許されることはない

白鹿

食堂イベントなんか起こらない

『おっきいな』

思わず声に出てしまった。それほどに広いのだ。

「そうかな?」

秋は辺りを見回しながら言った。

「生徒数が多いから広くないといけないんだろうね。」

確かに。ほとんどの席が埋まっている。

「空いてるとこに座ろっか」

そう言いながら空席を探しいる。

それより俺は気になることがあるのだが。

『なぁ、秋。さっきからみんなこっち見てないか?』

そう、食堂に入る前からチラチラこちらを見ている生徒がたくさんいた。
ここは人が多いのでよくわかる。

空いてる席を見つけたのか手招きしながら秋は言った。

「転入生なんて滅多にこないからだろ」

珍しいってことか。

はぁ、朝から気が滅入るな。

「諒太はここで待ってて。あ、苦手なものある?」

食べ物のことだろうか。

『ないよ』

特に好き嫌いはしない。

「りょーかい」

と言いながら秋は急ぎ足で行ってしまった。
お金持ち学校なのに券売機で券買って自分で運ばないといけないみたいだ。

まあ、それくらい当たり前か。

秋が何持って来てくれるか楽しみだな。

今日は一旦教室に行って、出席確認をした後体育館で入学式だ。

そんなことを考えていると、秋が帰って来た。

持っているのは、


『天津飯?朝から重くないか。』

テーブルに天津飯を置きながら秋が言った。

「ここの天津飯まじでうまいんだって。食べてみろよ」

秋にすすめられひとくち口に運んだ。

『おいしい…。』

思わず声に出てしまった。

今日は驚くことが多そうだな。

「そうだろ、そうだろ」

そして二人で仲良く天津飯を食べ、食堂を後にした。








……そういえばお金返してなかったな。秋、ごちそうさまです。
 


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