生命の躍動 人間の再発見

Birkenau

サヴィンスキー大佐の栄光と犯罪

ドミトリィ サヴィンスキー大佐は人類進化の英雄であり人類管理調整委員会からは極悪非道の反逆者と呼ばれている人物だ。

終末戦争時特殊作戦軍団の特殊作戦心理戦グループの隊長だった彼は特別な任務が与えられていた。それは人類管理調整委員会の存在を調べることだった。
人類管理調整委員会の人間はこの戦争が仕組まれたものだと言っていたが確たる証拠を掴めずにいたミサイル発射の件だけでは信じるのに不十分だったのだ。
だがサヴィンスキー大佐は疑問を感じていた。
本当にそんな組織が存在するのだろうか?そもそもなぜそのような組織が生まれなのだろうか?だがサヴィンスキー大佐は軍人として命令を受けたからにはどんな命令でも遂行することが求められると分かっている。

彼はエカテリンブルクで産まれた。
父親は軍人で海軍歩兵だった。
母親は郵便局の職員で家は裕福でも無いが生活するには困らない程度の家庭だった。
サヴィンスキーは芸術家になるのが夢で才能もあったが今の時代芸術などほとんど価値の無い物でこれを仕事にするのは不可能だった。
サヴィンスキーはもっと昔に産まれたら良かったと思ったがそんな事どうにもならないと諦めていた。
彼が軍隊に入ったのは父が進めたからだ。彼は幸い頭脳明晰で体力もあったためソビエトロシア帝国の陸軍士官学校に入学した。海軍に入らなかったのは海は父が守っているのだから自分は陸を守ろうと思ったから
サヴィンスキーは士官学校では心理戦と射撃に関しては学校でも5本の指に入る成績だったが他のことが全くダメであった。
そんな彼が卒業を配属されたのは特殊作戦心理戦グループと呼ばれた相手に心理戦を仕掛け相手国民や敵軍の戦意や士気を低下させる部隊だった。
この部隊はどちらかと言うと戦闘よりも諜報や情報収集などの部隊だ。
サヴィンスキーが一番最初に送られたのは南北アメリカ連邦でそこで2年間情報収集作戦に従事していたが特に危険な任務でも彼自身楽しく過ごした。それからヨーロッパ共同体や国内の監視そして南北アメリカ連邦とキャリアを重ね気がつけば隊長に成っていた。
本人曰く優秀なやつは他の部隊に転属になってライバルが居なかったと言っているが……

彼が人類管理調整委員会の存在を疑うのは無理も無かった、彼は立場上世界中の数多くの秘密組織や機密情報を見てきたがそんな組織など聞いたことも無かったからだ。
彼は人類管理調整委員会からきたと言う男に数多くの質問をした。
サヴィンスキーが男に聞いた
「名前は?人類管理調整委員会では何をしていたのか?」
男は答えた。
「私の名前はヴォルフガング・ゲオルギエヴィチ・ロッテ、私の仕事は人口調整局でその名前の通り人口を調整来ることだ」

サヴィンスキーはまだ信じられない

「ずいぶんな名前だな、貴族の生まれか?人口の調整とはなんだ?どうやるんだ?」

ロッテは少し笑って答えた
「そうだ貴族だ、人類管理調整委員会は貴族、王族、そして一部の超人的天才しか在籍することが許されないのだ!」
そしてさらに答えた。
「人口の調整とはそのままだ増えれば病気や異常気象などにより人口を削減するのだ。」

サヴィンスキーは少しバカにしながら聞いた
「本気か?本気でそんな事言ってるのか?薬でもやっていておかしくなっているんじゃないか?」
するとロッテはぶちギレた
「ふざけるな!お前らはなにも知らないんだよ!私の話を素直に聞けば少しは助かるかも知れないんだぞ、後悔してもしきれなくなるぞ」
それからしばらく興奮収まらないロッテは早口で怒鳴りまくっていたが30分くらいしておとなしくなった。
サヴィンスキーは少し信じてみようと思ったしこの作戦はロッテの協力なしには成功しないと悟った。
サヴィンスキーはロッテに人類管理調整委員会について聞いた。

結果は以下の通り

人類管理調整委員会は第一次世界大戦終結後に作られた前身組織の人類危機管理機構を元に誕生した。
人類管理調整委員会が誕生したのは東西冷戦時代だ、委員会は核戦争後に人類を復興させるためにはエリートと超人的天才を生かして置くことが絶対条件であると考えていた。
だが冷戦は終結し核戦争の脅威は低下した。
戦争が無くなったことそして人類が豊かになったことでまた新たな問題が生まれたそれは人類が増えすぎてしまい食料やエネルギーが足りなくなること、委員会はこれまでにもウイルスや感染症で人口を調整してきたがあまりうまくいかなった。
なぜならすぐにワクチンなどの対抗措置で克服されてしまうからだ、そこで委員会はとうとう戦争を起こそうと考え始めたのだと言う、本来は戦争から人類を守るために生まれた組織だったはずなのに………
ロッテはこれが受け入れられないために裏切り者になったらしい、ロッテが言うには反対しているものは以外に少ないらしい、それどころか賛成している人の方が圧倒的多数を占めると言うから驚きだ。
委員会の連中からすれば我々はとるに足らない命で道を歩く蟻と同じ感覚で見ているらしいだからむしろ滅ぼしてエリートと天才が地球を使うことが許されると思っていると言う

サヴィンスキーは聞いているうちに不安になってきた。
あまりにスケールが大きすぎるからである、人類の未来やもしや委員会とも対決しなくてはいけないのでは無いかともしロッテの話が本当なら委員会との対決は確実だ。
サヴィンスキーは報告書を上層部に提出するとロッテに訪ねた。

「人類管理調整委員会はどこにある?」

ロッテは答えた

「月、金星、そして南極大陸の地下にある、金星にはステーションがあってそこには委員会でも天才中の天才を集めている。神に最も近い集団と呼ばれている、月は金星からの指示を地球に伝え報告する、後は地球の監視だ。南極は実働部隊で活動しているのはこいつらだし私もここの人間だった。ここを押さえれば人類が戦争から助かる方法もあるだろう」

サヴィンスキーは言った
「南極や月ならなんとかなるが金星は無理だ。」
ロッテは答える
「いや南極さえ押さえれば大丈夫だ実働部隊は南極にしか居ない、だが並大抵の戦力では不可能だ」
サヴィンスキーは悩みに悩んだもう自分の手に終えないからである今は戦時中だ南北アメリカ連邦とヨーロッパ共同体と戦いながら人類管理調整委員会を相手にするなど不可能だった。とりあえず彼は上層部に報告して指示を待つことにした。

アレクサンドル カミンスキー大将率いる帝国軍はポーランドで待機していた。
先の戦いでは2週間でポーランドを落としたが核兵器使用の可能性があるためだ
カミンスキー大将は不思議だったこの戦争はヨーロッパ共同体からの宣戦布告で始まったがあまりに弱すぎたのだ。布告してきた割には準備も不十分で反撃も散発的だった。
捕虜の話によると突然戦争が始まり出したと言うそして誰が宣戦布告をしたのかわからないと言うことだった。カミンスキー大将は最初はしたっぱなんてなにも知らなくて当たり前だと思って気にも止めなかった。
しかし新たに捕虜にとっていた参謀の一人から話を聞くと腑に落ちないことがあった。

ヨーロッパ共同体から布告したことはつい最近わかったことだった。最初はソビエトロシア帝国から布告されたと思っていた。
参謀レベルの人間ですら真実を知らされていなかった。
この参謀の話によればヨーロッパ共同体内でも誰が宣戦布告したのか議論になっているとのことだった。
カミンスキー大将はヨーロッパ共同体も案外1つではないようだこれは勝利は近いぞと内心喜んでいた。

夜カミンスキー大将は参謀達と戦略会議を開いていた。ドイツ国境にはヨーロッパ共同軍の姿は少数で核使用の可能性が高いと言うことだった。
だがカミンスキー大将は核兵器使用は現実的では無いとは考えていた。
いくら追い詰められても自国で核を使う国などあるわけ無い、部隊が少数なのはまだ準備に時間を要してるだけでせめるなら今しかないと、この日の会議はそこまで長くなく食事会も兼ねていたため終始穏やかだった
カミンスキー大将は参謀達に言った。
「本国の連中は臆病者の集まりさ!敵は少数でおそらく準備ができていない、攻めるなら今しかないのに攻撃停止命令を出すなんて、」
参謀達は笑いながらうなずいていた。

その日の夜中突然副官に叩き起こされた。
カミンスキー大将は何事かと思い飛び起きた。
副官が震えながらメモを渡してきたので目を通すと信じられないことが書いてある。それは

核ミサイル攻撃が行われてモスクワを含む主要都市が壊滅し政府はウラル山脈の秘密地下都市に疎開した。

カミンスキー大将は自分の故郷であるヴォルゴグラードはどうなったのか心配になったがそれどころの話ではない
すぐさま軍団に戦闘準備とNBCスーツの着用を指示した。同時に情報収集を急がせた。

ゲルマン上級大将は突然のミサイル攻撃になすすべが無かった。
レーダーや迎撃ミサイルなどの防空システムがなぜか機能しなかったからだ、復旧したのはミサイルが着弾した直後だった。
それはどうやら他の国も同じのようだった。
ゲルマン上級大将はミサイル攻撃の第2波を防ぐために相手の核兵器関連施設への攻撃を指示しそれは速やかに行われた。
都市への攻撃は指示しなかった。
それから地球ではミサイルが飛び交っていた。だが人類の良心が働いたのか都市や民間区域への攻撃はされなかった。
と言うより必要なかった。
1回目の攻撃で世界の主要都市は壊滅したからだ、ゲルマン上級大将の指示によるヨーロッパ共同体や南北アメリカ連邦の地上や地下サイロの攻撃は成果を納めた。
しかしソビエトロシア帝国は海軍の戦力が低く連邦やヨーロッパ共同体の持つ核ミサイル搭載の原子力潜水艦の撃沈に失敗した。
それにより潜水艦による報復を受けた。
ゲルマン上級大将は海軍の頼りなさに怒りを感じた。
その後ソビエトロシア帝国は海軍と空軍の総力を上げて潜水艦狩りを行った。対潜水艦用の核爆雷や核対潜ロケットなど冷戦時代の兵器が役に立っていた。
相手の核兵器を潰すために核兵器を使う戦争になった。

カミンスキー大将は各国の核ミサイル関連施設の壊滅の情報を聞いて喜んでいた。
カミンスキー大将はすぐさま軍団にドイツへの進軍を指示した。
核ミサイルの脅威が無くなった今攻めるのは今しかないと思った参謀達も同じだった。
カミンスキー大将は無線で全兵士に短く演説を行った。
「敵は我が母なるソビエトロシア帝国に対し核攻撃を実行してきた。我々の同志であるミハイルゲルマン上級大将率いる航空宇宙防衛軍団親衛第1戦略ミサイル連隊の苛烈なる反撃により敵は核ミサイルを失った。
これは祖国をこの世で最も野蛮な敵から守るための戦争、大祖国防衛戦争になるだろう
我々に挑戦したことを後悔させなければならない。」
兵士達は憎しみを剥き出していた。
そして兵士達は悟っていた。
この戦争が終わっても待つ家族はいない
この戦争が終わっても家はない
この戦争が終わってもなにも残らない
進軍する帝国軍は各地で共同軍を撃破しドイツ国境を越境した。
その時だった凄まじい爆発で最前線の部隊が一瞬で消えたのだ。カミンスキー大将は何が起こったのかわからずミサイル攻撃を受けたと思っていた。そして直ちにゲルマン上級大将に連絡した。
「ゲルマン上級大将我々は核ミサイルの攻撃をうけたぞ!どうなっている?もうミサイルはないんじゃ無かったのか?嘘つき野郎!」
ゲルマン上級大将は冷静に答えた
「核ミサイルは双方失い後は戦術核兵器しか残っていない潜水艦は海軍と空軍が必死で潜水艦狩りを行っている、おそらく君の部隊が受けたのは核地雷による待ち伏せだろう」
カミンスキー大将は思い出した。
かつて遥か昔冷戦と呼ばれた戦いで戦術核兵器と呼ばれる武器があったことをしかし冷戦の終了と共に忘れられた兵器となった事を

「くそ!思い出した核兵器はミサイルだけでは無かったぞ、すぐさま全軍に攻撃中止を指示しろ!」
帝国軍は3分の一を失ったがまだ数では優勢だった。
参謀の一人が進言した。
「我々も戦術核兵器を使用し反撃しましょう!敵が使ってくる以上我々も同じ兵器を使わなければ勝てません」
だが帝国軍はすぐに戦術核兵器を使えるわけでは無かった。遥か昔の骨董品を倉庫から出さなければならないしそもそも数も足らなかった。
カミンスキー大将はゲルマン上級大将に再び連絡を取った。
「ゲルマン上級大将我々には戦術核兵器はあるのか?あるならすぐさま送って欲しい!」
ゲルマン上級大将はすぐさま答えた
「ある、秘密裏に研究開発は続けられていて少数ではあるが量産もされている、直ちにそちらに送ろう」
カミンスキー大将は自分は世界を破滅させた将軍の一人になることを覚悟した。

サヴィンスキー達に新たな命令がきた、
それからは南極にいる人類管理調整委員会の存在を確認すること、ロッテは南極大陸の地下にあると言うが地下にどうやって作られたのかまでは知らなかった。
どうやらロッテが生まれる前からあったと言う委員会の人間は皆そこで生まれそこで死ぬのが義務で抜け出すことは絶対に許されないのだ。
サヴィンスキーは南極に部隊を送った。
この任務も任されたのはユーリー、ルガンスキー、アーニャの三人だ彼らは特殊作戦心理戦グループの中でも優秀な部下達だ。
潜入用の潜水艦で南極近海に行きそこからはボートで南極大陸に入った。
ロッテが言うには南極の中心部には地下に続く道があり地下は適温で湖があり泳げるほどだと言う。
そしてさらに地下に続く道がありそこには地下都市があり天井には第2の太陽と呼ばれる
白熱した球体が浮かんでおり地上と同じ生活をしている、そこでは金髪碧眼で自分達をアーリアンと呼んでいる人たちがいるらしい、その都市は地上より1世紀ほど進んでいてドイツ語と英語が混ざった用な言語を話している
ユーリー、ルガンスキー、アーニャの三人は上陸に成功した。
そしてロッテに教えられたポイントに向かって歩いて行った。
潜水艦ではロッテとサヴィンスキーたちが待機さサポートに就いた。
ユーリーがアーニャに言った
「この作戦が終わったら軍隊をやめるんだって?」
アーニャが答えた
「ええそうよ結婚式を挙げて普通の女性に戻るのよ」
ユーリーが笑う
「世界が滅んでいる最中に結婚式とはロマンチックだな」
「世界が滅んだって関係ないわよ私は結婚式を挙げる、教会が残ってれば良いのだけれど」
「もしなかったら俺が牧師をやってやるよ!」
「残念ね私はプロテスタントじゃなくてカトリックだから神父なの」
ルガンスキーがロッテに無線を開いた
「ロッテ、上陸して向かう途中にあいつらに見つかったらどうする?」
「大丈夫だ委員会の連中は自分達が地上の人間にばれてるなんて思ってもないさ」
ルガンスキーは大丈夫なのかと思いながらもロッテの言うことを信じることにした。
そして上陸2日目いよいよ目的に近づいてきた。
ロッテが言う 
「これから先はおそらく猛烈な嵐になっている、それは入り口がばれないようにやっていることで近づくと電子機器などもダメになるこれからしばらく連絡が取れなくなるが湖に着いたら回復するはずだ」
ルガンスキーが答える
「了解」
三人は嵐のなかを進んだ、ユーリーはぶつぶつ文句言っていた何でこんなことならなきゃならいのかともうすぐ世界が滅ぶと言うにと
アーニャが笑いながらに答える
「あなたは最後まで愚痴るのをやめないのね」
彼らは進み続けた嵐のなかをそしてロッテに記された地点に行くと洞窟を見つけた。。
先に入ったのはルガンスキーだった。
「大丈夫だなにもない静かだ」
続いて二人も入った。
アーニャは楽しそうだった。
「なんか冒険してるみたいね地底世界にいくわけでしょなんかワクワクしてきたわ」
二人も内心地底世界に興味を持っていたので同じだった。
ロッテが言うにはその洞窟は入り口まで1日かかるらしいので三人はひたすら歩いて行った。
そしてゴールが見えた。
ユーリーが興奮ぎみで喋った
「見ろ!灯りだ!いよいよだぞ!」
三人は好奇心を押さえきれずに走った。
洞窟を抜けた先には確かに湖があったそして気温も高く来ていた防寒着を脱いだ三人はここで休憩をとることにした。
ここの気温は高く氷の中とは思えなかった。
ユーリーは湖で泳いでいるアーニャは遠くで水汲んで紅茶の飲もうとしている
ユーリーが叫んだ
「アーニャー湖も温水プールみたいだ!泳ごうぜ!」
アーニャも確かに湖で体を洗おうと思っていたので泳ぐことにした。
確かにちょうどいい温度で水がとても澄んでいた。生き物はいないようだ、そして何より水がとても美味しかった。
するとユーリーがやってきた。
「なかなか良いところじゃないか地底世界は、外じゃあ戦争やってるのに俺は一生ここにいたいぜ」
アーニャも正直複雑だった、なぜなら結婚相手はおそらく死んでいるだろうし、戻りたくないのも気持ちはわかるこのままここにいてもいいなと思った。

ルガンスキーは周りを調査していてあるものを見つけた、二人を呼ぶ
「ユーリー、アーニャ来てくれ旗だ旗がある!」
二人はルガンスキーの元に走った。
なぜこんなところに旗があるのか気になったからだ、そしてその旗はぼろぼろで朽ち果てていたが赤に黒い鍵十字のマークがあった。
ルガンスキーは歴史の教科書で見たことある旗だと思った。
「これはナチスの旗だ!」
ユーリーとアーニャは驚いている
行ったんキャンプち戻った無線の準備をしたロッテが言うには湖まで来れば無線は回復するらしい
「こちらルガンスキー、聞こえますか?どうぞ聞こえますか?」
氷の中なのに通じるのか疑問に思っているとすぐにロッテから返事がきた。
「聞こえている無事に着いたようだね」
ルガンスキーは本当に通じたと驚いた。
そしてすぐに聞いた。
「湖の畔にナチスの旗があったぞ、ナチスはかつてここに来ていたのか?」
ロッテが少し黙った後答える
「そうだそもそも人類管理調整委員会を作ったのはナチスだからな」

ロッテは語りだした。

1936年ナチスは南極大陸に調査団を派遣した。そして偶然にもこの湖を見つけたのだ
人類危機管理機構はその話を聞いたときにナチスと協力することを決定した。
まだ当時はまだ戦争をしているわけでもなくそこまで危険な組織と言う認識は無かったからだ、人類危機管理機構は世界中の賢人達を集めて生まれた組織だった。
だがナチスにすぐに乗っ取られてしまい人類管理調整委員会となった。
ナチスは大戦中数多くの新兵器を開発したがそれは賢人達の技術によるものだ、そしてナチスは南極大陸の地下にアーリア人の世界を作ろうと考えていた。開発はすぐに始まった。
南極大陸にはUボートで賢人や労働者などが送り込まれた、その労働者はユダヤ人だった。
計画は1943年には完了し人が住める状態になっており植民はすぐさま開始された。
ナチス優秀な人間を南極に送り込んだ
まずは金髪碧眼であることなど重要で武装親衛隊の中でも容姿、知力、体力すべて完璧な人間のみを選んで送った。
だが突然いなくなるのは不自然なので戦死扱いになっていた
そして戦争が終わるころ1945年には25万人ほどの20未満の男女を南極に送り込んだ。
ヒトラーや他の表の幹部は生きるに値しない命であったため選ばれなかった。
ヒトラーやヒムラーなどどうみてもアーリア人的な要素が皆無なためだ。ラインハルトハイドリッヒは選ばれていたが殺されてしまったため南極に行くことは無かった。
そして南極の地下にアーリア世界を作り自分達をアーリアンと自称した。

ルガンスキーは信じられないが状況的に見て信じるより他ないと思った。
そしてロッテの指示に従い地下都市の入り口を探した。入り口は湖の中にあるらしく底にあるらしい。
三人は潜った奥底へすると扉があった。
アーニャがロッテに聞いた
「扉があるわどうすればあくのかしら?」
ロッテが答える
「そこにはルーン文字でSSとなぞればいいんだ簡単さ」
アーニャが言われた通りなぞると扉が開いたするとそこには都市があった。
ここは戦争前の外と変わらない光景があったが確かに未来的な都市だったロッテは1世紀ほど進んでいるといったがこう言うことかとアーニャは納得した。
三人は目的を達成した。人類管理調整委員会の居場所を突き止めたのだ。サヴィンスキーはさらに命令を伝えた、可能な限りその都市の情報を手に入れること、軍事に関する情報を優先すること
ロッテは言った
「君たちは金髪碧眼でアーリアン的な見た目をしているから選ばれた。言葉はドイツ語と英語が混ざっているだけで難しい言葉はないと思う。後は周りに合わせてくれ」

「こちらルガンスキー、ロッテ我々は服や身なりが違い過ぎて怪しまれる可能があるどうすればいい?買うにもここの通貨はなんだ?」

ロッテは答える

「出発前に渡した物を持っているか?それに入っている、通貨は必要ない物はタダで手に入る」
中には服が入っていた。
彼らはまず湖から上陸し装備を砂に埋めた。
そして町に向かって歩いていた。周りを歩く人は皆確かに金髪碧眼で美男美女ばかりだ三人も確かに容姿は悪くないがここまで良くはない、ユーリーは隠しカメラで映像を撮っていた。アーニャはお腹が空かしていた、ルガンスキーも腹がへったと言っている。
飲食店のような店もある三人は店に入った
そこは小さなダイナーの用な店だった、アーニャは驚いた店員は女性だったがその人は首鎖を繋がれてい服も着ていなかったのだ、アーニャはここはそういう店かと後悔したが訊ねてみた。
「あなた服は着ないの?首の鎖は最近の流行りなの?」
すると店員は笑顔で答えた
「お客様何を言ってるんですか?我々労働階級には服なんてありませんよ?この鎖だって私が盗まれないために着けてくださった。ものですから。」
アーニャは混乱した。ユーリーはカメラで撮っていた。ルガンスキーはメニューを見て平静を装っていた。
とりあえず三人は料理を頼んだ。

ミートボールにエンドウ豆のベーコン添え
じゃがいもにバターソース、それに肉のたくさん入ったスープだった。

三人は食べていたが地上と変わらない味付けで案外以外だった。ミートボールとベーコンは初めての味だったが何の肉だろう?

三人は食べ終わった。ユーリーが会計を頼んだ。
「会計だいくらだ?」
すると店員が答えた
「会計?何ですかいくらだ?とはどういう意味ですか?」
三人は思い出したここでは金が必要ないと言われていたがこう言うことだったのかと確かにレジもない
三人は店を出たそしてロッテにたくさんの質問をした。

この都市は階級がある
知識階級と支配階級と軍人階級はこの都市の一握りの集団超人的天才達で人類管理調整委員会の職員服を着ているのですぐわかる
ちなみに職員以外は人間ではなくもの扱いになる

生産階級はその名前の通り無償でものを作り野菜を育てたりする事を義務づけられた階級

玩具階級は職員達のおもちゃになる事を義務づけられた階級

労働階級は昔で言えばボランティアのようなもので無償で働くのが義務づけられた階級

食料階級は食料になることを義務づけられた階級この都市で得られる動物性たんぱく質はこれしかない

三人はヤバイところに来たと直感した。

その時突然集団に囲まれた。服を着ているから委員会の職員だ、軍人階級だろうその中から指揮官らしき男がでてきた。

「ようこそ地上の皆さん地下都市ゲルマニカへ楽しんでいただけていますか?」

彼は悠長な英語を話していた。そして続けた
「我々について来てください抵抗すれば殺します。安心して下さいなにもしなければ生きて返しますから、人類管理調整委員会の人間は嘘はつきません」
三人はおとなしく従った。
男は名乗った
「私はハンス・ヨハヒム・ファン・パイパー元を辿るとオランダ貴族で階級は大尉です」
紳士的な軍人である
「あなたたちが外の世界の嵐に入った時点であなた達を監視していました、武器を持って入れば我々の防衛システムが発動して生きていなかったでしょう」

確かにロッテは出発前に武器は絶対に持っていくなと言っていた。

「これからこの都市を案内しますよ、この都市を調べるのがあなた達の任務なのでしょうから」

ハンスは3人をホテルに案内した。
「ではここに荷物を預けて下さい。手ぶらで大丈夫ですよ。」

ホテルの従業員も服を着ていなかった。

ロビーには職員らしき女性が座っていたが四つん這いで拘束され鎖が繋がれた男がいたがどうやらあれが玩具階級らしい

ハンスはアーニャに言った
「アーニャあなたもペットが欲しいならお店に行けば手に入りますよ、メスとオスどちらがいいですか?」
アーニャは言った
「遠慮しとくわペットは飼わない」
ユーリーが言った
「俺はメスのペットが欲しいなそしたら毎日やり放題だ!」
アーニャがくずを見る目で睨む
ハンスは言った
「ユーリー、君は犬とそういう行為するのかい?それは玩具階級愛護法違反で即銃殺か食料階級に階級を変えることになるけどそれでもよろしいかな?)
ユーリーは冗談だといって誤魔化した。
ルガンスキーはハンスに聞いたこの都市の歴史や仕組みをハンスは丁寧に答えてくれた。

1950年都市の拡張近代化計画を実行

1960年豚や牛などが病気により死滅

1962年生産階級及び食料階級導入

1968年玩具階級及び労働階級制導入

2020年階級法の制定

2100年地下都市完成

玩具階級、食料階級、労働階級、生産階級は昔ドイツから連れて来た25万人のドイツ人で労働者として連れて来たユダヤ人は月日が経つにつれて死んでいき今は生きていない、子孫を残すことは許されなかったからだ

最初は生産階級の説明をした、生産階級は野菜を育てたり服を作ったりする後は食料階級の世話をするのも大事な義務だ

労働階級は肉体労働や販売接客などを行ったりするのが義務だ

玩具階級は職員のおもちゃになり職員を楽しませるのが義務だ

食料階級はひたすら太ることにより最後は食肉になることが義務だ

ロッテの説明とだいたい同じだとユーリーは思ったが知ってると言うとロッテ存在がばれると思った。

今日はもう遅いから明日にしようとハンスは言った。明日は食料階級の施設へ連れていってくれるらしいが正直行きたくないのが本音だったが行かなきゃ確実に殺されるのでしょういく以外にない

ホテルに帰るとユーリーは出かけることにした町を歩いているとトレーニングジムがあったユーリーは体を鍛えるのが好きだった。
迷わず入ったが彼はすぐにここが地下都市だと感じた、サンドバックが玩具階級だったのだ天井から吊るされている、店員にどれでも好きなのを使って下さいと言われたがユーリーは戸惑っていたしかし周りを見ると服を着た人が普通に殴っているまるで本物のサンドバックを殴るように、ユーリーは思った、この店主はサイテーな野郎なんだろうなとそして言った。
「ここの店主を殴りたい」
すると店員が答えた
「わかりましたここの店主は私なので私を吊るして殴って下さい!」
ユーリーはやってしまったと思ったそもそも労働は職員がやるわけ無いんだから店主だって服を着ていない人に決まってるじゃないか!
ユーリーは帰った。そして3人で話した
「アーニャ、ルガンスキーとんでもないことになってきたぞここはデストピアだ早く抜け出さなければ」
アーニャが言った
「でも抜け出すなんて不可能だと思うけどこれはおとなしく従うしかないわよそうすれば返してくれと言ったんだから」

翌朝ハンスが迎えに着たそして食料階級の施設へ案内された。そして思った通りの光景だった。肥満体の人間がたくさんいた彼らの先を見せられそうになったが断った。そして一通り見せてもらえた。そしてルガンスキーが聞いた。
「できれば軍事関係をみたいんだがダメか?」
ハンスは答えた
「いいですよ。しかし本体は月に行ってしまったので我々だけですが」
ハンスが言うには今南極には200人程度の守備隊しかいないのだと言う。
ルガンスキーはすぐさまサヴィンスキー大佐に報告した。

地下都市攻略は今しかないと

サヴィンスキーは直ちに本国に部隊を要請した。

同時に世界に向けて人類管理調整委員会の存在と記録映像を公開した。
各国の首脳達はこの事実を受け止めたなぜなら今まで起こった出来事は明らかに外部の仕業だったからだ、犯人がわからなかったが今わかったそれは人類管理調整委員会と言う得体の知れない組織の仕業だったと

世界各国は今持てるすべての戦力を南極に送り込んだ、ヨーロッパ共同軍はもう戦力が残っておらず気持ち程度だったが南北アメリカ連邦とソビエトロシア帝国軍はまだ戦力が残っていた。

その頃3人は急いで潜水艦に戻った。ハンスはいい人で本当に返してくれた。ハンスを含め職員達は別に悪くないのだろうと3人は思っている、彼らは昔からのシステムをそのまま継承してきているだけで彼ら自身自分の意思はないように感じた。

南北アメリカ連邦とソビエトロシア帝国軍
は先にこの地下都市を取った方が次の世界で覇者になれるだろうと考えていた。

先に南極に到着したのは南北アメリカ連邦の艦隊だった。連邦軍は敵が現れないためもしかしたら先に帝国軍に落とされたのでは?と心配していたがその心配はいらない心配だった。
連邦軍が上陸を開始した頃霧が立ち込めて視界が悪くなっていったと同時に霧の中から攻撃を受けたのだ、最初は帝国軍の攻撃かと思ったがどうやら地上のものではないようだった。連邦軍も直ちに応戦したが戦果を得られずにいる、だが連邦には切り札がまだ残っていたのだそれは帝国軍の潜水艦狩りから唯一生き残った核ミサイル搭載潜水艦ガトー、連邦はすぐさま南極にガトーを派遣した。連邦は強力な敵を相手に上陸を阻まれ上陸地点から1㎞の地点で立ち往生していた。それから3日後ガトーが南極に到着、がその直前に帝国軍も南極に到着した。帝国軍の司令官はアレクサンドル カミンスキー大将だしかも帝国軍はヨーロッパで戦い続けてきた精鋭達で数を連邦軍より多かった、カミンスキー大将は大量の核砲弾の核ロケット弾を撃ち込みその爆風で霧を払いながら進撃していった。敵は南極大陸の至る所に強力なレーザー兵器を装備したトーチカを配備していたようだ、連邦もガトーから核ミサイルを発射し霧を払いつつトーチカを攻撃した。それから1週間後連邦は凄まじい犠牲を出しながらも中心部の地下都市の入り口に近づいた、委員会側も最後の攻勢に出た。

水空両用の円盤兵器やロボット兵士が投入された、特に円盤兵器は強力でガトーは沈没し他の艦艇も大損害を受けたし円盤兵器の撃墜は困難だったそれに比べロボット兵士はそこまでの脅威ではなく3mくらいの大きさで兵装は機関砲に小型のミサイルだったため遠距離から砲撃すれば対処できた、
帝国軍側もゆっくりだったが確実に敵を撃破しながら中心部にたどり着いた、連邦軍の状態を見てカミンスキー大将はこれは強力な的だと感じていた今までの人生のなかで一番の敵だと帝国軍もまた円盤兵器に手間取っていた、凄まじい機動力でミサイルが追い付けないのである高射砲や高射機関砲による弾幕も効果がなかった。
だがカミンスキー大将は核ロケット弾を対空用にすることで解決した。空に向かって核ロケット弾を撃ち込み強力な爆風を複数起こすことにより叩き落とした。
サヴィンスキー大佐は南極に委員会の本体がいたら攻略は不可能だったろうと思いつつこの戦いを見守った。
連邦軍と帝国軍は入り口を巡って決戦に入った。この戦いでは数と経験に勝る帝国軍が辛くも勝利を納めた。帝国軍は損耗率92%と本当にギリギリだったが一番の痛手はカミンスキー大将を初めとする司令部が皆戦死したこと、これによりサヴィンスキー大佐は部隊を再編成し地下都市の制圧に向かうことになった。しかし地下都市に突入しようにも扉が開かなくなっていたのだがこれは核地雷を使って無理やり開けることに成功した都市にも一部核地雷の被害がでたが大部分はそのままの状態だ。サヴィンスキー大佐は地下都市の守備隊に降伏を勧告し守備隊はあっさり投降した。勝ち目がなかったからである。
この戦争で人類の98%が死んだそして全員が被爆者になってしまっていた地下都市も最後の攻撃で被爆した、サヴィンスキーは委員会の職員に訊ねてたどうにかならないのかとこの地下都市は1世紀先の技術があるならどうにかできないのかと、半ば脅しでもあったもしどうにもならないのであればお前達を生かしておく意味はないのでこの戦争を引き起こした罪で地下都市の職員を皆殺しにすると脅迫した。
サヴィンスキーの部隊はこの地下都市ゲルマニカに住む決断をしたもう地上は核まみれで生きていくことは不可能でここにいるのが唯一行き残ることができるのだ、サヴィンスキーはまず最初に階級市民の解放に取りかかったがうまくいかなかった、彼らは遺伝子操作を受け普通の人間に戻ることは不可能だったためだ、彼らには申し訳ないがこれからもこのまま働いて貰うしかない
そしてサヴィンスキーと他の生き残りはこの地下都市ゲルマニカで生きていくのだ、

それからゲルマニカは修復されかつての姿を取り戻した。そして被爆した人類を救う研究を行った結果は人類は肉体を捨て人造体に脳を移植することで生きながらえた。これは人類の人工的な進化と呼ばれた。これによりサヴィンスキー大佐は人類からは人類を助けだし人工的だが進化までさせた救世主と呼ばれた。
だが人類管理調整委員会からは計画を妨害し地下都市ゲルマニカを、奪い生きるに値しない命を助け進化させた極悪非道の犯罪者となった。

これはサヴィンスキー大佐の栄光と犯罪の物語




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