筆記試験

２９話


あれから一ヶ月後。ミリーナとの熱い夜を過ごしたあとは、二人で和気藹々と生活をしていた。

そして今日は、ミリーナと一緒に入学試験を受けに行く日だ。

俺はこの一ヶ月の間にしたことは、ミリーナに試験で出てくるような問題を軽く教えてもらって問題ないと思ってから勉強をせず、自分に一番しっくりくる性格と容姿を決め、約束のギルドでSSランクのアクアドラゴン（水色のドラゴン）を討伐していたり、いつのまにかSSSランクに上がっていたり、ミリーナに稽古をつけてやったり、覇神さんや魔神さんに教えてもらった効率のいい筋トレををしていたり、公爵の名字を考えたりなんかをしていた。ちなみに、ミリーナとの結婚は学校を卒業してからだから三年後の１７～８歳ぐらいに結婚をする予定だ。

今は、学校まで馬車で移動している。そのためケツがものすごく痛い。初めてのやつにはすごくきついしケツが青くなりそうだった。

「もうすぐ着きますよ」
「わかった。……変身」

俺はミリーナの合図で変身を使った。以前のように黄緑色のエフェクトが俺を包み、出て来たのは。

「よし。こんなもんか」

白銀髪に琥珀色の瞳で身長は162㎝で体重は51㎏で所胃、イケメンの類だろう。性格は、冷静でクールな感じで話し方が優しい感じで一人称はいつもは僕だが怒った時は一人称が俺になる。得意魔法はクールな感じに沿う氷とか雷の設定にしている。

「アストさん、カッコいいです！」
「この姿の時はさんをつけなくてもいいよ。今は同級生だし。それに、もう僕たちは家族だろ」
「わ、わかった。あ、アスト……」

ミリーナは薄く赤面しながら俺の名前を口にした。

「それでいいよ。試験、頑張ろ」
「はい！」

会場の入り口に着き、俺たちは別々の試験会場だから一旦別れた。

試験会場の教室に入ると既に何人かいて何人か緊張した顔つきだった。中には持参したのか分厚い本を読んでいるやつや、余裕なのか昼寝をしているなどいろいろな奴もいた。入った瞬間にいろんなところから視線が集まったが無視した。

俺は自分の席に着き、異次元倉庫から今回出てくる範囲が全部詰まってる本を取り出した。以前にこれを読んで全部丸暗記しているが怪しまれないようにとりあえず読むふりだけしておく。ただそれだけをしているのに周りからの視線が俺に集まっている。特に女子から、一体なんなんだ？。

試験時間の10分ほど前になるとほぼ全員が席について深妙な感じが漂っていた。それなのにまだ俺のことを見ているやつがいるこれも女子が多い。本当になんなんだよ。

5分前になると全員が着席して先生が来た。先生はスラリとした体格にメガネをかけたインテリ感がある人だった。この時になっても女子からの視線が終わらない。なんか俺悪いことしたかな？。

「今からテストのプリント配るので裏のままにしておいてください。チャイムが鳴ったらまずは名前から書いとくこと、名前がなかったら0点ですからね。わからないところがあっても何かしら書いとけば当たるかもしれないのでとりあえず全部埋めるよう、あと…………」

先生がテストの注意事項を言った後に『キーンコーンカーンコーン』と言うチャイムが鳴ってみんな一斉にテストを開始した。

プリントは全部で３枚。１枚は四則計算が問題になっているプリントで、２枚目がこの世界の歴史についてが問題になっているプリントで、３枚目が魔法理論についてが問題になっているプリントだった。全部神界で教えてもらったような内容で、全部解くのに１０分程しかかからなかった。
ここのテストはテストが終わったら前にプリントを出して次の試験に行けるようになっているから、もう一度確認したあと俺は前にプリントを出しに行った。

「君、わからなくて自暴自棄になるのもわかるますがもう少し努力したらどうです」
「大丈夫です。次の試験会場はどこですか？」
「はぁ～どうなっても知りませんよ。次の試験会場は教室を出て左にずっと行った突き当たりの右側に巨漢の先生がいるのでその人のところに行ってください」
「わかりました」

俺は言われた通りに教室を出て左の廊下を歩いて行く。ほかの奴らは集中しているのか俺が居なくなったことに気づいてはいなかった。