久遠
第11話 カテゴリー3 重装悪鬼兵
……壁を突き破ってきたのか……!
2メートルを超す体躯。筋肉隆々の体には鎧を身にまとっている。紫色の皮膚には所々黒い斑点があってどこか毒々しい。
重装悪鬼兵。バンピールの使役するシュワちゃんと同型の魔物だ。
直江は危険を感じてその場から飛び退く。
弾丸のように放たれた鬼の腕が彼の元いた場所を通過した。大木のようなそれが地面に激突して亀裂を走らせる。ただの打撃でこの威力。
図体が大きいから愚鈍という常識はこいつに通じない。
なんでこのレベルの奴がいるんだよ!
直江はすぐさま逃走を開始する。
どうする……どうする……!?
ひとまず吾郎達と合流しようと教室を飛び出して玄関を目指す。
だが重装悪鬼兵は見習いがいくら束になっても勝てない相手だ。
吸血鬼の使役する魔物にはその強さによって分類されている。番犬代わりに使われていた奴らは最下級のカテゴリー1、だが重装悪鬼兵のカテゴリーはそこから二つ飛ばしてカテゴリー3もある。
応援を呼ぶか?間違いなくあのレベルが出たとなればプロが駆けつけるだろう。
だがそうなれば……。
「おう。直江。終ったか〜」
信じられないことに番犬どもを片付けた吾郎たちは玄関で談笑していた。
「なにしてんだよ!」
「すまないねえ。互いに武勇を語っていたら話に華が咲いてしまってね。手柄は君に譲ってあげることにしたのさっ」
ぶち殺すぞ!
だが呑気な二人も大きな足音が迫ってきていることに気づいて事態の深刻さを理解したようだ。
振り返ると、背後の階段からノッシノッシと鬼が降りてきている。
その姿を見た途端、吾郎が「じゅ、重装悪鬼兵!?」と叫んで、脱兎の如く逃げ出した。
「お、おい待てよ!」
直江の制止も聞かず四ノ宮も走り出したので、仕方なく後をついて僕も走る。
「三人で倒そう!協力すれば何とかなるかもしれないだろ!懸賞金だって出るぞ!」
「何言ってるんだい直江くん!?見習いはカテゴリー3以上との戦闘が禁止されてるじゃないか!」
「そんなのどうでもいいだろ!市民に被害が及ぶかもしれなかったとか後で書類書けば済む!」
「きょ、虚偽の申告をするつもりかい?」
「そうだよ!あんな大物と出会える機会自体少ないのにここでチャンスを無駄にするのか?おい!お前の持っている宝刀は飾りかよ!」
直江の言葉に焚き付けられたのか四ノ宮は敷地を出る前に運動場で立ち止まり、地面に刀を突き刺した。
「舐めるな!これでも四ノ宮に名を連ねる者としての意地くらいは持ち合わせているつもりさ!」
彼が勢いよく両手を地面につける。すると刀の刀身から黒い水のようなものが浮かび上がり、それがものすごいスピードで地面に走った。
2メートルを超す体躯。筋肉隆々の体には鎧を身にまとっている。紫色の皮膚には所々黒い斑点があってどこか毒々しい。
重装悪鬼兵。バンピールの使役するシュワちゃんと同型の魔物だ。
直江は危険を感じてその場から飛び退く。
弾丸のように放たれた鬼の腕が彼の元いた場所を通過した。大木のようなそれが地面に激突して亀裂を走らせる。ただの打撃でこの威力。
図体が大きいから愚鈍という常識はこいつに通じない。
なんでこのレベルの奴がいるんだよ!
直江はすぐさま逃走を開始する。
どうする……どうする……!?
ひとまず吾郎達と合流しようと教室を飛び出して玄関を目指す。
だが重装悪鬼兵は見習いがいくら束になっても勝てない相手だ。
吸血鬼の使役する魔物にはその強さによって分類されている。番犬代わりに使われていた奴らは最下級のカテゴリー1、だが重装悪鬼兵のカテゴリーはそこから二つ飛ばしてカテゴリー3もある。
応援を呼ぶか?間違いなくあのレベルが出たとなればプロが駆けつけるだろう。
だがそうなれば……。
「おう。直江。終ったか〜」
信じられないことに番犬どもを片付けた吾郎たちは玄関で談笑していた。
「なにしてんだよ!」
「すまないねえ。互いに武勇を語っていたら話に華が咲いてしまってね。手柄は君に譲ってあげることにしたのさっ」
ぶち殺すぞ!
だが呑気な二人も大きな足音が迫ってきていることに気づいて事態の深刻さを理解したようだ。
振り返ると、背後の階段からノッシノッシと鬼が降りてきている。
その姿を見た途端、吾郎が「じゅ、重装悪鬼兵!?」と叫んで、脱兎の如く逃げ出した。
「お、おい待てよ!」
直江の制止も聞かず四ノ宮も走り出したので、仕方なく後をついて僕も走る。
「三人で倒そう!協力すれば何とかなるかもしれないだろ!懸賞金だって出るぞ!」
「何言ってるんだい直江くん!?見習いはカテゴリー3以上との戦闘が禁止されてるじゃないか!」
「そんなのどうでもいいだろ!市民に被害が及ぶかもしれなかったとか後で書類書けば済む!」
「きょ、虚偽の申告をするつもりかい?」
「そうだよ!あんな大物と出会える機会自体少ないのにここでチャンスを無駄にするのか?おい!お前の持っている宝刀は飾りかよ!」
直江の言葉に焚き付けられたのか四ノ宮は敷地を出る前に運動場で立ち止まり、地面に刀を突き刺した。
「舐めるな!これでも四ノ宮に名を連ねる者としての意地くらいは持ち合わせているつもりさ!」
彼が勢いよく両手を地面につける。すると刀の刀身から黒い水のようなものが浮かび上がり、それがものすごいスピードで地面に走った。
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