話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

少女と蛇神様

黒猫

昔話

…ある神聖な山の麓に、小さな町がありました。
その小さな町には、蛇神様の昔話がありました。
「ちも…絶対にあの山へ登っては行けないよ…儂がちもに話した事をちゃんと覚えているね?…あの山には蛇神様が住んでいるんだ…ちも…お前があの山へ行ってしまったら…蛇神様に食べられてしまう…ずっと昔お前の母が山菜を取りに出て行ったすぐあとに土砂崩れが起こっただろう?あれは蛇神様がお前の母にお怒りだったからだ…分かるな?ちも。」お爺様が私の頬を撫でながら言った。
私は、母の顔を覚えていない…私が物心つくずっと昔に蛇神様に食べられたのだ。と、お爺様とお祖母様が言っていた。
そして、私はこの小さな町の中でずっと酷い目に合ってきた…その理由は簡単…私の母が町長の許しも得ずに山へ山菜を取りに出たからだ…そのせいで土砂崩れが起きた。幸い町にはなんの被害も無かったが何故か数年間不作が続いた。
それを母のせいだと町の皆が言った。
お祖母様とお爺様が庇ってくれなかったら私はとうの昔に死んでいただろう…だからお爺様とお祖母様にだけは心配をかけないように努力してきた。
成績だって毎回1位を取って運動会だって毎回1位を取った。
お祖母様達に迷惑をかけないように…心配をかけないように…学校へ行くのは、全然苦痛じゃなかった別にいじめられている訳でもないむしろ友達が沢山いる学校は楽しい。
ただ…町を出歩くことが嫌だった。
学校の皆は優しい…けれど大人達は違う…外を少しでも歩けば忌み子と言われ石が飛んでくる。
蹴られもするし殴られもする。
ときには、殺されかけたことだってあった。
その時私は腹を刺され、病院へ駆け込んだ事を覚えている。
病院へ入ったが、忌み子を治療してやる義務など無い。と言われて追い出された何とか家まで帰ったがお祖母様達に心配をかけると行けないので止血も縫合も自分でやった。
もちろん麻酔薬など無かったので縫う時とても痛かった…
だから、お祖母様達にとって一番良い事が私にとって一番良い事だった。
「「ちも…お前を蛇神様を殺す巫女として育てます…ごめんな…(ごめんなさいね…)ちも…」」お祖母様達に言われた時もそれがお祖母様達にとって一番良い事ならばと喜んで引き受けた。
その後、私は河原で瀕死の蛇を見つけた。
何故かは分からないが、その蛇を治療し、野にはなった。
訓練は厳しかったし辛かったけれど、要求以上に成果を出した事でお祖母様達に褒められる事がとても嬉しかった。嬉しかったのだろう…
その日は雨が降っていた…
お祖母様達が死ぬまでは…
もう嫌になっていた…
どうせなら…どうせなら…蛇神様をせめてもの手向けにしようと思い私は山を登っていた。
そうしたら…そうしたら…「私も死のう…」私は涙を流しながらそう言っていたと思う。
神社への階段を一段一段登っていくうちに私の意識は朧げになって行った。

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く