、ゆっくりと通貨をポケットに戻す。
――ッッアッブネェッ!!
危なく魔界の通貨を出すところであった。本当に危ない。どうでもいいことで殺されたくはない。
「どうしたの!?」
「どうした!?」
「敵ですか!?」
勇者のパーティー全員がリアンの方を向いている。と言ってもお互いの姿すら殆ど見えるか見えないかぐらいの暗さなのだが。
「あっ、いや、持病が。」
――ぶわぁぁぁ!?!?何言ってんだ俺!?!?焦りすぎて持病作っちゃったよ……。
「え、リアンは持病持ちなの?幼いのに大変だね……。」
「なんの持病なのだ。大丈夫か?」
「あ、いや、えーと、心臓。」
すごい適当に返した。持病とか何の種類があるかすら分からない。
ただ、ゴブリンからそのような言葉を聞いたことがあっただけだ。
「心臓ですか!?街に知り合いのお医者さんがいるので、その方に見てもらいましょう。」
「いいよ。大丈夫だから。」
「そうですか。」
――引き下がるのはや!! まぁいいんだけど!!
俺の持病持ちが確定した所で、森から光が見えてきた。
「ふぅ、これが始まりか。」
小声で呟く。
――眩しい。
次第に視界が明瞭になってゆく。
目の前は崖だった、が、その先にはオレンジの屋根を貴重とした大きな街が見えていた。
「でっけぇ」
思わず声がもれる。
始まりの街フレアを初めて見たリアンは思わず目を輝かせてしまった。
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