魔王の息子が勇者のパーティーに入りました。
4話 引きこもりの魔王
あれからサクッと父さんの魔力で帰って来た。
――が、父さんの様子が変だ。
勇者のパーティーメンバーを誤って殺してしまってからは、四日間部屋に引きこもっている。
――魔王が引きこもるとかダサすぎる。
今までにも沢山の生命を殺めてきた父親がこれぐらいのことでへこたれるとは思ってもみなかった。
息子リアンはとても、非常に、これまでに無いぐらい父親に失望していた。
失望の根源は――今までの父親と震えてる父親のギャップの差が余りにもあったからだ。
一方、魔王の部屋の中では……。
魔王リリスが一人絶望していた。
絶望の根源は――勇者パーティーにいた黒ローブが死んだからでは無い。
今まで1回も己がする行動を失敗させたことが無いと言う自信が裏目に現れ、絶望へと繋がっていたのだ。
魔王の部屋――今のリリスにとってはとても都合のいい部屋だろう。
何故ならそれは息子のリアンでさえ入ることが困難で、リリスしか開くことの出来ない特殊な魔法がかけられている。
部屋の扉は全長100m横幅50m。
とてつもなく大きな扉だ。扉全体は金を貴重とする貴金属で作られており、魔王にピッタリと言える神々しさを放っていた。
魔王の部屋――今のリアンにとっては最悪すぎる部屋だろう。
リアンは今猛烈に、魔王を外に出したがっているのだから。
扉の前でただ一人門を見上げている。
父親の姿を想像すると、自然とため息が漏れた。
全身の力が脱力していくようだ。
門の周りを見渡すとゴブリンやらオークやらが徘徊している。
すると話し声が聞こえてきた。
「魔王様はまだかなぁ……。」
「メズラシク…ヘヤカラ……デテコナイネ……。ショル…ィ……デモ、ツクッテル……ンダロゥ。」
「えぇ〜。お腹空いたよぉ……。」
オークと、新しく雇われた種族ゴブリンが話していた。
――お腹……か。そろそろ魔王の魔力がいるな。
オルティース家の部下達は主食を魔王の魔力としている。
それ故に従ってくれている部分も少なからずある。給料と飯この二つがいるのだ。
いわゆる、まかないだ。
村下界よりかは、仕事の割にいい報酬だ…と思う。
今は、勝手な想像を広めているが、その気持ちもいつ崩れるか分からないという底知れぬ不安がリアンにはあった。
「ここまでの地位を作り上げてきた父さんは褒めたいけど……早く出てきてくれよ……。」
ため息混じりにそう呟く。
父さんには絶望したが、『魔界最大の力を持つ魔王』が引きこもりなんて勿体無い……!!
――魔界……最大の魔王……?
俺はあることを思い出した。
三日後に下界へ降りることを。
心の中でガッツポーズをキメる。
何故なら。
――俺が魔王になれば一件落着じゃん!!
何故こんなにも大切なことを忘れていたのだろうか……。恥ずかしながら今までの眼下には父親しか映っていなかったようだ。
もう父親に従うだけの息子では無くなった瞬間だった。
――そうとなれば準備だ。
リアンは早速、魔界転送地域のゴブリンに三日後朝十時に出発することを伝え、眠りについた。
――三日後
朝十時
――
「おい、ゴブリン。準備はいいな?」
ゴブリンは無言だ。
魔王の息子を前に緊張しているのだろうか、すごい汗の量だ。
足に小さな水溜りが出来ている。
「コレ……ィィ……?」
機械の前で何やらブツブツ考え込んでいるようだ。
俺は頭をかきながら行動が遅すぎるゴブリンへの怒りを抑えていた。
ピチャピシャッ
落ち着きのないゴブリンは足元の水溜りの上でダンスをしているようだった。
その音がかんに障る。
ついに俺は大声を出した。
「おい!!!!!」
「ヒャァッ……。」
ポチッ
ボタンを押す音が聞こえた。
足元から光が溢れる。
俺は自然と目を閉じた。
これが俺の運命を左右する音とは気付かずに。
――が、父さんの様子が変だ。
勇者のパーティーメンバーを誤って殺してしまってからは、四日間部屋に引きこもっている。
――魔王が引きこもるとかダサすぎる。
今までにも沢山の生命を殺めてきた父親がこれぐらいのことでへこたれるとは思ってもみなかった。
息子リアンはとても、非常に、これまでに無いぐらい父親に失望していた。
失望の根源は――今までの父親と震えてる父親のギャップの差が余りにもあったからだ。
一方、魔王の部屋の中では……。
魔王リリスが一人絶望していた。
絶望の根源は――勇者パーティーにいた黒ローブが死んだからでは無い。
今まで1回も己がする行動を失敗させたことが無いと言う自信が裏目に現れ、絶望へと繋がっていたのだ。
魔王の部屋――今のリリスにとってはとても都合のいい部屋だろう。
何故ならそれは息子のリアンでさえ入ることが困難で、リリスしか開くことの出来ない特殊な魔法がかけられている。
部屋の扉は全長100m横幅50m。
とてつもなく大きな扉だ。扉全体は金を貴重とする貴金属で作られており、魔王にピッタリと言える神々しさを放っていた。
魔王の部屋――今のリアンにとっては最悪すぎる部屋だろう。
リアンは今猛烈に、魔王を外に出したがっているのだから。
扉の前でただ一人門を見上げている。
父親の姿を想像すると、自然とため息が漏れた。
全身の力が脱力していくようだ。
門の周りを見渡すとゴブリンやらオークやらが徘徊している。
すると話し声が聞こえてきた。
「魔王様はまだかなぁ……。」
「メズラシク…ヘヤカラ……デテコナイネ……。ショル…ィ……デモ、ツクッテル……ンダロゥ。」
「えぇ〜。お腹空いたよぉ……。」
オークと、新しく雇われた種族ゴブリンが話していた。
――お腹……か。そろそろ魔王の魔力がいるな。
オルティース家の部下達は主食を魔王の魔力としている。
それ故に従ってくれている部分も少なからずある。給料と飯この二つがいるのだ。
いわゆる、まかないだ。
村下界よりかは、仕事の割にいい報酬だ…と思う。
今は、勝手な想像を広めているが、その気持ちもいつ崩れるか分からないという底知れぬ不安がリアンにはあった。
「ここまでの地位を作り上げてきた父さんは褒めたいけど……早く出てきてくれよ……。」
ため息混じりにそう呟く。
父さんには絶望したが、『魔界最大の力を持つ魔王』が引きこもりなんて勿体無い……!!
――魔界……最大の魔王……?
俺はあることを思い出した。
三日後に下界へ降りることを。
心の中でガッツポーズをキメる。
何故なら。
――俺が魔王になれば一件落着じゃん!!
何故こんなにも大切なことを忘れていたのだろうか……。恥ずかしながら今までの眼下には父親しか映っていなかったようだ。
もう父親に従うだけの息子では無くなった瞬間だった。
――そうとなれば準備だ。
リアンは早速、魔界転送地域のゴブリンに三日後朝十時に出発することを伝え、眠りについた。
――三日後
朝十時
――
「おい、ゴブリン。準備はいいな?」
ゴブリンは無言だ。
魔王の息子を前に緊張しているのだろうか、すごい汗の量だ。
足に小さな水溜りが出来ている。
「コレ……ィィ……?」
機械の前で何やらブツブツ考え込んでいるようだ。
俺は頭をかきながら行動が遅すぎるゴブリンへの怒りを抑えていた。
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「おい!!!!!」
「ヒャァッ……。」
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コメント
にゃしゃ
やったぁ〜!!!ヾ(●´∇`●)ノ
ありがとうございます!!!
結月 五紀
今回良かったですよ