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ハルバード使いは異世界を謳歌するそうですよ

超究極キグルミ

18 フリューゲル(2)

「おはようございますコウヨウ様、ムラサキ様。お食事の用意が出来ましたのでお呼びに参りました」

 朝一番。とは言っても朝の五時四十五分位の時間だが。スクナさんがドアを開けて入ってきた。昨日とは同じ格好だった。

「わかりました。ありがとうございます」
「では、私はこれで失礼致します」

 そう言うとスクナさんはテレポートでどこかへ行ってしまった。カグヤさん曰く、最近色々な所へ出掛けているらしい。

「ほらムラサキさん、起きてください」
「うにゅぅ…おはようございま…」

 起き上がろうとしたが手に力が入らなかったのだろう。そのままムラサキさんがこっちに倒れてきた。ドタッ、という大きな音を立ててムラサキさんが重なるように床に倒れる。

「コウヨウさん、凄い音しましたけど…」

 カグヤさんが急いでこちらに来てムラサキさんと俺の姿を見る。

「…えーっと、過去視パストアイズ

 過去視パストアイズを使うとカグヤさんの左目が緑色に光る。ムラサキさんも完全に目が覚めているらしくカグヤさんを凝視していた。

「あ、よかった。変なことしてるのかと思いましたよ」
「ひとまず誤解は解けたってことでいいんですか?」
「ええ。それよりも早く食べないとスクナが早起きして作ってくれた朝ごはんが冷めてしまいますから」
「すいません。今行きます」

 カグヤさんはニッコリ笑うと下へ降りていった。ムラサキさんは状況に気づくと飛び起きた。

「すいません!本当にすいません!私、なぜかコウヨウさんといると寝相が悪くなってしまって…」
「まぁひとまずご飯にしましょう?」
「は、はい…」

 ムラサキさんも頬を赤く染めて下へ下っていった。はぁ、朝から疲れた。


「この料理美味しいです、スクナさんは料理上手ですね」
「はい。自慢の弟です」

 スクナさんが作ってくれた朝ごはんは格別に美味しかった。パンに目玉焼き、サラダという素朴なメニューだったが素材の味がしっかりと出ている。

「カグヤさんは今日どうされますか?」
「今日は店の経営をしなければならないので…スクナにまた案内をしてもらいましょうか」
「そのスクナさん何ですけどさっき書き置きがあって…」

 ムラサキさんが小さな紙切れを机の上に置いた。確かに何か書いてある。

「スクナが書き置きなんて珍しい。えーっと、『本日は帰りが遅くなりそうです。大変申し訳無いのですが夕食までに帰れなさそうですので失礼ですが夕食はカグヤ様が作っていただけると助かります。それと、念のためドアの近くにポーションを置いておいてください』か。…スクナ、ついに仕掛けるのね」
「その案件は首を突っ込んでも大丈夫ですか?」
「ええ。ちょっとばかりスクナがピンチみたい」
「もしかして、昨日の狩りというのが関係しているんですか?」
「この事も話さなければなりませんね。ちょっと来てください」

 カグヤさんは立ち上がると二階に上がっていった。久々に危機感知魔法を使っておく。今も若干反応している。


「ここはスクナの部屋です」

 カグヤさんに連れられて来たのはスクナさんの部屋だった。小さな机と椅子、ベッドだけの質素な部屋だ。

「ちょっと待ってください。確か机の中に…あった。これです」

 カグヤさんがスクナさんの机の引き出しから取り出したのは分厚い本だった。タイトルは書かれていない。中身は…一部が切り取られていた。

「…スクナがオッドアイなのは気付いてますよね?」
「はい。赤色と黒色の」
「スクナの赤色の目、あれ義眼なんです」
「義眼?」
「この前過去視パストアイズで見たんですが、スクナ、私が捕まったことを話しましたよね」
「はい。しっかりと覚えてます」

 姉が好きだということを即答したことを忘れるだろうか。

「あの時賊は私の能力を狙って捕まえました。何でも時間巻き戻しリターンウォッチの研究だったらしいです」

 カグヤさんは続ける。

「ようやく力の制御が出来た時期に目覚めた能力。コウヨウさん、もし時間が巻き戻せたらどんな事が出来ると思いますか?」
「時間を加速して出来ること?うーん…」
「ちなみに賊には協力な科学者が大勢いたそうです」

 科学者?時間の巻き戻し?うーん…

「…まさか」

 ムラサキさんはわかったようだ。うーん…駄目だ思い付かない。

古代技術ロストテクニックを…機械兵器を現代に復旧させる?」
「その通りですムラサキさん。そして機械兵器があれば…」
「世界を握ることなど容易い。と言うことですか」

 確かにそうだ。話の中でしかわからなかったが機械兵器はとても実用性があり、とても強い。それを手に入れれば…

「それに気付いたスクナは私を捕まえた賊を皆殺しにしました。能力を使って」
「能力?スクナさんにもあるんですか?」
「スクナの能力、それは…」

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