クラス転移したからクラスの奴に復讐します

Wrath

不貞腐れた竜

俺は会場から出てミリーナを迎えに行ったあと、もう一度国王のところに戻ってミリーナの景品をもらって帰ってきた。

「やっぱりアストはすごいね」
「ん?んーまだまだだよ俺は」
「わたしにもそんな力があったらアストと一緒に戦えるのかな」

ミリーナが不安そうな顔をしながら俯いた。

「ミリーナは戦わなくていいんだ。何かあったら俺が助けてやる。絶対だ」
「でも、アストのにばっかり負担をかけちゃってるから……」
「なら、俺ができないことをしてくれ」
「アストが、できないこと?」
「ああ。俺だって完璧じゃない。魔物と戦ったら服は汚れるしお腹は空く。だから、魔物と戦って帰ってきた俺を慰めてくれ。家事とかも全部ミリーナに任せる。ミリーナにしか頼めないことだから」
「 ︎……アスト、ありがとう。うん、アストのためになるんだったら頑張る。家事もだけど……その……夜の相手も」

ミリーナは顔を赤くしながら最後に消え入るような声で喋っていたがしっかりと俺には聞こえているんだ。

「ああ。それが俺にとってはミリーナにやってほしいことだ」

夜の相手云々は別として本当に俺はミリーナに危険なことはして欲しくない。

そのあと俺たちは明日ある従魔大会に向けて従魔との触れ合う時間にした。
ミリーナと一緒に庭に出てミリーナはフェニックスを呼び出して戯れていた。
俺もラグナロクを呼び出したが不貞腐れていた。

『なんで不貞腐れてんの』
『主君が構ってくれないのが悪い』

ということらしい。たしかに初っ端にこいつと契約してから一度も出したことなかったな。
なんか悪いことしたな。

『悪かったな。あんまお前を使ってやれる場所がなかったんだよ』
『む~、まぁよかろう。して、なぜ呼び出したのだ?』
『明日、従魔の大会があってな。どうせならお前と一緒に優勝を狙ってみようと思ってな』
『主君は妾の実力を過小評価しすぎておる。妾が知る限りこの世界では妾以上の魔物を従魔にできるものが存在せぬのだから実質妾より強い魔物を従えているものは存在しておらぬ』
『へぇ~。ん?じゃあ従魔大会ってほぼ勝ち確?』
『まぁそんなものだな。妾が知るこの世界に主君に近い力を持つものは存在しておらぬし一番近いと言ってもだが魔王ぐらいだろうな。桁が全く違うが敷いてゆうなら其奴だ』

なんか勝ち確ゲームってつまんねぇな。いや、でもこないだのエンシェントオーガみたいなやつが邪神の力でこっちに来たりするんだから決して勝ち確ではないな。俺でも剣で頭とか心臓を一突きされたら死んでしまうからな。まぁ突き刺せる剣があったらだけど。
事実、俺は防御力が高すぎて剣で切られようと逆に切りつけた剣が欠けるということになってしまうのだ。
あれ?これってもう人外どころか化け物じゃね?。みんなに嫌われたりしないかな。

俺は余計な不安を抱きながらラグナロクと会話をして言いった。

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