異世界転移

3年間、俺は馬鹿みたいに鍛え、馬鹿みたいに勉強した。

武器や筋トレなんかは、ガイアさんの部下だと言う武神さんや死神さんや覇神さんに教えてもらった。
武神さんには武器の使い方、死神さんには様々な相手の弱点のつき方、覇神さんには気配の察知と隠蔽の仕方と合理的な筋トレの仕方なんかを教えてもらった。

魔法なんかは、これまたガイアさんの部下だと言う魔神さんや龍神さんや精霊神さんや魔神さんの部下だと言う炎神、水神、風神、地神、聖神、闇神、雷神さん達に教えてもらった。
魔神さんには色々な特殊魔法を、炎神～雷神さんにはそれぞれ得意な魔法を、龍神さんには魔術の知識や魔術の使い方を、精霊神さんには特殊魔術の知識と特殊魔術の使い方なんかを学んだ。

勉強や雑学や家事は、叡知神さんにいろんなことを教えてもらった。

ガイアさんには…………あれ？何してもらったっけ。まぁいいや。

3年間頑張った甲斐あってか顔がだいぶ変わってイケメンになり、体重も60台になり、細マッチョになった。そして、この3年間でガイアさんのことを深く知ることは出来なかった。

そして今日はやっと異世界に行けることになった。
今は魔神さんが用意してくれた転移陣の前にいる。

叡「異世界はこの間言ったみたいなとこだから楽しんで来るのよ。あと、これ」
武「武器は大切なものを守るためにあるものだ。決して外道の道に行くなよ。これはおれからだ」
死「どんな相手だろうと弱点が必ずあります。そこを突きなさい。はい、どうぞ」
魔「魔法は便利だけど使い方次第で何にでも利用できる悪用はしないでね。はい」
精「あっちの世界の精霊ちゃん達によろしくね。はい、頑張って」
龍「魔術の使い方を誤るなよ。あとは気合だ。ほらよ、頑張りな」
覇「気配操作が完璧なら敵はいない。しっかりマスターしろよ。ほら、じゃあな」
最「お主は今まで頑張った。これは餞別じゃ。持って行け」

ガイアさん達に小さな小袋を渡されたから俺はそれを異次元倉庫に全て保管した。そして俺は神様達を見渡した。

「皆さん、今まで本当に……本当に……」

俺はお礼を言ってる途中に泣いてしまった。今までの訓練は本当に辛かった。マジで何回も死にかけた。でも、みんなきびしかったが、その分優しさもあって、この3年間は今まで生きてきた中でも最高の3年間で特別な時間だった。この謎の安心感は結局なんなのかも分からなかったがもうどうでもよくなっていた。

「泣くんじゃないわい。向こうでも頑張るんじゃぞ」

俺は涙を拭い、もう一度神様達を見渡した。

「はい！。今まで本当にありがとうございました。またどこかでお会いしましょう。さようなら」

俺はそう言ったあと転移陣の中に入った。
すると俺に反応して転移陣が青白く光俺の意識は三年前と同じように暗転した。


その頃神様達は……。

武「…行ったか」
魔「ブルス。あの子の武術の才能は？」
武「……文句のつけようがないぐらいに完璧だった」
死「ええ、私が教えた弱点も全部理解して一発でこなしたわ」
覇「アイツが気配を消したら俺でも見つけるのが困難なぐらいにもなったぞ」
精「武術も化け物だったのね」
武「武術もってことは、そっちもか？」
龍「ああ、教えたことは全部理解してた」
精「魔力を感じる速度も異常に早かったわね」
魔「私が教えた魔法なんか一回見せただけで全部覚えちゃったわ」
叡「勉学も文句はありませんでした。テストは毎回満点です」
武「最高神様、アイツは一体何者なんですか？」
最「ただの日本人で、儂の#道具__オモチャ__#じゃ。と、言いたいところじゃが、今の彼は儂にも分からん」
魔「そこまでなのですか　︎」
最「そうじゃ。そしてあの力を自分以外の他人に、さらには悪人に利用されれば、もっと言えば力を制御できなければ、星は、いや宇宙が終わり兼ねない。ちゃんと観ておかないとのぅ」
全「はい！」

最（この神界は並みの者だったら狂乱ものじゃが彼奴は狂わなかった。もっと言えば落ち着いていたのぅ。それだけでも充分凄いが才能も凄かったのぅ。これは面白いのが手に入ったわい）

神との特訓で宇宙をも終わらせるほどの力を手にしたコウキがこれからどうなるのか。
最高神が意味する道具とはなんなのか？
謎が謎を呼ぶ中、煌羈はこれからどうなるのか。
そのことを知る者は今は誰もいなかった。