異世界転生した私の話を聞いて貰っていいですか?
異世界生活の話
森の中を二人で進んでいると、カインさんが前を指差した。
「ほら、出口だ。」
森を抜けると開けた場所に出た。
「わぁ、凄い・・・!」
そこは大きな花畑だった。
色とりどりの花が咲いていて、とても綺麗な場所だ。
「ここ、凄いだろ。俺も最初は驚いたよ。こんな所で咲いてるなんて、珍しいよな。」
「はい。とっても綺麗です・・・。」
花畑の中にある、花が咲いていない道を二人で歩く。
私は自然と笑顔になっていた。
前の世界でも見たこと無い様な花もあるが、特に変な所もなく普通の花の様だ。
「この先だ。もう少しだけ頑張ってくれ。」
「は、はい。分かりました。」
確かに長い距離を歩いて来たと思う。
だが、気になることがある。
全く疲れていないのだ。
慣れない森の中、舗装がされていない道を休まずに歩き続けていたのだ。
普通なら足が痛くなったり、息切れしたりするのだが私には全く無い。
これが女神様がくれた身体能力の向上なのだろうか?
それと、もう一つ。
カインさんも息切れをしている様子は無い。
あの道に慣れているのか、それとも体を鍛えているのか。
前者は多分違う。
この森に住んでいるとしても、服とか髪が綺麗過ぎる。
この世界、少なくとも私のいる孤児院には洗濯機の様な物は無い。孤児院の近くに流れている川でまとめて洗う。
つまり、後者。
彼は何故この森にいるのだろうか?
歳はそれほど離れては無いと思っているが、一体彼は何者なのだろうか?
考えても分からないことだらけだ。
それもそうだ。
私はこの世界の事を、何も知らない。
私の居る孤児院には、そもそも教育するという概念が無い。
起きて、食べて、お手伝いをして、遊んで、眠る。
基本的なサイクルがこれだ。
居るのは、シスターと呼ばれる子ども達皆のお世話をしてくれる人。
ちょっと太っててやたら偉そうな頭ツルツルの神父様。
この二人だけだ。
子どもの人数も、数人しかいない。
そして何より変なのは、子どもは女の子しかいない所だ。
普通男の子も居るはずなのだが、一人も居ない。
この時点で私は可笑しいと思い、孤児院の人達を観察することにした。
まず、子ども達は白。
皆年相応の元気な子達だ。
・・・約二名を除いて。
 次に、シスター。
彼女はまだ若いと思う。多分30代後半だろう。
シスターに聞いた事がある。
「シスターって、何でシスターなの?」
こんな質問でも、シスターは話してくれた。
「私はね、もう結婚出来ないし、子どもも産めない。だけど、子どものお世話がしたい。そう思って、シスターになったんだよ。」
そう話すシスターは、今にも泣きそうな顔をしていた。
シスターは何時も笑顔で優しくて、泣きそうな所なんて今まで見た事が無かった。
あれが演技だとは思えない。だから白。
残るは神父様。
何時もニコニコ、いや、ニヤニヤしながらこちらを見ている。
決まった日には、何処かに連絡を取っている様だし、この人が黒で間違いないと思っている。
何故そんな事を知っているのかって?
それは、孤児院での観察に協力してくれた人がいるからだ。
彼女との出会いは、私が孤児院に入ってすぐの頃だった。
「ほら、出口だ。」
森を抜けると開けた場所に出た。
「わぁ、凄い・・・!」
そこは大きな花畑だった。
色とりどりの花が咲いていて、とても綺麗な場所だ。
「ここ、凄いだろ。俺も最初は驚いたよ。こんな所で咲いてるなんて、珍しいよな。」
「はい。とっても綺麗です・・・。」
花畑の中にある、花が咲いていない道を二人で歩く。
私は自然と笑顔になっていた。
前の世界でも見たこと無い様な花もあるが、特に変な所もなく普通の花の様だ。
「この先だ。もう少しだけ頑張ってくれ。」
「は、はい。分かりました。」
確かに長い距離を歩いて来たと思う。
だが、気になることがある。
全く疲れていないのだ。
慣れない森の中、舗装がされていない道を休まずに歩き続けていたのだ。
普通なら足が痛くなったり、息切れしたりするのだが私には全く無い。
これが女神様がくれた身体能力の向上なのだろうか?
それと、もう一つ。
カインさんも息切れをしている様子は無い。
あの道に慣れているのか、それとも体を鍛えているのか。
前者は多分違う。
この森に住んでいるとしても、服とか髪が綺麗過ぎる。
この世界、少なくとも私のいる孤児院には洗濯機の様な物は無い。孤児院の近くに流れている川でまとめて洗う。
つまり、後者。
彼は何故この森にいるのだろうか?
歳はそれほど離れては無いと思っているが、一体彼は何者なのだろうか?
考えても分からないことだらけだ。
それもそうだ。
私はこの世界の事を、何も知らない。
私の居る孤児院には、そもそも教育するという概念が無い。
起きて、食べて、お手伝いをして、遊んで、眠る。
基本的なサイクルがこれだ。
居るのは、シスターと呼ばれる子ども達皆のお世話をしてくれる人。
ちょっと太っててやたら偉そうな頭ツルツルの神父様。
この二人だけだ。
子どもの人数も、数人しかいない。
そして何より変なのは、子どもは女の子しかいない所だ。
普通男の子も居るはずなのだが、一人も居ない。
この時点で私は可笑しいと思い、孤児院の人達を観察することにした。
まず、子ども達は白。
皆年相応の元気な子達だ。
・・・約二名を除いて。
 次に、シスター。
彼女はまだ若いと思う。多分30代後半だろう。
シスターに聞いた事がある。
「シスターって、何でシスターなの?」
こんな質問でも、シスターは話してくれた。
「私はね、もう結婚出来ないし、子どもも産めない。だけど、子どものお世話がしたい。そう思って、シスターになったんだよ。」
そう話すシスターは、今にも泣きそうな顔をしていた。
シスターは何時も笑顔で優しくて、泣きそうな所なんて今まで見た事が無かった。
あれが演技だとは思えない。だから白。
残るは神父様。
何時もニコニコ、いや、ニヤニヤしながらこちらを見ている。
決まった日には、何処かに連絡を取っている様だし、この人が黒で間違いないと思っている。
何故そんな事を知っているのかって?
それは、孤児院での観察に協力してくれた人がいるからだ。
彼女との出会いは、私が孤児院に入ってすぐの頃だった。
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コメント
だね
ストーリーがとてもわかりやすくて面白いです!頑張ってください!